2012年2月24日(金)
イエティから2012年春に発売されるXbox 360用AVG『ルートダブル -Before Crime * After Days-(以下、ルートダブル)』。その登場キャラクターたちを毎週紹介していく連載企画の第6回をお届けする。
『ルートダブル』は、“infinity”シリーズや『I/O』などを手掛けたクリエイター・中澤工さんが原案・監督・プロデューサーを務める新作サスペンスアドベンチャーゲーム。重大な事故が発生し、9人の人間が閉じ込められた巨大研究所“ラボ”を舞台に、救助に奔走するレスキュー隊員と閉じ込められた高校生の少年の2つの視点で物語が進行していく。
連載企画の第6回ではBルートのヒロインの1人・琴乃悠里をピックアップ。開発スタッフのコメントやラフ画、幼少時の画像などとともに、謎に包まれた彼女に迫る。
「わたしには、どうしたらいいのかわからないよ……」
夏彦の幼なじみ。Bルートでは、訳あって夏彦の家に居候中。家庭的なことは苦手なので、なんの役にも立っていない。
おっとりで口数も少ないので、話し相手になっているわけでもなく、一緒にご飯を食べたり、夏彦の話を一方的に聞いたり、単に夏彦の側にいるだけ……というのが正直なところ。だが、夏彦はその存在と空気感をとても心地よく感じており、夏彦にとって大切なものの1つになっている。
9月16日に、なぜかラボに閉じ込められている。
Aルートでは、ゲーム開始早々に救出される。無口でほとんど自分のことを語らず、何を考えているのかわからない。おまけに運動神経が悪くて体力もないので、足手まといにしかならない。
CV |
名塚 佳織(インタビュー記事はこちら) |
年齢 |
17歳 |
誕生日 |
2012年10月8日(天秤座) |
血液型 |
AB型 |
職業 |
無職(学校にも通っていない) |
性格 |
大人しく引っ込み思案。偏見を持たず、理解力があり、他人の心の痛みがよくわかる |
知力 |
標準 |
体力 |
極めて低い |
趣味 |
読書(活字であれば何でも読む)、編み物、家でごろごろすること |
好き |
恋のお話、メデタシメデタシおしまい、お腹いっぱい、ぽかぽかぬくぬく |
嫌い |
お腹ぺこぺこ、がくがくぶるぶる、残酷なお話、誰かの悲しむ顔 |
エニアグラム |
Type9“調停者” |
キャラクター |
みけおう |
■中澤工さんのコメント
悠里は、6人のヒロインの中でも特に重要なキャラクターです。
Bルートにおいては、幼なじみ属性を備えた上に、夏彦の家に居候しているという超近接キャラ。Aルートにおいては、最初に助け出される要救助者であり、一番みんなから気にかけられる(足手まといな)少女。設定的にも、役割的にも、この物語は彼女を中心に動いていると言っても過言ではありません。
メインヒロインというと、一般的なイメージでは“容姿端麗、頭脳明晰で、運動神経抜群、みんなの人気者で、家庭的な特技もあり……”なんてパーフェクト超人なスペックを連想するかもしれません。
が、悠里の場合、容姿はともかく、知性は人並み、運動能力は皆無、内向的で人付き合いが苦手な上に引きこもり、料理もできない…………うーむ、どうしたわけでしょう。徹底して逆へ逆へと伸びるベクトルには、ある種の対称性さえ感じさせますね。
それでも彼女は、間違いなく本作のメインヒロインです。その訳は、シナリオが終盤にさしかかるにつれて理解できていくことでしょう。
オープニングムービーのキャラ紹介パートにおいて、悠里だけが二度紹介されます。悠里の紹介時、名前の上に添えられる英文は――Girls do not belong anywhere(どこにも属さない少女)。学生でもなく、働いてもいない彼女は、確かに“無属性”なキャラではありますが……。
死――『ルートダブル』を発表当時から応援してくださっている方はご存じの通り、悠里の死亡CGが発表まもなく公表されました。ヒロインの死をいきなり表沙汰にするなんて! と、かなり驚かれたと思います。
上にも書いたように、生存能力の極めて低い悠里は、9人の中でもっとも死に近い人物です。Aルートの冒頭にて炎に巻かれる悠里を発見した時、渡瀬はどこからともなく《彼女を助けろ!》という声を聞きます。
あのシーンは、本作を象徴していると言えます。
そう。『ルートダブル』とはまさに、悠里を救う物語。
ぜひとも、彼女を永い悪夢の中から救い出してください。
■月島総記さんのコメント
“要救助者”――悠里というキャラクターをひと言で現すなら、この言葉がしっくり来ます。すなわち“救うべき対象”。もっと言えば、男なら誰しも救ってあげたくなる女の子。そんなヒロインにすることを目指して、彼女はデザインされました。
タフな女性がたくさん出てくるこの物語において、悠里は他のヒロインとは違い、実に無力です。体力は皆無で、気も弱く、Aルート中はいつもびくびくと怯えています。危険に満ちたラボの中では、はっきり言って足手まといになってしまうこともあり得ます。
かくも無力な悠里ですが、しかし彼女は誰にも負けないものを持っています。それは“優しさ”。自身が苦境に置かれていても、他人を思いやることができる心です。
そんな彼女の存在は、救助する側の面々にとっても、逆に支えとなるでしょう。
しかしAルートにおける彼女は、怯えているせいか口数が少なく、とりわけ自分のことについてはほとんど語りません。いつも皆を気遣っているようでいて、まれに意図不明の行動に出ることもあり、いまいち何を考えているのか不明です。彼女は何を考えているのか? その謎を解くカギは、やはりBルートにあります。
Bルートでは、事故発生前の平穏な世界にいる悠里の姿が描かれます。幼なじみの夏彦や悠里と、楽しく穏やかに過ごす彼女の日常。しかしそれは徐々に、不穏な非日常に変容します。その過程の中で、彼女の心はどのような変容を遂げたのか。事故に至る6日間の中で、彼女に何が起きたのか。その謎が明かされた時、皆様が悠里を見る目も、この物語自体の見え方も、すべてが大きく変わるはずです。
そういった意味で、もっとも本作を象徴するヒロイン――それが琴乃悠里なのです。
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(C)イエティ/Regista
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