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2012年7月12日(木)

3DOが魅力的すぎて困った!? 日本一ソフトウェア社長・新川さんが激白する会社設立の裏話【電撃日本一】

文:電撃オンライン

 この“新川社長インタビュー”は、日本一ソフトウェアの設立20周年を記念する特設ページ“電撃日本一ソフトウェア”の連載コーナー。2013年の7月までの長期間にわたって、社長である新川宗平氏にさまざまな話をお聞きしていく。

 第1回目となる今回は、日本一ソフトウェアが設立されるまでの経緯や設立当初の印象的な出来事についてお聞きした。


“電撃日本一ソフトウェア”

日本一ソフトウェア 代表取締役社長 新川宗平

 1996年に日本一ソフトウェアに入社後、営業、広報、開発と、さまざまな分野でゲーム制作に携わる。多くのタイトルのプロデューサーを務めつつ、『魔界戦記ディスガイア』などのシナリオを執筆。2009年7月に同社の代表取締役社長に就任したのちも、『絶対ヒーロー改造計画』のシナリオを執筆、『魔女と百騎兵』のプロデューサーを務めるなど、ゲーム制作の現場に立ち続ける。


■もしかしたら3DOで開発していた!? 日本一ソフトウェアの設立秘話を直撃!

――2012年7月12日をもって、日本一ソフトウェアが設立から20周年目を迎えたとのことで、おめでとうございます。これから1年間にわたって、さまざまなお話をお聞きしていきますが、まずは日本一ソフトウェアの成り立ちについて教えてください。

新川:私自身は1996年に入社したので、それ以前の話は日本一ソフトウェアの設立者で現会長である北角浩一から聞いたことになります。そもそも日本一ソフトウェアには、その前身となるプリズムという会社がありました。この会社は北角を含めたサン電子出身のメンバーが独立して1991年に作ったもので、主にスーパーファミコン用ソフト開発の下請け仕事を行っていました。これが今から20年前のことになります。

――その会社が、どうして日本一ソフトウェアへと商号変更をしたのですか?

新川:伝聞の話になりますが、メンバーが共同出資して会社を立ち上げたため、横のつながりが強い反面、かっちりとした上下関係がないのがネックになったようです。全員が発言権を持っているがゆえに、まとまる話もまとまらないといった、ちぐはぐな動きが目立っていったとのことでした。

 もちろん社長はいたのですが、社員を牽引するような立場ではなかったようです。北角はそんな状態をかんがみて、円滑に会社を動かすことは困難だと判断して、1993年に組織を仕切り直して、現在の日本一ソフトウェアであるプリズム企画を設立したんです。

――そもそもは開発の下請けを行っていたんですね。開発だけでなく発売元としても機能するようになったのは、何がきっかけだったのですか?

新川:プリズム企画を設立してからも、下請けの仕事は続いていました。しかし、当時の北角は下請けとして会社を運営することに限界を感じていたらしく、何かいい形でやれるハードがないかを模索していました。そんな時期に、プレイステーションやセガサターンといった、当時の次世代機ラッシュが始まり、その波に乗ろうということになったんです。

――たしかに1994年には多くの新ハードが発売されました。3月20日には3DO、11月22日にはセガサターン、12月3日にはプレイステーションが発売されていますね。こういった次世代機ラッシュの中で、なぜプレイステーションを選んだのでしょうか?

新川:ハードの選択は本当に難航したようです。当時はまだまだスーパーファミコンが全盛期で、どの新ハードに乗るのもリスクがある反面、ビジネス的においしい部分もありましたから。中でも3DOは契約内容的にかなり魅力的だったので、最後の最後まで悩んだと聞いています。

 最終的には流通形態や小さなメーカーの参入のしやすさなどから総合的に判断してプレイステーションを選んだと聞いていますが、この選択は本当に大正解だったと言えますね。また、プリズム企画を日本一ソフトウェアという名前に変更したのもこの時です。もしも当時、3DOを選んで開発していたら、今の日本一ソフトウェアはなかったかもしれません(笑)。

“電撃日本一ソフトウェア” “電撃日本一ソフトウェア”
▲1995年2月3日に発売された、PS用の対戦パズルゲーム『ジグソーワールド』。これが日本一ソフトウェアとして発売された初タイトルとなる。

【次回のインタビューは7月26日掲載予定】


◆20周年記念メッセージを募集中!◆

 設立から20周年目を迎えた日本一ソフトウェアへの記念メッセージを募集中(締切は7月27日23:59)。投稿いただいた方の中から抽選で3名様に、“日本一ソフトウェア関連グッズが詰まった福袋”をプレゼントします。投稿いただいたメッセージは、今後の“電撃日本一ソフトウェア”で紹介する予定なので、ふるってご応募ください!

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