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2012年3月17日(土)

フェイトがクロノア衣装になった理由とは!? 『魔法少女リリカルなのはA’s PORTABLE GOD』開発スタッフインタビューでさまざまな謎に迫る

文:電撃オンライン

 バンダイナムコゲームスから、昨年12月に発売されたPSP用ソフト『魔法少女リリカルなのはA’s PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-(以下、なのはGOD)』。そのソフトを手がけた開発スタッフへ、インタビューを行った。

『魔法少女リリカルなのはA’s PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-』
『魔法少女リリカルなのはA’s PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-』

 『なのはGOD』は、2010年1月に発売された『魔法少女リリカルなのは A’s PORTABLE -THE BATTLE OF ACES-』の流れをくむ、『魔法少女リリカルなのは』シリーズのゲーム最新作。なのはやフェイト、はやてなどのキャラクターを操り、空中戦を楽しめる魔法対戦アクションゲームだ。前作をベースに技やシステムも調整され、より爽快なバトルを楽しめる。また、オリジナルのヒロイン姉妹が新たに登場している他、『魔法少女リリカルなのはViVid』や『魔法戦記リリカルなのはForce』のキャラクターなども新たに参戦する。

 対戦企画に続いて、開発スタッフへのインタビューを決行。プロデューサーの大塚怜士さん(バンダイナムコゲームス)、トータルゲームデザイナー・金子彰史さん(ウィッチクラフト)、ゲームデザイナーの國本豊さん(ウィッチクラフト)の3人に、ゲーム中のシステムや攻略のポイントについてなどをお聞きした。ソフトを購入した人だけでなく興味を持っている人もぜひご覧いただきたい。

■パラレルワールドならではの物語が展開

――本作は、物語が大きく1つあり、それがいろいろなキャラクターの視点で進行する群像劇になっています。キャラクターごとに一本道のストーリーが用意されていた前作とは異なり、こういう物語の進め方にした理由をお願いします。

金子:キャラクターごとに話があるタイプにすると、多彩な視点で描ける分、どうしても断片的な構造となり、物語の大きなうねりが作りにくい点があります。今回は、前回と趣向を変えるという意味でも、対戦アクションとしてはボリュームのある1本の大きなストーリーを用意し、そこにさまざまなキャラが絡む群像劇にしたいと考えました。このあたりは都築さんとの打ち合わせの中で出てきたものです。

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▲オリジナルヒロインのアミティエ・フローリアン。妹を追って、未来からやってきた。▲キリエ・フローリアンは、アミティエ・フローリアンの妹。普段は独特なしゃべり方をする。

――開発はいつごろからスタートしたのでしょうか?

金子:いつでしたっけ? ……最近はちょっといろいろ記憶が飛んでいまして(笑)。

――タイトルは、2010年11月のイベント“リリカル・パーティIV”で映像とともに発表されていますね。

大塚:前任の富澤(※前作を手がけた富澤祐介プロデューサー)と少し企画を練っていて、アンケートが集まったころから「次をやりたい」と話していました。僕が記憶している限りは、開発が動き出したのは、2010年の5月ごろだったと思います。

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▲実年齢は10歳だが、変身魔法で大人の姿になることができる高町ヴィヴィオ。スピードとテクニック、一閃必中のカウンターブローを武器に戦う。▲アインハルト・ストラトスは、古流格闘技“覇王流(カイザーアーツ)”の伝承者。ヴィヴィオと同じ学校の中等部の1年生だ。▲“エクリプスウィルス”の“因子適合者(ドライバー)”となってしまった少年、トーマ・アヴェニール。リアクト状態となる、リリィ・シュトロゼックとともに戦う。

――本作では前作から3カ月後が描かれているのですが、リインフォースはかなり長生きしていますね?

金子:それはパラレルの醍醐味です(笑)。アニメでは、物語を終えたら消えてしまいますが、ゲームの方では数カ月の猶予があります。その数カ月の中で物語が展開しています。

――マテリアルズのキャラが、本作でさらに立っていると思うのですが、前作でのユーザーからの反応は意識しましたか?

金子:前作では、ベースとなったキャラクターのリソースを活用するというところからスタートしたのですが、今回は作り直すつもりでキャラを立てていこうと最初から目標を掲げていました。都築さんも、物語の中でスポットを当ててくれたので、うまくマッチしたと思います。

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▲星光の殲滅者(シュテル・ザ・デストラクター)▲雷刃の襲撃者(レヴィ・ザ・スラッシャー)▲闇統べる王(ロード・ディアーチェ)

――闇王(ディアーチェ)が、まるで主役かと感じるほど、話の中核を担っていたことに驚きました。

『魔法少女リリカルなのはA’s PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-』

金子:そうですね、おいしいところを持っていきましたね。そこはやはり王様の王様たるゆえんではないでしょうか。“砕け得ぬ闇”という存在と、そこに付随する3人のマテリアルズという設定は前作からあったのですが、今作における3人は、当初の想定以上に大きな存在となった印象です。

――マテリアルズは、どのように組み立てていったんですか?

國本:シナリオから読み取れる個性に合わせて、モーションなどを変更しています。例えば、星光(シュテル)の炎のエフェクトなどがそうです。ラストバトルの闇王(ディアーチェ)は削り能力がすごく高いことや、“砕け得ぬ闇”ということで防御力が激しく高いことなどは、シナリオから反映させたゲーム的な設定部分です。

金子:削り能力が高いので、“砕け得ぬ闇”との相性はいいですね。

國本:ストーリー中で“砕け得ぬ闇”には、“崩れないほどの防御結界”という設定があります。それをゲーム中に生かすにはどうしたらいいかということで、スーパーアーマー状態で攻撃が効かず、ガードクラッシュさせてから、初めて攻撃が通るという形にしています。

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▲“砕け得ぬ闇”は、ガードブレイクするまでスーパーアーマー状態でダメージを受けてもひるまない。ただし、フルドライブバーストとキャッチは、ダメージを与えられる。

――あとは、ラストバトルで倒した後に復活するのは驚きました。「倒した! えっ!? 倒してないの!?」って。

(一同笑)

金子:曲が変わって、ステージ燃えている!って(笑)。ラストバトルは、主題歌『ROMANCERS’ NEO』とあわせて燃える展開になったと思いますね。一度倒した後は“砕け得ぬ闇”の防御力が低いので、フルドライブを当ててやっつけるという絵的に盛り上がる展開になったので。

――主題歌のアレンジが連続で流れるのは、狙っているのが分かっていても燃えました。

金子:ありがとうございます(笑)。他のバトルでも、『リリカルなのは』シリーズのアレンジ曲が流れるのですが、『Silent Bible』と『ROMANCERS’ NEO』のアレンジは、自分でプレイしていても思わず笑ってしまうほどハマっていると思います。

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▲“砕け得ぬ闇”を止めるため、戦いを挑むことに。闇王(ディアーチェ)をはじめ、性能が通常とは異なるキャラがいる。
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▲ラストバトルでは、一度倒した後にその場で“砕け得ぬ闇”が復活する。防御力は低いが、残り時間が少ないため、焦った人も多いのでは?

次のページでシステムや調整について語る!

(C)都築真紀 (C)2011 NBGI

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