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2012年6月28日(木)

ゲームとインスタントラーメンの意外な共通点とは!? 『ストリートファイター X 鉄拳』とコラボした『日清デカ王』開発スタッフを直撃

文:電撃オンライン

 6月4日に日清食品よりリニューアル発売されたカップめん『日清デカ王』。カプコンから発売されている対戦格闘ゲーム『ストリートファイター X(クロス) 鉄拳』とコラボしたこの商品について、開発スタッフへインタビューを行った。

『日清デカ王』 『日清デカ王』

 『日清デカ王』は、6月4日のリニューアル発売と同時に、数量限定で『ストリートファイター X 鉄拳』とのコラボ商品を発売。コラボ商品に印刷されているQRコードを携帯端末で読み取るか、PCからキャンペーンサイトにアクセスすると、『ストリートファイター X 鉄拳』のゲーム映像が流れるタイマーを利用できるというキャンペーンを展開中だ。タイマーの配信期間は7月31日まで。

 お話しを伺ったのは、日清食品マーケティング部の和田智佳さんと、カプコンの『ストリートファイター X 鉄拳』アシスタントプロデューサーである中村真一さん。コラボが行われることになった経緯から、開発途中での出来事、そしてカップめんを発売するまでのさまざまな出来事について語ってもらった。カップめん作りとゲーム作りの意外な共通点もあがっていたので、カップめんフリークだけでなく、ゲームファンもご覧いただきたい。なお、インタビュー中は敬称略。

『日清デカ王』
▲左がカプコンの中村さんで、右が日清食品の和田さん。これまでの経緯から、お互いの思いまでさまざまな話をしてくれた。

■ブランドを強化するためにコラボを発案

――まず最初に、普段はどういった仕事をされているのか、教えてもらえますか?

『日清デカ王』

和田:普段はマーケティング部に所属していまして、商品の企画・立案から、商品として発売されるまでの業務を一貫して担当しています。もう少し具体的に言いますと「こういう商品が欲しい!」ということを立案をして、研究所が麺やスープ、具材を用意する。何度もやりとりを繰り返して、商品として味を仕上げていくのが流れです。

 企画段階でボツになるものもあれば、味が完成してイケると思っても、決裁が通らず、お蔵入りになったものも多数ありますね。その後は、営業と小売店のバイヤーさんが商談して、どこの企業で売ってもらうかを決めます。

中村:私の仕事は幅広いのですが、プロジェクトが始まった時の人員配置から、予算の管理なども行います。開発中には、工程管理もありますし、デザインのクオリティチェックや、ゲームをプレイしてみていい悪いの判断もします。今回の『ストリートファイター X(クロス) 鉄拳』であれば、バンダイナムコゲームスさんとのコラボということで、先方とのやり取りなどもあり、多岐に渡りますね。

――コラボ商品も見られるのですか?

『日清デカ王』

中村:そうですね。今回のようなコラボ商品についてのチェックもします。あとは『ストリートファイター』シリーズは海外でも人気のタイトルなので、海外販社の意見も取り入れつつ、どういうゲーム内容にするかを決めていくのも大事だったりしますね。

――日清食品さんは、2011年9月に横浜にカップヌードルミュージアムを作られましたね。先日遊びにいかせていただきましたが、ものすごい人でした。

和田:大阪の池田市に、インスタントラーメン発明記念館があり、そこで体験できるチキンラーメンファクトリーやマイカップヌードルファクトリーには遠方からたくさんの方が来られています。お客様からも「関東にあったらいいのに」という意見を多くいただいていたので、カップヌードルミュージアム内にも同様の体験アトラクションを作りました。

 中では、体験コーナーだけでなく、インスタントラーメンにまつわる歴史を見られたり、世界各国のさまざまな麺料理を食べられたりします。例えば『カップヌードル』の麺はカップの一番下まで入っているのではなく、中間で維持されているというのは、我々からすると当たり前なのですが、そういう1つ1つのことが驚きにつながっているようです。

中村:カプコンミュージアムとかできれば楽しそうですけどね。……そう簡単には実現できないかも知れませんが(笑)。

――今回、『日清デカ王』と『ストリートファイター X(クロス) 鉄拳』がコラボレーションすることになったのは、どちらからの提案だったのでしょうか?

和田:弊社のほうからカプコンさんに、お話しをさせていただきました。元々はWebタイマーという切り口ではなく、『ストリートファイター』とタイアップしたいというところから話をさせていただき、どういうキャンペーンができるのか、景品ができるのか、ゲームを作るのかなどを相談させていただきました。

――個人的には、日清さんがキャラクターとコラボするというのは、あまりないように感じたのですが……。

和田:そうですね。うちの会社内には複数のブランドがあります。マーケティング部は9グループに分かれていて、各グループごとに担当しているブランドが違います。『カップヌードル』であればどこで、『日清のどん兵衛』であればどこと。そのグループに所属していないと、どんなにその商品を作りたくても作れない。ブランドマネージャーはそこを経営していくので、会社の中に小さな会社があるようなイメージです。

――和田さんの部署は何を担当しているのですか?

和田:僕が所属している5グループは、『日清のラーメン屋さん』とか『日清 行列のできる店のラーメン』などで、カップめんであれば『日清デカ王』などのブランドを担当しています。

 デカ王ブランドを担当することになってから、まずは「『デカ王』を購入するのは誰なのか?」というところから再度見直しました。その中で、ゲームを遊ばれるユーザー、中でも『ストリートファイター』のような格闘ゲームを遊ぶユーザーが、大盛りの商品を食べている層と重なっているのではないかという仮説が生まれました。

――ユーザー認知を広めたいというところから、コラボを動かしたんですね。

『日清デカ王』

和田:弊社としてはこの商品を、より強化する策としてコラボさせていただきたい。カプコンさんからすると、食品という普段接点の無い切り口から情報を発信できる。お互いにとってメリットがある企画にできればということで、企画を提案させていただきました。

中村:お話を聞いていて、非常にゲーム作りに近い考えをお持ちだと思いました。本作に限らずゲームを作る時に命題としていつもあるのは、ハードコアユーザーだけではなく、カジュアルユーザー層や休眠層に対してもアピールできる作品を作る必要があるということ。今回であれば、カジュアルユーザーが気軽に楽しめる機能を用意することで、『ストリートファイターIV』シリーズで広がったユーザー層を、より広げようというのが当初からあったんです。

 そんな時、開発中のタイミングでこのようなお話をいただきました。日清食品さんといえば誰もが知っているメジャーな企業ですし、幅広い展開を全国的にできるのであれば、これは願ったりかなったりだと思いました。

――企画が動きだしたのはいつぐらいだったのですか?

和田:2011年の6月くらい。ちょうど1年ほど前でした。

――偏見かもしれませんが、ゲーム開発の現場ではカップめんを食べている方は多いのでは?

中村:いますね。昼でも夜でも、職場から麺をすする音が聞こえてくることがよくあります。スープの匂いが立ち込めるとお腹が減り、音を聞くと食べたくなる。本能を刺激しますね(笑)。

重要なのはイメージできること! コラボのきっかけが明らかに!

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