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2012年6月20日(水)

『ブレイブリーデフォルト』の作曲はSound Horizon(サウンドホライズン)のRevo (レヴォ)さん! 浅野Pも参加した発表会をレポート

文:電撃オンライン

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■『ブレイブリーデフォルト』のボーカライズ曲も発表! “Linked Horizon”に込めた意図とは?

 発表会の後半は、新曲『彼の者の名は…』のミュージックビデオとともにスタート。新プロジェクト“Linked Horizon”の発表とともに、再びRevoさんが壇上に立った。新プロジェクトを始める意図の他、『ブレイブリーデフォルト』をテーマにしたシングルCDやアルバムCDに関する情報が明かされた。

――そもそも、なぜLinked Horizonを立ち上げたんですか?

Revo:実はですね、かなり昔にSound Horizonとしてタイアップを行ったことがあるんですけど、しっくり来なかったんですよ。本当に黎明期の時期だったんですけど。

 その後、幸か不幸かSound Horizonとしてタイアップを行う機会がなく、ずっと保留にしていたんです。タイアップをする時にどうすべきかを。

 『ブレイブリーデフォルト』は、個人のRevoとして作曲をしています。『ルクセンダルク小紀行』などに収録するボーカル曲は、自分自身が歌っているものもありますけど、そこまででしゃばっていないものもあります。

 こういった感じで、別の方にボーカルをお願いする際に、“Revo”というアーティスト名だとややこしい事態になるじゃないですか。だからグループ名は欲しいんですけど、かといってSound Horizonを使うのは違う気がしました。

 この先、Sound Horizonではタイアップはやりません。Sound Horizonでは、Revoが物語を表現するための音楽を提供していきます。タイアップやコラボレーションを行う際は、Linked Horizonとして行います。“外の世界とつながる”という意味を込めて名づけました。

 正直なところ、自分のポニーキャニオンへの移籍第1弾にこういう展開をしてもいいのか迷った部分もあるんですが、ポニーキャニオンと相談したところ、「いいんです!」と返事をいただけました。

 大人の事情としては、契約内容の話なんかも出てくるわけですよ。Sound Horizonと契約したつもりが、Linked Horizonでもあるってどういうことだと(笑)。まあ、1つの契約で2つのグループが来たわけで、ある意味ではおいしい状況かもしれませんけど(笑)。

――『ルクセンダルク小紀行』というシングルCD名は、どんな理由でつけたんですか?

Revo:ルクセン“ブ”ルク小紀行と、間違って覚えないでくださいね。CDショップで「ルクセンブルク小紀行ください」って言うと、本屋に案内されて観光案内をわたされるのでお気をつけください(笑)。

 ルクセンダルクとは、『ブレイブリーデフォルト』に出てくる世界の名前なんです。そこを旅するようなイメージでつけた名前です。

 作品を作ることや生きていくことって、旅するようなものじゃないですか。ルクセンダルクというゲーム中の世界で起こる出来事や人々との出会いは、本当のことではないけれども、本当の経験のような部分もあります。僕自身がルクセンダルクを旅したことを伝えるようなイメージで、こういう名前にしました。

 アルバムのほうは『ルクセンダルク大紀行』です。2つあるとややこしいから、小と大でわかりやすく区別するという親切設計になっています(笑)。

『ブレイブリーデフォルト』 『ブレイブリーデフォルト』
▲『ブレイブリーデフォルト』の舞台となるのは、“光と影の大地”とも呼ばれるルクセンダルクという世界。その大地に空いた大穴からあふれ出した闇が、世界に異変を起こしているらしい。

――『ルクセンダルク小紀行』の収録内容を教えてください。

Revo:先ほど会場でミュージックビデオを流した曲は『ルクセンダルク小紀行』に収録される『彼の者の名は…』という曲で、あれは主題歌ではありません。主題歌は1曲だけしか作っていないのに、どうして複数の曲が入ったCDを出せるのか。それには理由があります。

 ゲーム中の曲はインスト曲(楽器での演奏曲)として1~2分ぐらいの長さです。CDでは、そういう曲をフルサイズ化して、5分くらいにして収録しています。いいメロディがたくさんありすぎて、インスト曲だけで終わらせるのがもったいなくなっちゃったんですよ。歌詞をつけて、大胆にボーカライズしています。

――ゲーム用の曲をボーカル曲にしてCDにしたわけですね。

Revo:だからもう、我ながら大変でした。歌用じゃない曲を歌にしていったので。カラオケに入ったら、ぜひチャレンジしてみてください。“楽器の音程で歌うこと”が、どれだけ大変なことなのかを(笑)。

 ゲームとは直接の関係はありませんが、CDの曲にもストーリー性を持たせています。ミュージックビデオに出てきた少女は何者なのか? なんのために行動していて、これからどうなっていくのかを考察してみると、いろいろと見えてくると思います。

――最後に本を持っていきますが、あのあたりもヒントになりそうですね。さて、今回の演奏メンバーも豪華なゲストを用意しているのでしょうか?

Revo:もちろん、名が知れた方に参加していただいています。ギターなんかはかなり特徴がある方なんですが、みなさんわかりますか? ……わかりませんか。マーティ・フリードマンです。かなり特徴があるマーティ節が入っているので、ぜひあとで聴き直す際にはチェックしてみてください。

 次はドラムですが、わかった方はいますか?

男性ファン:(挙手して)淳士さんですか?

Revo:当たりです。ドラムは淳士です。ベースは安定の長谷川淳で、キーボードも大安定の勝又隆一です。守りに入っているように感じる方もいるかもしれませんが(笑)、安定の大御所メンバーですね。

――シングルの『ルクセンダルク小紀行』とアルバムの『ルクセンダルク大紀行』は、何かつながりがありますか?

Revo:もちろん、あります。予兆的な形で、小から大へとつながっていきます。

 と言いつつ、アルバムの制作はこれからなので、新しいメンバーを募集中です。今はオーディションなどをやっているところですね。

――そして、11月25日に横浜アリーナでコンサートですね。どんな内容になりますか?

Revo:大変ですが、おもしろいものにしたいですね。今の段階で言えることは、ただのロックコンサートではございませんといったところですね。今回はオーケストラもやりますよ。

 フルオーケストラの人数が入るくらいのステージ規模でやるわけですから、もし会場がガラガラになったりでもしたら……。認定特派員のみなさん! ぜひ応援をお願いします(笑)。

――オーケストラとなると、音楽を提供するミュージックプレイヤーであるRevoさん個人の試みとしても初めてじゃないですか?

Revo:音楽面で考えると、バンド+αぐらいの規模感の経験しかありませんね。それでも、オーケストラ寄りの曲も作ってきたので、いつかはやってみたいと思っていました。ゲームの音楽のイメージとして、オーケストラは絶対にあると思うんですよ。

――オーケストラの前で歌うこともありえますか?

Revo:ありえますね。

――ここからは、認定特派員のみなさんを交えた質疑応答に移ります。

女性ファン:先ほどの『彼の者の名は…』のミュージックビデオで歌っていたのは、いつものようにRevoさんとは似て非なる方なんでしょうか?

Revo:街を歩いていて見つけました。ええと、すみません。似て非なる存在といいますか、むしろ僕自身です。

 今回は、いつものようにややこしい設定はなしで、音楽家としてマジメにド直球で作りました。だから、Revo本人が歌っています。

――それでは、次の方どうぞ。

女性ファン:陛下(Revoさんの愛称)は、『ブレイブリーデフォルト』の体験版は遊ばれましたか?

Revo:遊びました。最初に遊んだ時は、ARムービーに登場するアニエスを見失いました(笑)。あっちこっちに移動するので、狭い場所でやっちゃいかんですよね。

女性ファン:ちなみに、スカートの中を見ようとしましたか?

Revo:残念ながら、見ていません。いろいろな角度で見てみるとか、もっと探究心を持てばよかったですね(笑)。

『ブレイブリーデフォルト』 『ブレイブリーデフォルト』
▲体験版Vol.1では、ヒロインであるアニエスのARムービーを楽しめる。クリスタルが輝きを失う前の、かなり元気な自己紹介が展開する。

――続いて、男性の方にお願いします。

男性ファン:ファンとしては、陛下の体調が気になります。寝ていないんじゃないかと心配です。

Revo:私が今ここに立っているのが1つの答えになりますが、大丈夫です(笑)。

 寝る寝ないでいうと、寝ないこともありますね。残業をしてどうこうという仕事ではなく、ものを完成させるかさせないかという世界で生きているので。寝ないことが必要な時は寝ないです。

 正直なところ、労働の環境として考えたらひどいかもしれません。仕事だと考えたら、逃げ出すか何かしてるかもしれません。でも、楽しくものを作っているから大丈夫なんです。好きだからやっています。

 とはいえ、体調には気をつけますね(笑)。

 何もなくても、自分は曲を作ります。周りがどうあれ、放っておかれても勝手に曲を作っていくと思います。

 これはifの話になりますけど、とはいえ自分1人では作れないものもあるんですよね。浅野さんから『ブレイブリーデフォルト』の作曲の話をいただいて、自分だけでは作れなかったかもしれない曲がたくさん生まれました。

 これって、大きく考えると、みなさんと僕との関係も同じかもしれません。僕の曲と出会わなくても、みなさんは生きていきますし、楽しいこともたくさんあるでしょう。でも、僕の曲と出会ったことで何かが生まれたこともあるでしょうし、僕もいろいろな出会いに影響を受けています。こういった出会いに感謝して、大事にしていきたいと思っています。

 ええと、ちょっとマジメすぎる話になってきたので結論に移しますと、サウンドトラックを買ってくださいということでまとめます(笑)。

 とてもいい曲がたくさん入っているので、ぜひ聴いてほしいんですけど、ゲームを遊んでからにしてください。僕自身もゲームが好きだからこそ言いますけど、サントラだけ聴くのは“邪道”でしょう(笑)。


■発表会後に語られた、Revoさんからのメッセージ

 発表会を終えたあと、Revoさんが再びステージに上がり、メディア向けに挨拶を行った。そこでのメッセージをお届けする。

Revo:ポニーキャニオンに移籍したのは去年の10月で、今回移籍第1弾を発表させていただきました。

 移籍第1弾って、すごく大事じゃないですか。これまでSound Horizonのシリーズとして展開してきたアルバムの最新作をドーンと出したい反面、そうなると時間がかかりすぎて、CDを出す出すサギみたいになってしまいます(苦笑)。

 そこで新プロジェクトのLinked Horizonを立ち上げました。Sound Horizonはある意味で奇抜な部分がありましたけど、Linked Horizonは本当に直球です。

 音楽的に、打ち込みは打ち込みで素晴らしいと思うんですけど、僕自身は生の音楽をすごく大事に思っています。オーケストラとかいいですね。楽器が奏でる音楽が好きなんです。

 メロディっていいよね。ハーモニーっていいよね。そういう自分がいいと思うものを詰め込んだ曲を作りました。

 最近はiPodなどで音楽を聴くのも当たり前になってきましたし、時代によって音楽の流行り廃りというものはあると思うんですけど、そんな中でも僕自身が好きな「音楽っていいよね!」と思えたエネルギーを込めた曲を作ったつもりです。

 メディアのみなさんにも、こういう曲をより多くのみなさんに伝えるためのお手伝いを……なんだか“お手伝い”って、上から目線な感じですね(笑)。みなさんにご助力いただけると、とてもうれしいです。

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