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2012年6月30日(土)

【Spot the 電撃文庫】「筋肉っていいな」と思ってもらえるような話を! 『筋肉の神マッスル』の佐藤ケイ先生にいろいろと聞いてみました!

文:電撃オンライン

 電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。第42回となる今回は、『筋肉の神マッスル』を執筆した佐藤ケイ先生のインタビューを掲載する。

『筋肉の神マッスル』
▲さめだ小判先生が描く『筋肉の神マッスル』の表紙イラスト。

 本作は、“筋肉があればなんでもできる!”がテーマの高重量バルクアクション・コメディ。突如現れた“猿神”によって、猿の支配する町と化した益荒市。人の武器が一切通用しない恐るべき神の力の前に、人間はただひれ伏すしかなかった。

 もはや人々に残された手段は神頼みのみ。人の武器が通じないなら神の武器で倒すしかない。益荒国一の宮、益荒神社に鎮座する“まっする様”の神託によって、おっぱいをこよなく愛する健全な(?)男子高校生・阿久富雄(あく とみお)が猿害で荒廃した益荒市の救世主に選ばれるのだった! そんな彼に与えられたのは、武器ではなく“筋肉”! はたして富雄は、益荒市を救うことができるのか!?

 佐藤先生には、本作のセールスポイントや小説を書く時にこだわっているところなどを語っていただいた。また、電撃文庫 新作紹介ページでは、本作の内容を少しだけ立ち読みできるようになっている。まだ読んでいない人はこちらもあわせてご覧あれ。

――この作品を書いたキッカケを教えてください。

 担当さんから「そろそろ新しいシリーズを始めたい」と言われたので。

――作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?

 フィクションの世界では何かと噛ませ犬扱いの筋肉モリモリのムキムキマッチョマンがちゃんと強い! というのがウリであるかのような振りをしておいて、実は女の子がカワイければそれでいいや、という作品……だと思っていたらやっぱりマッチョ最高なところ。

――作品を書くうえで悩んだところは?

 マッチョが強いのは当たり前。その当たり前な事をわざわざフィクションの世界でやって、読者にどうカタルシスを与えるのかという点です。一番簡単な方法は非現実的なほどのマッチョにしてしまうことですが、果たして自分の描写する筋肉は全盛期のロニー・コールマンを超えられるのだろうか。上腕周囲66センチという、雄ゴリラ以上の肉体がリアルに存在したという現実を、1トンを超える重量でレッグプレスをやる男が現実に存在したという事実を、一体どう乗り越えていけばいいのか。

 現実の数字を並べても何かの間違いとしか思えないのに、それを上回る数字を出したって作品のリアリティを削ぐだけ。しかし現実を下回っているようでは、フィクションとしてのカタルシスなど得られようはずもない。この二律背反をどうやって解決すればいいのか。その答えを追い求めて私は3年間山にこもったのです。

――というと、執筆にかかった期間も……。

 そろそろ新しいシリーズを始めたいというようなことを言われてからの時間であれば3年くらい? プロット上げてOK出てちゃんと執筆にかかってからなら1カ月くらい。

――主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。

 主人公はとにかく人間らしく、そして読者の共感を呼びやすいような性格にすることが大事だと思って、“おっぱいが大好き”という設定にしました。おっぱいがきらいな哺乳類なんていませんし、人間も哺乳類ですからね。もちろん私も大好きです、おっぱい。

――特にお気に入りのシーンはどこですか?

 神を祀(まつ)る岩屋にずっとこもっていた齢一千歳の“艶乃姫”という伝説の生き神がパンツを頭に被ってるところを主人公に見られるところ。

――今後はどんな連中に筋肉で立ち向かっていくんですか?

 次は宇宙人か超能力者かUMAでも出そうかなぁ。幽霊とかもいいですよね。触れられないから筋肉では歯が立たない! でも主人公には筋肉しかない! どうする!? みたいな。でも今回は猿神という妖怪っぽい感じのものが出たので、そうすると次は幽霊よりは宇宙人かなぁ……。宇宙人なら、どうせだから“おっぱい星人”とか出したいよね。

――小説を書く時に、特にこだわっているところはどこですか?

 文章表現の有利な点と不利な点、得意な点と苦手な点をよく考えて、あえて文字表現オンリーの媒体を選んだ意味がちゃんとある物に仕上げること。そしてそのこだわりを読者に悟らせないこと。読んだ人に「さてはあそこで苦労したな」と当てられたら負けだと思ってる。

――執筆中のエピソードはありますか?

 半袖を着ていたら「腕太くなった?」ってみんなに言われた。

――アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?

 ネタ出しの際は、取りあえず100人に聞いたら100人ともダメ出しするようなものをまず考えて、それを頑張って無理矢理正当化していく感じで作り上げていくことが多いような、そうでもないような。

 話の途中で展開に無理があってどうしても先へ進むことができない場合は、可能な修正案を枚挙して地道に1つずつ試していくしかないです。でも全部の可能性を見当したつもりでも見落としがあったりするし、全部確かめた結果無理だとわかったりすることもあるし、1カ所直したら他のところが辻褄あわなくなったりするしで、複雑な話を書く時は難しいものです。今作品は話の筋は今のところ基本的にシンプルなので、あんまりそういう苦労はないですが。

 集中力を高めるためには、常に姿勢を正しくするのが一番です。机回りや椅子を調整し、体幹の筋肉を鍛えて、常にベストな姿勢を維持できる環境を作ること。姿勢と頭の角度と脳の覚醒度合いの相関関係は恐ろしいほどです。

――高校生くらいのころに影響を受けた人物・作品は?

 影響を受けたのは大半が中学生くらいまでに読んだ物なのですが、高校生のころだと吉田戦車先生の初期の短編集『くすぐり様』と『鋼の人』をそのくらいの時期に買って、よく読んでいたような記憶があります。後はハーラン・ターベルという昔の手品師がプロ養成のために書いた技術書があって、構成や演出の考え方にかなり影響を受けたような気がしますが、あれはやっぱり中学生のころだったかも。

――現在注目している作家・作品は?

 『週刊 少年ジャンプ』で連載していた『現存!古代生物史パッキー』が好きだったけど連載終わっちゃった……。単行本全2巻みたいだから、応援のためにみんな買おうぜ!

――今熱中しているものは?

 小説を書くことかな?

――ゲームで熱中しているものがあれば教えてください。

 ネットの簡単なFlashゲーばっかりやっています。本格的なゲームに手を出すとハマってしまって仕事をしなくなるだろうことはわかっているので、そういうのは人の家に遊びに行った時しか触らない主義。

――それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。

 若くてまだ体の細い読者の皆さんに「筋肉っていいな」と思ってもらえるような話を、と思って書きました。これを読んだみんなが体を鍛えて健康的に過ごすようになってくれて、この本の読者だけが有意に成人病罹患率が下がって、厚生労働省が不思議に思って調査した結果この本が原因と判明して、その功績を国に認められて表彰されるような未来になればいいなと思っています。応援してくださいね。

(C)佐藤ケイ/AMW
イラスト:さめだ小判

データ

▼『筋肉の神マッスル』
■発行:アスキー・メディアワークス
■発売日:2012年6月10日
■価格:599円(税込)
 
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Amazon.co.jp

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