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2012年3月16日(金)

【通好みゲームメーカー 会社案内 Vol.5 トイロジック編】実力は折り紙付きの開発が放つオリジナル作品『Happy Wars』! あの名作の開発秘話も

文:megane

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今だから話せる、没ネタ、隠しネタぶっちゃけトーク!

──ガンロッドの形態や魔法で、没にしたネタなどはありましたか?

 ガンロッドの形態には、グレネードランチャーやミサイルなどのアイデアもあったのですが、広範囲の攻撃は魔法に集約させようということになりまして。なので、爆発系のものはすべてカットしていきました。

 やろうと思って実現できなかったのが、ガイスト兵を操るという魔法ですね。ガイスト兵をコントロールして、同士討ちさせたり、自滅させたりという。

 その時用に、すごいイカレたセリフをたくさん用意していたんですよ。今のガイスト兵よりも、もっとおもしろいセリフが。結局、AIの制御が対応しきれなくて、入れられなかったのが悔しかったですね。

 他にも魔法の没ネタは、思い出しきれないぐらいたくさんの案がありましたね。ガンロッドがガチャガチャと変形して、バイクになるといった魔法もあったぐらいです。

──ガイスト兵のセリフといえば、かなり人間臭いところがありますが、彼らの中に元の人間の記憶は残っているのでしょうか?

 残っていないですね。設定としては、死んで歪んだ人間の魂が悪魔に触れてしまうと、ガイスト兵という怪物になってしまう。そこに残っているのは、人を苦しめたいだとか、殺したいだとかいった悪意的なことに関する知識だけで、ガイスト兵として不必要な記憶はすべて失っています。

 なので、スナイパーの「妻と子どもが……」といったセリフも、もちろん嘘です。

──これも設定的な話になりますが、アリシアと契約している悪魔・ダークネスは、人間のことを見下していますが、アリシアのことはどう思っているのでしょうか?

 アリシアとダークネスは、純粋に互いを利用し合うだけの関係ですね。

 ゲーム内では語られていない設定ですが、『バレットウィッチ』の世界では悪魔同士もバンバン殺し合っているんですよ。ダークネスだけが特別で悪魔を狩っているというわけじゃなくて。

 この世界の悪魔は、殺した相手の魂を吸収して強大になっていきます。そして最終的には、すべてを破壊し尽くして無に帰すというだけの存在でしかないんですね。なので、他の悪魔と協力しようなどとは考えないし、人間を助けたいなどかけらも思っていません。

 ただ、ダークネスは肉体を持っていない悪魔なので、この世界で強大な力を行使するためには、アリシアの協力が不可欠なんですね。人間を卑下しているといっても、人間を殺すことにアリシアは手を貸さないので、アリシアの行動に協力的な姿勢を見せているわけです。

──追加DLCはかなりサービス満点な感じでいたが、このボリュームは最初から予定していたのでしょうか?

 元々、最初からパッケージに収録されるコンテンツと、追加でダウンロード配信するコンテンツを両方準備していたんですね。ところが、制作スケジュールが遅れていたということもあって、それらを全部追加DLCにすることになってしまいました。

 なので、当然会社としては追加DLCを有料にしたかったところですが、これでお金を取るのはダメでしょうと。本編自体にそんなボリュームがあるわけでもなく、元々パッケージに収録されるはずだったものも含まれているのにと。

 それと、ユーザーに長く遊んでほしいという思いがあったので、無料で追加DLCの配信を続けていけば、遊んでもらえるだろうと考えて、すべて無料にしました。

──コスチュームの追加は、私もいちユーザーとして当時盛り上がりました。

 2つ目の追加コスチュームは女子校生コスチュームだったのですが、ディレクターが「女子校生コスチューム入れようよ」と言うのも体裁的に格好がつかないので。会議では「どんなのがいいかなー」などと言いつつ、誰かが女子校生という案を出したところで、すかさず「いいね、ソレ!」と(笑)。

 「俺じゃなくて、○○が女子校生がいいって言うからさー」と言いながらGoogleで検索をして、なるべくスカートの短い画像を出して「こんなのがいいんじゃない?」とねじ込みました(笑)。確か、t.A.T.u.の衣装とかを参考にしていたと記憶しています。

──スタッフブログで募集した、ユーザー案で決まった女教師コスチュームも話題になりましたね。

 デザイン担当が仕上げてきた女教師コスチュームを見た時は「うわ、下品だなー」って(笑)。自分が女子校生コスチュームをねじ込んだことを棚に上げて。

 そのあとの包帯コスチュームなんですが、最初はあれって包帯だけだったんですよ。ところが、エロ過ぎるという理由でNGとなりまして。仕方ないので、いろいろと着せていったら、中途半端な感じになってしまいました。

──最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

 現在は、『Happy Wars』といったカジュアルなゲームの制作を進めていますが、将来的には、日本でも海外でも勝負のできるようなビッグタイトルを作れるようになることを目指しています。

 まずは、小さなタイトルでもユーザーさんに楽しんでいただけることを第一にゲームを作っていき、会社が成長した暁には大きなタイトルにも挑戦していきたいと思いますので、皆さん応援よろしくお願いいたします。

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 その名前が表立って出る機会はまだまだ少ないトイロジックですが、根底にある技術と実績は疑いようもなく本物です。初のオリジナルタイトルとなる『Happy Wars』の登場を皮切りに、どのように飛躍していくのか? この先の展開が非常に楽しみになるインタビューでした。

(C) 2011 Toylogic Inc. All Rights Reserved. Happy Wars and Toylogic are trademarks of Toylogic in Japan and/or other countries. Microsoft, Xbox, Xbox 360, Xbox LIVE, and the Xbox logos are trademarks of the Microsoft group of companies and are used under license from Microsoft.

データ

▼『Happy Wars』
■メーカー:日本マイクロソフト
■対応機種:Xbox 360(ダウンロード専用)
■ジャンル:ACT
■配信日:2012年
■価格:未定

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