2012年4月18日(水)
ブロッコリーは、同社が4月28日から展開する新作トレーディングカードゲーム『Z/X(ゼクス)Zillions of enemy X(以下、Z/X)』の関係者向けの制作発表会を、本日4月18日に都内で開催した。
本作は、業界初となる“無料で始められるTCG”をコンセプトに制作されているカードゲーム。構築済みのデッキが講習会で配布される他、切り取ってデッキにできる冊子が店頭で、フリーカードのPDFデータが公式サイトでそれぞれ配布される。本日の発表会で、本作の具体的な展開が明らかになったので写真とともに掲載する。
PVが上映された後、本作の世界観とストーリーが紹介された。世界5カ所に突如出現した異世界への門・黒点(ブラックポイント)から、異形の生物が侵攻してくる。異世界の住人たちの争いに巻き込まれる人類だったが、カード型のデバイスにそれらを封じ込めることに成功。それぞれの地で、それぞれの主人公たちがデバイスを手に戦いを繰り広げていくという物語になっている。
続いては、本作の具体的な内容について。3×3のスクウェア上で繰り広げられるTCGで、シンプルなルールながら奥深い戦術を楽しめるデザインになっている。公式サイトではクイックリファレンスも公開されているので、詳しいルールはそちらを参照してほしい。
また、冒頭でも書いた“フリーカードシステム”についても、詳細な配布スケジュールが公開された。4月28日から、計3つのデッキが順次公開される予定。これらはすべて無料で手に入るが、製品版のカードは、フリーカードの能力を強化したものになるという。
続いて公開されたのはイベントについて。先ほど紹介した5つの異世界は、それぞれ実際の日本のエリア(北海道・東北、関東、中部・北陸、近畿・四国、中国・九州)に割り当てられており、大会の結果がそのままストーリーに反映される“ストーリーイベント”が実施される予定だとのこと。
この他に、デッキレシピを公開可能な個人ページを持てるソーシャル型サイトの開設や、大会の情報なども紹介された。大会はフリーカードを使って参加できるものも予定されている。
製品版となるブースターパックは、7月27日に第1弾が発売される。価格は、1パック7枚入りで294円(税込)。第1弾では、全100種(Special Cardを除く)のカードが収録されるという。
その後は、本プロジェクトのキーパーソンによるトークショーが繰り広げられた。登壇したのは、冒頭でもあいさつをした日本一ソフトウェアの新川社長、ガマニアデジタルエンターテインメント商品開発部部長・市﨑裕康氏、集英社Vジャンプ編集部編集長兼最強ジャンプ編集部編集長・伊能昭夫氏、遊宝洞代表取締役社長・廣木克哉氏、遊宝洞のゲームデザイナー・八ツ塚俊一氏、ブロッコリーのプロデューサー・久保田俊介氏の6名だ。
▲市﨑氏 | ▲伊能氏 |
▲廣木氏(左)と八ツ塚氏(右) | ▲久保田氏 |
システムについて触れられた廣木氏は、「TCGは、自分のデッキを調整したりするのが楽しいところです。なので、テンポよく繰り返し遊べるようなゲームにするようにとデザイナーに伝えました」とコメントした。
それを受けて、八ツ塚氏も本作のデザインコンセプトを明かした。八ツ塚氏によれば、まず本作は無料で始められるということで、ルールをわかりやすくしようとしたとのこと。そして八ツ塚氏は、TCGではよく話題に上がるプレイ中にカードをパチパチ鳴らしたり、シャカシャカシャッフルをしたりする人にも触れる。彼らを見て「みんなもっとカードを動かしたいのではないか」と考え、『Z/X』はよくカードを操作するルールにしたという。最後に、「昨今のTCGはコアなものとライトなものにわかれすぎている気がする」と自身の考えを述べ、それらの橋渡しになるような“ミドル”なゲームを目指したと語っていた。
また、新川氏はコンシューマゲームについて、「コンピューターゲームでしかできないことをやりたい」とコメント。カードがレベルアップしたり、合成できたりといった要素を盛り込み、TCGもコンシューマゲームもどちらも楽しめるものを作りたいと話していた。ガマニアの市﨑氏も、オンラインでできることを追求してきたという同社の強みを生かし、「世界中に本作を発信していきたい」とコメント。「カードゲームに国境はないと思うので、広げやすいと思っています」と、オンラインゲームならではの展望を語っていた。
トークショーの後は、『侵略!イカ娘』のOP『侵略ノススメ☆』で知られるアーティスト・ULTRA-PRISMがゲストとして登場。本作の主題歌『ゼクス~強いチカラ~』を歌い上げた。『侵略ノススメ☆』などの曲調とは打って変わった、カッコイイ曲になっていたので、公開された際には要チェックだ。
最後は、ブロッコリー代表取締役社長・森田知治氏が登壇しあいさつ。「弊社がカードゲームを出すのは何年ぶりになりましょうか。ユーザーの皆様のご意見を最重要視して展開していきたいと思っています」という、力強いコメントとともに発表会を締めくくった。
▲森田氏 | ▲本日の登壇者 |
▲本日の発表会では触れられなかった、謎のポスターも会場に掲示されていた。このキャラクターは一体……? |
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