2012年3月8日(木)
――発売日を迎えた率直な感想をお願いします。
▲「これまでを思い返すと、いろいろな思いがこみ上げてきます」と感慨深そうに語っていた大崎プロデューサー。 |
大崎:最初に作り出した時は「本当に出るの?」という感じだったので、正直感慨深いです。この業界に入って19年になりますが、こんなに多くの皆さんに来ていただけるタイトルはありませんでした。ミクさんはすごいと思いますね。やれる限り、頑張っていきたいと思いました!
――なぜ「本当に出るの?」と感じたのでしょうか?
大崎:どういうゲームになるのか、最初はわからかったためです。『Project DIVA』シリーズもあるので、同じものを作っても仕方がない。「どうする?」という期間が長かったですね。
高部:3DSということもあり、幅広い層に遊んでもらいたいという狙いがあります。ターゲットや選曲、チューニングにもこだわっています。ただ、これまでの『Project DIVA』シリーズが好きな人にも楽しんでもらえるようにもしています。
大崎:ミクさんには、さまざまな技術的な側面も絡んでくる。“電子の歌姫”と称されているからには、“電子的”にすごいことをしたいんですね(笑)。そこをどうするかは試行錯誤でした。
高部:“ミク=未来”という結びつきができてからは、早かったですね。
大崎:その結びつきから、絵の雰囲気やプロジェクトとしてのまとまりができました。苦しい時間は長かったですが、デザイナーが頑張ってくれましたね。“ねんどろいど”の見た目だけでなく、質感にもこだわっています。
高部:生々しすぎず、プラスティックすぎずという質感ですね。デザインが固まったことで、3DSのいろいろな機能を生かしたくなり、さまざまなシステムが構築されていきました。
大崎:弊社はプログラマーが好きにやってしまうクセがあるんです(苦笑)。気付かないうちに仕様やシステムが入っていました。ただ、それがよかったので生かしました。音声認識やフェイストラックという顔認識がうまくいったのは、プログラマーのおかげですね。
――フェイストラックについて、説明していただけますか?
高部:“マイルーム”の中でプレイヤーの顔を追って、視線を動かしたり、カメラアングルが変わったりします。上から見ると、上目目線になるので、そういうのが好きな人にもこたえられるかと(笑)。
――さまざまな機能の中で、気に入っているものを教えてください。
高部:マイルームのカメラモードですね。ジャイロセンサーを使っていて、3DSを縦置きにすることも可能です。
大崎:縦置きにして眺めるのはいいですね。
高部:マイルームでは、加速度センサーにも対応していて、ゆらすとミクさんがよろけたり、背景がゆれたりします。そういう細かいところも見てほしいですね。
大崎:特定の時期や日にちにはイベントがあり、ちょっとおもしろいと思います。だいたい1カ月に1つあって、日本的な行事はそこそこ抑えています。
――ポリゴン数はどれくらい使っているのでしょうか?
高部:明確な発言は控えさせていただきますが、キャラクターにかなり使っています。他の部署からは「多すぎるから減らして」と言われるくらいに(笑)。それくらいに愛を込めて作っています。
大崎:もともとアーケード出身ということもあって、まずはできることの最大を作って、そこからどこまでやれるかを考慮しつつ、削っていくという作り方が多いです。
――最後にファンに向けてメッセージをお願いします。
大崎:初音ミクのゲームを作る上で、こだわっているのは“カワイいと思ってもらえるものにしよう”ということ。今回のモデルは間違いなくカワイイです。その上でゲームとしても、おもしろくなっていると思います。簡単なものからやりごたえのあるものまで用意していて、最初は難しくてもやっていればできるようになり、上達を感じるものになっています。
あとは3Dのプロモーション映像ですね。これは実機でないと伝わらない魅力。映像に深度を付けていて、見慣れたPVでも新鮮に感じるのでぜひ見てほしいです。他にも、ファンならわかるような細かいネタも仕込んでいるので、ぜひ探してみてください。
高部:最初は曲を解放するために、ガリガリプレイされると思います。それが終わったら、PVをゆっくり眺めたり、マイルームで遊んだりしてほしいです。じっくり長く味わっていただけるような作りになっています。
また“すれ違い通信”にも対応し、コメントをPVに書き込めます。ぜひ、外に持ち出していただきたいです。
■『初音ミク and Future Stars Project mirai』発売記念イベント概要
【開催日時】2012年3月8日 11:00~18:00
【開催会場】ソフマップ秋葉原 アミューズメント館 8Fイベントスペース
(C) SEGA / (C) Crypton Future Media, Inc.
デザイン協力 : ねんどろいど
データ