2012年6月29日(金)
――原作だと黒雪姫との物語がメインですが、ゲームだと他のヒロインとのルートも描かれるんですか?
二見:はい。
――このシナリオもガイズウェアが考えたんでしょうか?
二見:そうですね。ゲームにはメインとなる大きなシナリオがあるんですが、そのワキで各キャラクター独自のシナリオが存在する形になります。
――先ほど、シナリオを読んでいておもしろかったと川原先生はおっしゃっていましたが、原作にないルートを読んでみていかがでしたか?
川原:シナリオに不自然さがないんですよ。“原作でもありえたかもしれない展開”が入っていて、読んでいて楽しかったです。他にも原作で力技で解決しているところも論理的に解消されていたりと、感心させられたところも多かったですね。それに個別ルートでは中学生らしい、さわやかな展開とか清い交際が描かれています。エンディングでも誰も妊娠しませんし!
二見:そこは先に言っておきます。今回は誰も妊娠しません(笑)!
三木:『Stage:01』ではね(笑)。
川原:そうなんですか?(笑)
三木:電子世界が舞台なんですから、三身合体みたいなこともアバターだったらできるかもしれませんよ?
――二見さんが手がけているゲームって、そこも気になっているユーザーが多いですよね(笑)。
三木:“妊娠の二見”と言われていますから(笑)。
二見:最近は、その色を少しずつなくしていけたらな~と思っています。でも、川原先生が望むのであれば……(笑)。
川原:2040年代には少子化が大きな問題になっているという設定ですしね(笑)。
――そこは『Stage:02』の座談会でまた聞かせていただければ(笑)。個別ルートなどで特に気になったモノはありましたか?
川原:原作では3~4巻で登場する男子キャラクターがいるんですけど、そのキャラとのルートもあるんですよ(笑)。
――えっ!?
川原:それにタクムルートというか、タクムと仲よくなるルートもあります。
――それはまた……コアなファンでも驚くような話ですね。さて本作にはAVG、育成、バトルと3つの要素がありますが、ゲームの内容としては、AVGがメインになるのですか?
二見:そこは現在調整中ですが、AVGが半分、育成とバトルがその半分ずつという感じになると思います。ちなみに『Stage:02』になると、フリーバトルのボリュームが増したりとか、“アップデート”という設定でいろいろと要素が追加されていきます。
――PSPとPS3の2機種で発売となった理由は?
二見:電撃文庫さんの読者層に中高生が多いとのことなので、そういったユーザーにも手に取ってもらえるようにと、2つのハードで出すことを決めました。
川原:例えばPSPだけで出すっていう考えはなかったんですか?
二見:なかったんですよ(笑)。深夜アニメのゲーム化でPS3だけというのは難しいところもあったのですが、PS3でも出したいという気持ちがあったので。それで2機種で制作しているわけですが、これがまた大変で……。
――ハードごとの違いというのは?
二見:ゲームはグラフィックのみです。あとは限定版に付属するOVAのメディアですね。PSP版がDVDで、PS3版がBlu-rayになります。
川原:個人的にはPS Vita版も出してもらえれば……。
二見:ダウンロート販売もいたしますので、PS Vitaで遊びたい人はそちらで購入していただければ!
川原:PS Vita用の解像度のやつもぜひ!
二見:それじゃあ記事に書いておいてください。会社にアピールしておきます(笑)。
――川原先生は小説の題材にもされるくらいオンラインゲームやMMORPGが大好きとのことですが、その辺りについてお聞かせいただけますか?
川原:かつては……ですね。ここ数年はきちんとやる時間が取れませんでした。でも最近では『ディアブロ3』をレベルキャップまではやりましたよ。
二見:レベルキャップまで!(笑)
――これまでにどのくらいMMOをプレイしてきたのでしょうか?
川原:MMO歴はかなり長いですね。『ウルティマオンライン』から始めて、『ファンタシースターオンライン』、『ラグナロクオンライン』とやっていました。他にもいろいろなMMOもプレイしてきましたが、一番ハマったのは『ワールドオブウォークラフト』というゲームですね。このゲームが、僕の人生のリソースをたくさん持っていきました(笑)。多分、これをやめるのと同時くらいにデビューしたと思います。
それでデビューしたらもうMMOをガッツリとやる時間がないんですよ。ここで小説家の仕事をやめて、ひたすらネットゲームをやるという選択肢もなくはなかったんです(笑)。そのころはネットゲームができないんなら、なんのために仕事をするのかと思っていましたし。でもそんな状態の僕をうまく三木さんが操縦してくれたんですよね(笑)。
三木:操縦しましたっけ……?(笑) 会社に入ってこのかた、想定したことのないことでほめられて、動揺しています。
川原:それでデビューして『アクセル・ワールド』が出版されて、その2カ月後に『ソードアート・オンライン』を出しましょうと言われました。さらにその2カ月後に『アクセル・ワールド』の2巻を出しましょうって言われたんです。
隔月ペースの刊行が固定したら、読者さんもその間隔で本が出ることを期待なさるでしょうし、僕もやめるにやめられないですよね。最近は三木さんが「もうペースを落としても大丈夫ですよ」と言ってくれるんですけど、今さらペースを落とすのはちょっと怖いです(笑)。
三木:2012年はペースを落としましょうと去年から言っていたんですけど、川原さんから「2カ月ごとに行きましょう!」と逆に提案をいただくんですよ。
川原:3カ月に1冊になったら、どちらかの作品だけを読んでくださっている読者さんを、次の巻まで半年も待たせてしまうわけですし……。でも来年は少しペースが落ちるかもしれません(笑)。
三木:今のうちに少しずつ公言して、布石を置いておきましょう……!
――本気でMMOをやりたいので作家をやめますと、川原先生に言われたら、三木さんはどうしますか?
三木:そりゃ、止められないですよね(あっさり)。
川原:この人の怖いところはここなんですよっ!(笑) 僕も前にそのことを聞いたことがあるんですけど、「しょうがないな」で終わらせるんですよね。そんなこと言われたら、逆にやめられないですよ。
三木:好きなものは好きだからしょうがない! ということですよ! でも、本当に川原さんがゲームだけをやり続けたら、僕もそのゲームをやりますよ。それで、川原さんのキャラの隣に行って、「チィーッス」ってあいさつをして、「最近はすごい人が電撃文庫でデビューしたんですけど、ところで川原さんは何をやっているんですか?」って話しかけると思います(笑)。
【次回予告】さぁ、いよいよ始まりました“週刊 アクセル・ワールド”。3人のお話の途中ではありますが、少々長くなってきましたので続きは次回ということで! 次回は特典や先日発表された“あるゲーム”のお話などを聞かせていただく予定です。
ちなみに、発売中の『電撃PlayStation Vol.521』には、ゲームのさまざまな情報が載っています。電撃オンラインでも毎週ガッツリとゲームを紹介していく予定です。そのうちプレイ映像などもたっぷり掲載していくつもりですので、お楽しみに。
(C)川原 礫/アスキー・メディアワークス/AW Project (C)2012 NBGI
※画面は監修中及び開発中のものです。
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