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2012年6月11日(月)

極まった映像美、そして日本近海が舞台!? 『トゥームレイダー』開発者デモプレイ&インタビュー

文:電撃オンライン

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 デモプレイの翌日、開発会社CRYSTAL DYNAMICSのエグゼクティブプロデューサーであるRon Rosenberg氏に、本作の開発秘話やゲーム中の要素について直撃インタビュー。気になる話題が目白押し!

『トゥームレイダー』

――昨日のデモプレイでフィールドの様子を見ていたところ、日本の鳥居をはじめとする東洋風のデザインが多数見受けられました。本作の舞台を制作するうえで参考にした国や地域がありましたら教えてください。

 そもそも『トゥームレイダー』シリーズは、実在する場所や歴史をベースにした世界観を採用しています。私自身、実はアジアに興味を持っていて、今作を制作するにあたってアジアの伝承をいろいろ調べていたところ、アジアの伝説的な海域“ドラゴントライアングル”の存在を知りまして、これは、ララの冒険の舞台にもってこいの場所だと直感的に思いました。

――ドラゴントライアングルが本作の舞台のもとになったのですね!

 はい、そのとおりです。ドラゴントライアングルがアジアの海のどこかに存在するというのが設定の根幹にあり、そこへ入り込んでしまった者たちがたどり着く島が本作の舞台となります。この島はアジア地域に属していますから、設定を作るうえで日本などの東洋文化を題材にしました。なかでも建築物は、日本の影響を強く受けています。

 そのため、日本をはじめ、中国の上海などアジア全域を巡って取材しました。実際に東洋各地を取材し、イメージとなる土地などの写真を何千枚も撮りました。取材時のエピソードとしては、アジアのとある場所で、プロデューサーが迷子になるというアクシデントがありましたね(笑)。

――今作のストーリーのコンセプトやテーマをお聞かせください。

 大きく分けると2つあります。まず1つめですが、今回の『トゥームレイダー』では、ララの考古学者や冒険好きというキャラクター性はそのままに、新しいストーリーをスタートさせるということです。これに沿って、ララが若いころに体験した初めての大冒険にスポットをあて、彼女がサバイバル生活を通じてたくましく成長していく姿を描いています。

 2つめは、今回の『トゥームレイダー』はアクションアドベンチャーゲームですが、とくに強調したいのがサバイバルという要素です。現実にあったサバイバルエピソードをゲーム内のストーリーとして盛り込んでおり、今回のララの目的は“生きて島から脱出する”ことです。ララ以外にも、同じ船に乗っていた乗船客や船員たちも島に流れ着いているので、みんなで協力し、一緒に脱出するという点が大きなテーマになっています。

 昨日のデモプレイをご覧になっていただけたかと思いますが、ララがサバイバル生活のなかで自分を励ますために「Just keep moving(進み続けなきゃ)」と言っているシーンがあります。これは本作のテーマを強く表現している場面と言えるでしょう。

 冒険の序盤では、丸太を渡ったり、火を起こしたり、食べ物を求めて狩りに出掛けたりと、いろいろなことをララ自身が覚えていく場面がたくさんあって、これらを体験することでララは成長していきます。ただ、ララが成長してきたなと思ったころに、何かしらのトラブルや事件が起きて、また振り出しに戻ってしまう……。そういった成功と失敗を繰り返し、ララはたくましくて強い冒険家に育っていきます。

――ゲーム中のエピソードをいくつか教えていただけますか?

 ストーリー序盤のものをいくつか紹介すると、ララの友だちが誘拐されたり、一緒の船に乗っていた人物に裏切られたり、スカベンジャーに捕まって軟禁されたりと、いろいろなエピソードを用意しています。

――それではゲームシステムの部分についてお聞きします。サバイバルスキルの代表的なものや総数を教えていただけますか?

 サバイバルスキルの数は具体的な数字ではお答えできないのですが、すごくたくさん用意しています。ゲームを何回かクリアしないと、コンプリートするのは難しいですね。ゲーム開始時のララの持ち物は、着ている衣服ぐらいで、そこからサバイバルを通じて、いろいろなものを手に入れていきます。

 サバイバルスキルは、火をおこしたりといったさまざまな行動をとり、経験値をためることでどんどん増やせます。サバイバルスキル以外にも、装備品をアップグレードする(武器レベルを上げる)ことが可能です。フィールドのあちこちに箱があって、その中にはパーツや部品のカケラが入っています。これらを自分が持っている装備品に付属させることで、より強力な武器に改造することができますよ。

――武器のお話が出たところで、弓と銃以外の武器について教えてください。

 弓矢と銃以外の武器に関して、現時点では秘密です。最も注目してほしい武器は、今作では弓となります。弓は武器以外にも用途があり、ララの象徴的なアイテムとして、今回のストーリーで大活躍します。

――本作の特徴的なシステムである“サバイバルインスティンクト”について教えてください。

 “サバイバルインスティンクト”を導入した理由に関するエピソードを1つ。実在するサバイバーたちのエピソードを研究していたときに、火事場のバカ力のような、その瞬間だけ自分の感覚が研ぎ澄まされる状態を発見しまして、それをララのシステムに入れたらおもしろいと思い、今作のシステムに採用しました。

 ゲーム中の“サバイバルインスティンクト”には、自分がいる場所の周囲において、重要なものやキーとなるアイテムを示す機能があります。また、ララが次に行くべき場所を示すガイド的な機能も備えています。

――最後に日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

 ゲームの開発自体はおおよそ終わっていまして、現在は、クオリティを一層突き詰めるべく、磨きに磨きをかけている状況です。今作は“自分の生涯で一番いいゲームを作る”ことを目指していまして、スタッフ全員が自分たちの人生で最も情熱をかけて開発しています。

 先日、スタッフの1人に女の子の赤ちゃんが生まれたのですが、ララと名付けるぐらい、みんなこのゲームが大好きななんです。このゲームには、スタッフ全員の情熱がこもっていますし、プレイヤーのみなさんの感情を刺激する作品になっています。ぜひご期待ください。

TOMB RAIDER (C) 2012 SQUARE ENIX LTD. Published by Square Enix Co., Ltd. CRYSTAL DYNAMICS, the CRYSTAL DYNAMICS logo, EIDOS, the EIDOS logo, LARA CROFT and TOMB RAIDER are registered trademarks or trademarks of Square Enix Ltd. SQUARE ENIX and the SQUARE ENIX logo are registered trademarks or trademarks of Square Enix Holdings Co, Ltd.

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