2012年6月8日(金)
SCEカンファレンスのオープニングに登場し、会場の多くの人の心を一瞬にして虜にしたPS3タイトル『BEYOND TWO SOULS』(以下、ビヨンド)。圧倒的なリアリティとミステリアスなストーリーは見るモノを引きつけたこの作品のメディアセッションが行われた。
制作は、ワールドワイドでミリオンセールスを記録した『HEAVY RAIN -心の軋むとき-』のQuantic Dream社(フランス)。今回、ディレクターのデビッド・ケイジ氏が、プレイ映像を見せながら、タイトルの説明をしてくれた。
『ビヨンド』は、主人公のジョディ・ホームスの少女からの15年間の人生をたどる物語。彼女は、霊体の“アイデン”と一緒にいる能力があり、この特異な力の存在を知っている政府が執ように彼女たちを追いかけていく……。これが大まかなストーリーである。
セッションでは、プレイ映像を見た後にそのシーンをディレクターが解説する形で進んでいったのだが、残念ながらプレイ映像は撮影禁止のため、各シーンを追って紹介する。
ここでは、主にジョディとともにいる霊体アイデンの存在とアクションを紹介していた。アイデンは発光する透明な物体で、物語の中では、周りの人には見えない存在。扉などの物体を通り抜けることができ、さらに人や物を動かしたり、操ることができる。
また、アイデン視点の時には、それぞれの人物の周りにオーラが見え、オーラには色があって、色によってその人物の状態や操ることができるといった違いがある。アイデンはジョディにも憑依できるとのこと。
▲見た映像は、すべて雨が降っていた。悲しさや憂いを帯びた雰囲気を映像全体から感じられる。 |
▲シーン1の最後で列車から飛び降りるシーン。この後、アイデンがシールドをつくる。 |
このシーンでは、主人公ジョディ自身のアクションと、アイデンのアクション操作を解説していた。警察犬に見つかったジョディが警察犬と戦ったり、追っ手の警察官に見つからないように崖を登るなど。ここでのアクション操作は、前作『HEAVY RAIN』と同じく、画面に出てくるコントローラのボタンをタイミングよく押して、アクションを繋いでいくものであった。
崖の上に登ると警察官が待ち構えている。ここではジョディを助けるためにアイデンのアクション操作を見せていた。先ほど話したオーラの色がオレンジの警官に憑依して操り、わざと車の事故を起こさせて注意を引きつけ、その間にジョディがバイクで逃走。バイクでの移動シーンもムービーではなくプレイヤーが操作するなど、前作以上にアクション要素が多くなっていると説明があった。
また、森の中でのジョディの歩く場面も20種類ものモーションキャプチャーにより、よりリアリティのある動きを再現していた。
バイクシーンのクライマックスは、橋の先に待ち構えるSWATにバイクとも突っ込むアクション。操作の詳細やどのような状態になると出現するか不明だが、ジョディに危険が迫るとアイデンがシールドを作って守ってくれるようである。
▲シーン2での警察犬とのアクションシーン。アクション操作はそれほど難しいものではない。とにかく動きがリアルである。 |
▲ジョディがバイクでSWATに突っ込むシーン。水のようなものがアイデンの作るシールドである。 |
ここでは、アイデンを操作して車を動かしたり、人に憑依したりしてSWATから逃れる。この際に、アクションは1つの正解があるのではなく、いくつもの正解があり、プレイヤーによって順番や方法が違ってくるとのこと。これにより、ストーリーやその後の流れが変化するとのことだ。
また、ライティングシェイダーによる、光と陰のコントラスト、爆破によるコントローラの振動、爆破シーンでのエフェクトを多用することなど、ダイナミックで迫力ある映像表現は前作とは異なる迫力をゲームに持たせていた。
▲シーン3でのSWATから逃げるシーン。左側で赤く光っているのがオーラで、赤は怒りを表している。 |
▲迫力のエフェクトで演出された爆破シーン。光と影の演出にも注目したい。 |
▲セッションでの最後の画面。SWATの隊長らしき人物が倒れ、かたわらには主人公のジョディがいる。 |
この後、質疑応答が行われた。モーションキャプチャーは、映画『Avatar(アバター)』と同じ技術を使い、キャプチャーと同時に声も収録することで、よりリアリティのある表情や動きを演出していること。エレン・ペイジ起用の理由については、主人公・ジョディのイメージにぴったりな上に演技力があるということでオファーをし、『HEAVY RAIN』と台本を見てもらい、ゲームの主演の大変さを伝えた上で、承知してもらったこと。
▲セッションでは出てこなかった画像。主人公のジョディであると思われるが年齢が経っている。 |