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2012年6月9日(土)

稲船らしさ×PS Vita=世界に通用するマルチプレイアクション! 『ソウル・サクリファイス』について稲船敬二氏に訊く!

文:電撃オンライン

 その独特でダークファンタジーの世界観が、多くのユーザーの注目を集めるPS Vita用ソフト『ソウル・サクリファイス』。“E3 2012”の会場において、本作のコンセプターであり、コンセプトの代表取締役である稲船敬二氏に話を伺った。

『ソウル・サクリファイス』
▲SCEブースの2階でインタビューに応じてくれた稲船氏。
『ソウル・サクリファイス』 『ソウル・サクリファイス』
▲自然物、味方、自分自身を対価に魔法を使っていく独特の世界観が魅力のマルチプレイアクション。プレイリポートはコチラから。

■世界に通用するマルチプレイアクションを

――PS Vitaで『ソウル・サクリファイス』で挑戦するテーマはなんでしょうか?

 まず、世界に通用するマルチプレイのACTを作りたかったんです。それで「世界に通用するテーマといったらなんだろう」と考えたら、やはりファンタジーが日本でも海外でもわかりやすいものかなと。でも、ただのファンタジーではなく、そこに“稲船らしさ”が欲しくて、ダークな要素を入れました。ホラー映画が大好きなもので(笑)。その際、“何かを代償に力を得る”などのアイデアを出し、スタッフと話し合った結果、“犠牲”と“代償”をキーワードにしたダークファンタジーACTという形になりました。

――PS Vitaをプラットフォームに選んだ理由を教えてください。

 マルチプレイのゲームは、日本市場ではPSPという成功例もあり、携帯ハードで考えていました。そのうえで完全新規の作品を作るなら、やはり最新ハードで挑戦するのがベストと思い、PS Vitaを選びました。それに、今の海外市場では携帯ハードでのマルチプレイは定着していませんが、それを理由に開発しないのは私のスタイルに合いません。逆に、マルチプレイを定着させる魅力のある作品を作りたいと思っています。それができるハードであるのもPS Vitaを選んだ理由ですね。

――マルチプレイの最終仕様は現在のところ未定のようですが、例えば世界のプレイヤーと遊べるといったこともあるのでしょうか?

 ボイスチャットや簡易メッセージを送る機能を考えています。ですが、他のユーザーとかかわるうえで一番大きいのは、敵にやられたとき、味方が“救済”で助けてくれるか、“犠牲”で強力な呪文の生贄にしてしまうかです。このときは正直、言葉の壁なんてないと思うんですよね。助けてくれれば「ありがとう」という意味の言葉が出るし、犠牲にされたらただひたすらにくやしい(笑)。

 こういうふうにユーザーの感情が動くことは、マルチプレイで最も大事な要素だと思っています。ですので、簡易メッセージでもちゃんとユーザーの感情を反映できるものを用意しますよ。

■“稲船らしさ”が随所にみられる突き抜ける独特な世界観

――今回のE3をはじめ、海外の反応はどうですか?

 コンセプトやキャラクター、クリーチャーのデザインは好意的な意見が多いですね。そのうえで、マルチプレイで感情が動くことを体験してもらえば、海外の方にも受け入れられる可能性は十分あると思います。

――脊髄を犠牲にエクスカリバーを出すなど、ある意味シュールな設定が随所に見られますが、これについてはどのような発想で取り入れられたのでしょうか?

 あれは、全世界共通でインパクト絶大です(笑)。実は、最初にあの場面を作ったときは、スタイリッシュに脊髄を取り出す形式だったのですが、それでは印象が薄く感じられて。口に手を突っ込んで脊髄を取り出すというシュールな絵だからこそ、非常にグロテスクに見えて、よりリアリティが増すと思うんです。

――今回、実際に遊んでみて、アクション部分などかなり作り込まれている印象ですが、発売までに注力するのはどんな部分でしょうか?

 端的にいうならバランス調整ですね。ただし、剣で斬るなどのアクションの調整だけではありません。先ほど言ったように、プレイによってユーザーの感情がどんなふうに動くか? という点に留意して調整しています。やっぱり、実際マルチで本作をプレイすることで、味方にすごく感謝したり、絶望したり、意外な驚きがあると思うんですよ。現在、プレイアブルをどの時期に出すかは決めていませんが、なるべく早く、より多くの人にプレイしてもらいたいと思っています。

――最後に、楽しみにしているユーザーへのメッセージをお願いします。

 全世界のユーザーに喜んでもらえるものを目指して鋭意制作中です。携帯ハードという、世界規模で見るとハンデのある市場で成功することで「日本のゲームはすごい」と言わせたいと思っています。そうするためには、ユーザーの皆さんの意見は欠かせないものですので、これからも叱咤激励のほど、よろしくお願いします。

(C)Sony Computer Entertainment Inc.

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