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2012年6月8日(金)

『フォルツァ』シリーズ初の試みが多数取り入れられた『フォルツァ ホライゾン』プレゼンレポート

文:電撃オンライン

 マイクロソフトは、北米で10月に発売予定のXbox 360用ソフト『Forza Horizon(フォルツァ ホライゾン)』のメディア向けプレゼンテーションを同社ブース内にて行った。

 『フォルツァ ホライゾン』は、イギリスの開発会社PlayGround Gamesが開発を行なっているレースゲーム。『フォルツァ』フランチャイズでは初のTurn10スタジオ以外による開発となる。プレゼンは、Playground Gamesでデザインディレクターを務めるラルフ・フルトン氏によって行われ、本作のコンセプトやゲームシステムなどについて語られた。

▲実際のプレイを見ながらプレゼンが行われた。

■まったく新しいものを『フォルツァ』に取り込んでいく

 Playground Gamesが、Turn10スタジオの統括を務めるダン・グリーンウォルト氏に出会ったのは2年前のE3。そこで彼の持つ『フォルツァ』のヴィジョンや、車を愛する気持ちに共感した彼らは、“まったく新しいものを『フォルツァ』に取り込んでいく”ために、本作の開発をスタートさせたという。

▲Playground Gamesでデザインディレクターを務めるラルフ・フルトン氏。

 本作のテーマの根底にあるのは“お祭り”。イギリスでは日本でいう“FUJI ROCK FESTIVAL”のような音楽フェスティバルが非常に人気で、そこには若者の文化があり、そして車を格好いいものとして見る文化がある。そのお祭りによる一体感を表現するのが本作の目的であるとラルフ氏は語る。

 本作のプレイヤーは、“Horizon Festival”というお祭りを楽しむために、この地にやってくる。そこで行われているレースに参加し、Horizon Festivalでもっとも有名なレーサーになるのが目的となる。

 本作は従来作のようなサーキットによるクローズドな場ではなく、開放感あふれる地域全体が舞台となっている。この世界を表現するために、開発スタッフはさまざまな土地を実際に訪れ、そしてコロラドをモチーフにすることを決定した。

 コロラドが舞台になった決め手は、多彩なロードレイアウトに加えて、景観が綺麗なことだという。ただし、コロラドを完全に再現しているわけではなく、そのまま使っている部分もあれば、新たに作りなおした部分もあるとのこと。

 また、『フォルツァ』では初となる夜間への動的な変化が導入されている。その他、上空の雲もつねに動かすことで、太陽による影などもつねに変化していくという。

▲昼間から夜間への動的な変化が取り入れられた。

■レースシミュレータではなく“アクションレーシング”

 従来までの『フォルツァ』のジャンルをレースシミュレータとするならば、本作のジャンルはアクションレーシングとなる。車の挙動については、毎秒360回の計算を行う『フォルツァ』の演算エンジンが搭載されているが、そこに対向車の存在や砂利道、グラベルなど65種類の路面情報を盛り込むことで、違った楽しみ方を演出しているという。これをラルフ氏は「フォルツァっぽい、本物感」と表現していた。

▲こういったオブジェクトの破壊もドライブを楽しむ要素の1つ。

 『フォルツァ』シリーズとしては、砂利道やグラベルなどのいわゆるダートコースを導入するのは初の試みとなる。今作の開発を行ったPlayground Gamesは、コードマスターズの『DiRT』などの開発に携わったメンバーが多く在籍している。そのため、こういったダートコースを作り上げるのは、彼らにとっては手慣れたものだったのだろうと思われる。

■“オープンロード”により自由な走行が可能に

 本作は、決められたコースのみを走るのではなく、その世界の中にある道路を自由に走れる“オープンロード”タイプのレースゲームとなっている。

 オープンワールドではなく、オープンロードとした理由は、『テストドライブ アンリミテッド』のように道なき道を走れるようにはなっていないため。あくまで、決められたコースレイアウトがなく自由に走れるということだ。この仕様の理由については、車をドライブさせるということを楽しんでほしいからだという。

 オンラインプレイでは、自分の世界に来てもらう、あるいは自分から相手の世界に行くことで、このオープンロードの中で自由に走行することができる。レースをしている者もいれば、ただただ道をひたすら走っている者もいる。その行動範囲に制限はない。

 なお、本作で乗れる車種は、トレーラームービーで登場したアウディクワトロやランサーエボリューション、ダッジバイパーの他にも多数用意されている。まだ車種リストは明かせないが、種類・メーカーともに数多く用意されているという。ちなみに国内でも販売が開始された話題の86/BR-Zについては、収録の明言は避けていたものの「期待していてほしい」とのことだ。

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 先日公開した別の記事にて“『DiRT』っぽいキャッチーさがある”と書いたが、今回のプレゼンにて『DiRT』シリーズを制作したメンバーがかかわっていると聞いて、そう感じた理由が納得できた。Turn10スタジオのダン氏との出会いで実現した本作は、初の外部開発会社による制作であり、ダートコースの導入といった初の試みがありと、実験といった意味合いもあると思われる。

 今後の『フォルツァ』の方向性をうかがうという意味でも、本作は重要な試金石となるのではないだろうか。

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