2012年5月10日(木)
ここで、稲船氏が実際に開発中のソフトをプレイしてみることに。□、△、○ボタンに魔法が振り当てられており、ボタンを押すことでそれに応じた2種類のアクションを使用可能。6種のアクションを使いつつ、敵を倒していくことになるようだ。腕が大きくなり、敵を攻撃するシーンも見られた。
敵を倒した後には、アイコンが表示される。敵を“救済”するのか、“生贄”にするのかという選択だ。選択によって、得られるものが異なるという。
魔法使いと聞くと、杖を持った白いヒゲの老人というイメージがあるかもしれないが、本作では若い魔法使いがスピーディなアクションを行う。稲船氏は、「このテンポ感にも気を使っている」と発言していた。
制作・プロデュースを担当するのは、SCEジャパンスタジオ。企画・開発は稲船氏が率いるコンセプト、開発をマーベラスAQLがそれぞれ行う。また、音楽はさまざまなゲーム音楽を手掛けてきた光田康典さん、鋒山亘(ほこやまわたる)さんが担当する。
ステージ上に、光田さんと鋒山さんが登壇。光田さんは、自身が手掛けた魔導書のテーマ曲について、「絶望感に加えて、かすかな希望を込めた」と説明。国内でよく見るような世界観ではなかったために戸惑いもあったようだが、コンセプトアートがしっかりしていたため、やりやすさもあったとコメントした。
▲左から光田さん、鋒山さん、稲船さん。 |
鋒山さんが手掛けたのは、巨大なモンスターとのバトル曲。迫力を出すことに加えて、それぞれのモンスターの心の叫びを表現したとのこと。意識したという心の叫びは非常に苦労したと制作当時を振り返った。
楽曲に関しては、2人がミーティングしつつ鋭意制作中とのこと。光田さんが「いい感じに仕上がっているのでお楽しみに!」というと、稲船氏は鋒山さんが得意としているオーケストラによる楽曲も控えていると明かした。鋒山さんは「光田さんと2人で、驚くような世界を作っていきたいです」と意気込みを語った。
▲ゲームのコンセプトに“心”を入れているため、音楽にも心を入れてほしかったと話す稲船氏。2人がその思いを理解して楽曲を作ってくれたため、満足していると語った。 |
ジャンルに“共闘”と明記されている『ソウル・サクリファイス』には、当然、マルチプレイ要素も用意されている。ここで、4人同時プレイの映像が公開された。
炎や雷の魔法を使いつつ、敵を倒していく4人の魔法使い。ステージを進めていくと、ケルベロスが襲いかかってくる。攻撃を加えていくと、ケルベロスの部位を破壊でき、メッセージが表示された。
本作では全員が魔法使いだが、剣を手にすることで剣士のような役割を演じることも可能だという。魔法には攻撃だけでなく、体力を回復させるものも存在する。
スクリーンに赤い文字が描写される。これは、魔物が人間だった時の気持ちだという。アクション中にメッセージを読むことは大変だが、中にはヒントになるものもあるようだ。
ここで、左上のプレイヤーがひん死に。他のプレイヤーが近寄ってきて助けるのかと思いきや、彼を生贄にして魔法・サラマンダーを使用。“犠牲”には、自分や魔物だけではなく仲間をささげることも含まれるようだ。サラマンダーで強力な力を手にしたが、そのプレイヤーはステージクリア後、死亡してしまった。
▲ボスを倒した後にも選択することに。今回は、“生贄”を選んでいたが、“救済”した場合はどうなるのだろうか? |
マンガやアニメでは、「ここは俺に任せて、先に行け!」というシーンをよく見かけるが、現実的にはなかなか難しいと語る稲船氏。氏は「自分を犠牲にすることで敵を倒せるのであれば、それはカッコいい選択」と述べ、このシステムを用意した理由を明かした。同氏が考えた「ゲームに心を入れたい」というコンセプトは、ここにも出ているという。
稲船氏が独立して1年と少し。「いい感じでできているので、今年中に届けたい! そして、今までプレイしたゲームの中で一番おもしろいと言わせたいです」と熱弁した。そのために、多くの犠牲を払って、このゲームを作っているという。「でも、皆さんはそれをほど大きな犠牲を払う必要はないです。PS Vitaとソフトを買うだけで、楽しめます」とコメントすると、会場に集まった報道陣と一般参加者からは笑い声が上がり、発表会は終了となった。
(C)Sony Computer Entertainment Inc.
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