2012年4月20日(金)
イエティから6月14日に発売されるXbox 360用AVG『ルートダブル -Before Crime * After Days-(以下、ルートダブル)』。その登場キャラクターたちを紹介していく連載企画の最終回をお届けする。
『ルートダブル』は、“infinity”シリーズや『I/O』などを手掛けたクリエイター・中澤工さんが原案・監督・プロデューサーを務める新作サスペンスアドベンチャーゲーム。重大な事故が発生し、9人の人間が閉じ込められた巨大研究所“ラボ”を舞台に、救助に奔走するレスキュー隊員と閉じ込められた高校生の少年の2つの視点で物語が進行していく。
連載企画のラストは、本作の初回限定版に同梱されるドラマCD『超能力少女びよんど☆ビヨンド(以下、ビヨびよ)』に登場する、神無月きらら&ビヨンド・コミィについて紹介する。
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小学5年生の女の子。強い超能力の持ち主。きららを助けるお供キャラ・イエティくんと出会うことで、正義の超能力少女ビヨンド・コミィとして戦うことになる。性格は明るくて活発。勉強は少し苦手。
CV |
氷上 恭子 |
キャラクター |
おおたか鳴海 |
■中澤工さんのコメント
前回までのキャラ紹介と一転して、劇中劇のヒロイン――きらら&コミィの紹介となります。
ご存じのように、コミィ(きらら)の活躍する劇中劇『超能力少女ビヨンド☆びよんど』は、『ルートダブル』の初回限定版に同梱されるドラマCDに収録されます。
ハードでシリアスな本編と打って変わって、ポップでライトな作風&世界観に戸惑いを覚えた方も多いと思います。それもそのはず、『ビヨびよ』は、本編の世界で放映されている子ども向けアニメだからです(初回限定版に同梱されるドラマCDは、この原作版にあたります)。
子ども向け(それも教育番組的な側面をもつ)作品なので、血生臭くて緊迫した本編とは、真逆の世界観になってしまっているわけです。なんとも、対称的な関係ですね。
『ビヨびよ』は、本編の世界で大人気の作品で、アニメ好きのましろも『ビヨびよ』信者の1人です。なのでBルートの日常シーンでは、しばしば、ましろの『ビヨびよ』トークが炸裂することでしょう。覚悟しておいてください(笑)。
とまあ、あくまで『オマケ』として用意された劇中劇ですが、ただオマケを作るだけでは“もったいない”ので、本編と間接的に絡めてみたりしています。
公式サイトの『ビヨびよ』の紹介にも、こう表記しました。
――【作中で描かれる一部の超能力がBCと酷似していること、作品の発表タイミング、そして製作委員会に文部科学省が絡んでいることなどから、とある噂話・憶測が都市伝説のように一部の人々の間でささやかれている。】
意味深ですねー。いかにも何かありそうですねー。実際この劇中劇は、本編の“何か”を象徴するような内容になっています。“何”が“どのように”象徴しているのかは、『ビヨびよ』を聴いた上で本編をプレイすると、だんだん見えてくることでしょう。
といっても、劇中劇を聴かないと本編が楽しめない(劇中劇必須)というわけではありません。より本編を深く楽しみたい人は、初回限定版もご検討ください。
きららは、“日曜の朝にやっている魔女っ娘ものアニメ”のヒロインをイメージして設計されました。
『おジャ魔女どれみ』とか『プリキュア』とかのイメージです。それに加えてイエティの中の人から出てきた“熱い要望”も承りつつ、担当ライターさんと話し合ってキャラクターや世界観を詰めました。
結果として、“明るくて元気で、まわりのみんなの笑顔が大好き。勉強は苦手で、ちょっぴりドジだけど、実は秘められた強い超能力の才能を持っている。能力を自覚してからは正義の味方として町の平和のために頑張る、健気で純真な女の子”という“いかにも”なヒロインが超能力を使って悪者と戦う、ストレートな物語に仕上がったと思います。
本編が“一筋縄ではいかない”ハードなサスペンスなので、本編の展開にやさぐれそう(?)になった時に、一服の清涼剤としても楽しめるのではないでしょうか。
きららやコミィたちのビジュアルは、おおたか鳴海さんからのご提案を全面的に採用する形でキャラクターデザインしていただきました。
おおたかさんは“この手の作品のツボ”をよくご存じで、とても助けられました。コミィのデザインが蝶々と花をモチーフにしているのも、おおたかさんからの提案です。ヒロインらしい、ピュアで可憐な感じがよく表れていますよね。
ふと思ったのですが、コミィのデザインには、かわいらしい見た目の中にも、神秘的なメッセージが込められているように思えませんか?
胡蝶の夢――はたして今見ている光景は、現実の出来事なのか、それとも蝶が見ている夢なのか。
“劇中”の物語だと思っていたら、実のところはその逆で、“現実”のほうこそが虚構なのかもしれない…………そんな風に想像の羽根を広げてみたりすると、『ルートダブル』と『ビヨびよ』の関係は、また違った見え方をしてくるかもしれません。
■おおたか鳴海さんのコメント
きららは、女児向けの魔法少女な感じで、というオーダーでした。魔法少女といえばツインテール! という単純な発想からデザインを考えて、今の感じになりました。ショートパンツにニーソックス、だいぶ私の趣味が反映されています。おかげで、かなり描きやすい子になりました(笑)。
ビヨンド・コミィは変身した姿なので、わかりやすい魔法少女っぽさをいろいろと入れてみました。最終的に、花と蝶のモチーフに落ち着きましたが、結構紆余曲折がありました。でも、ヘッドホンをつけているというところは最初から変わってない部分です。いろいろと苦戦したせいかコミィのデザインは気に入っているのですが、背中の蝶の羽を忘れがちでした……。
ちなみにステッキのモチーフは、お花と苺です。あまり描く機会はなかったのですが、これも結構気に入っています。皆さんにも気に入っていただけるといいな♪
(C)イエティ/Regista
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