何かを失うことで得るものがある――『クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編』発売記念スペシャルトークショーをレポ

文：電撃オンライン

　セガは本日3月22日、PSP用ソフト『クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編（以下、クロヒョウ2）』の発売を記念したイベントおよびスペシャルトークショーを、東京都内のビックカメラ有楽町店で開催した。

　『クロヒョウ2』は、2010年9月にPSPで発売されたアクションAVG『クロヒョウ 龍が如く新章』の続編。今作では、おなじみの繁華街“神室町”と『龍が如く2』以来となる大阪“蒼天掘”の2つの街を舞台に、前作から1年後の物語が展開する。電撃オンラインでは本作のプレイレポートを掲載しているので、ぜひチェックしてほしい。

　本日のイベントでは、来場者や会場で『クロヒョウ2』を体験した人にオリジナルグッズがプレゼントされた。またトークショーでは、龍が如くスタジオ・名越稔洋総合監督と本作の主人公・右京龍也を演じた俳優・斎藤工さんが、さまざまなトークを繰り広げた。このイベントの模様を、写真とあわせてレポートする。

▲ドラマ版『クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編』の撮影中だった斎藤さんは、右京龍也の格好のまま駆け付けた。トークショーの後も撮影は続くようだ。

▲トークショーの会場となったビックカメラ有楽町店の店頭には、大勢の女性ファンが！　名越監督と斎藤さんが登場すると大歓声に包まれた。

　発売日を迎えた感想を聞かれた名越監督は、「前作『クロヒョウ 龍が如く新章』が大変好評で、ドラマにもなりまして、そして今日『クロヒョウ2』を発売日をきちんと迎えられてうれしく思っています」とコメント。今作のテーマは“若者同士の絆”とのことで、若者同士のバトルが中心だった前作に対して、1年を経て成長した主人公が下の世代とどう付き合っていくかが描かれるという。また注目ポイントとして、ゲームと現在撮影中のドラマがリンクしている点を挙げていた。

▲名越監督（左）と斎藤さん（右）。斎藤さんは、『クロヒョウ2』の中で敵対する役の大杉漣さんと、昼間にゴールデン街でラーメンを食べたエピソードを披露し、撮影が終わるのがさみしいと語った。

　一方、『クロヒョウ』という作品について問われた斎藤さんは、主人公の右京龍也は“もがきの象徴”であるとし、自分が抱えているやり場のない気持ちややりきれない思いの象徴で、非常に今の時代とリンクしている作品だと説明した。現在撮影中のドラマは、終盤に差し掛かっているそうで、これからも大事なシーンの撮影が控えているとのこと。1カ月以上撮影しているが、気が抜けた瞬間がないと斎藤さんは語る。

　斎藤さんによると、『クロヒョウ』の撮影期間はプライベートの記憶があまりないという。撮影を終えて自宅に帰ると気絶したように眠り、朝起きて撮影現場に向かうとすぐに右京龍也になるという日々が続いていると明かした。「厳しい現場だが、スタッフや出演者が1つの方向を向いていて、生ぬるくない作品に仕上がっている」と斎藤さんは力強く語っていた。

　最後に斎藤さんが、「ゲームの『クロヒョウ2』は、僕の声を入れるだけで4～5日かかっていまして、プロジェクト自体は本当にすごい長い時間ととてつもない労力がかかっています。1枚の絵、1秒の映像を作る大変さに僕は立ち会って、これが日本が誇る技術とシステムなんだなと。そこに自分が素材としてかかわっていることがすごくうれしいです。僕は、何かを失うことで得るものがあるということを『クロヒョウ』で学びました。何かが削れて何かが加わることを、『クロヒョウ2』を通じて皆さんにも伝わってほしいと思っています」とあいさつした。

　それを受けて名越監督は、自分が話したいことをすべて言われてしまったと言い、「ゲーム中で女の子を口説くシーンもたくさんあります。自己投影して遊んでいただいても非常に楽しいと思います（笑）。それだけでも購入する価値はあるかなと思いますので、よろしくお願いします！」と笑顔であいさつし、トークショーを締めくくった。

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