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2012年7月5日(木)

【G-netプレイレポート】PSP版『Dies irae』をレビュー! これこそ珠玉の中二病バトルAVGだ!!

文:ごえモン

■圧倒的強者と壮絶バトル! 中二病心をくすぐる至高の能力系バトルAVG

 ゲーム外の概要はここまでにして、ここからはゲーム本編の概要に触れつつ、作品の魅力をご紹介します。本作の舞台となるのは、日本の諏訪原(すわはら)という地方都市。ここで「これからの人生、ずっと未知な出来事が起きないで、変わらない平和な日常が続けばいいのに~」なんて考えを持って暮らしているのが主人公・藤井蓮です。

『Dies irae ~Amantes amentes~』
▲藤井蓮

 そんな蓮の日常は、博物館に展示されている“ギロチン”を見てから一変。毎夜、断頭台に上る夢を見るようになります。さらにそこから、諏訪原市で謎の連続殺人が発生。その被害者は、“刀のようなもので首を切られている”のだとか。さらにさらに、その連続殺人事件の夢を主人公が見るようになり、夢から目が覚めると事件現場にいるという……「もうこいつが犯人じゃねーか!」と考えてしまう状況が頻発します。

 序盤は、上記の通り“いかにも伝奇モノ”と感じられる展開が続きます。“伝奇モノ”のノベルは“主人公の見る夢”が1つの転換期になっている作品が多く、そのままストレートな結果が描かれる場合もあれば、ちょっとひねった結果になるものもありますよね。まあ、本作がどちらになるかは、実際に自分の目で確かめてみてくださいな。

『Dies irae ~Amantes amentes~』 『Dies irae ~Amantes amentes~』
▲人を殺す夢と言えば伝奇、伝奇と言えば人を殺す夢、なんて言えるぐらい僕にとってはなじみ深い要素です。

 物語はここからさらに進展。“ギロチン”と“連続殺人事件”に呼応するかのように、今度は1945年から第三帝国の闇が生んだ超人たち“聖槍十三騎士団”がよみがえり、蓮を襲うのです。“聖槍十三騎士団”なんて、蓮とはまったく関係がない存在に思えますが、どうやら“ある目的”のために蓮が必要なご様子。これによって、平和な日常系AVGの主人公として生きたかった蓮が、突如として壮絶なバトル系AVGというジャンル違いの主人公に抜擢されてしまうことになります。さて、これからどうなってしまうのか……!? と、ここまでが大まかなあらすじ。

『Dies irae ~Amantes amentes~』 『Dies irae ~Amantes amentes~』
▲ヴィルヘルムとルサルカに出会った時のひと幕。毎回、ルサルカの「ばあ」にキュンとくるのは僕だけでしょうか?

 この作品のおもしろい点は、まず“聖槍十三騎士団”の団員たちが持つ“聖遺物”というマジックウェポンの存在。“聖遺物”を持った人間は、超人のように強くなり、“聖遺物”でしか倒せない存在になります。普通に殴っても弾かれますし、拳銃で撃っても死にません。そして“聖遺物”には、それぞれ固有の能力や必殺技があるのですが、この設定がとにかく僕の中二心を刺激してくれるんですよ(笑)。

 自分に念●力があるとしたらどんな能力か? 自分のオーラの系統は? いつかは血継●界が覚醒するのでは? 五行説だときっと自分は風の能力使いだと思うの……などなど、昔からいろいろと妄想していた僕にとって、“固有の能力”、“個々の渇望(ねがい)が力になる”という要素は、もうドンピシャ! 記事冒頭で暴走してしまったように、自分の固有ルールを想像してしまうんですね。僕と同じような経験がある人は、間違いなく本作を楽しめます!

『Dies irae ~Amantes amentes~』 『Dies irae ~Amantes amentes~』
▲さまざまな能力、形状がある“聖遺物”。“位階”と呼ばれるレベルも存在します。

 もう1つ魅力を挙げるなら、やっぱりキャラクターの存在でしょう。一見すると、主人公の蓮は巷にあふれる無気力系主人公っぽく見えるのですが、実はものすごくアツい漢。愛するもののためならば、自分を極限まで高めてしまうような素晴らしい主人公です。

 そんな主人公に負けず劣らず、とにかく敵たちがカッコいい! バトル系AVGの場合、“敵の個性”だったり、敵のことを好きになれるかどうかで、作品に対する印象がだいぶ変わってくるはずだと、個人的には考えています。敵にもいろいろ事情があるわけですが、そこで主人公が「おまえも大変だったんだな……そんなかわいそうなおまえを俺は倒せないよ(泣)」なんて展開になったら萎え萎え。しかし本作のキャラの場合は、昔はいろいろあったけど、「それがどうした! それも含めて俺だ!!」と強い自分を持っている。主人公も敵もお互いが一歩も引かず、どんどん前に出てきます。ほぼ全員が、とんでもなく強い思いを持った非常にカッコいいやつらばかりなんです。

『Dies irae ~Amantes amentes~』 『Dies irae ~Amantes amentes~』 『Dies irae ~Amantes amentes~』 『Dies irae ~Amantes amentes~』
▲左からヴィルヘルム、ヴァレリア、エレオノーレ、シュライバー。特にこの4人が大好きです。
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▲でも、ラインハルト(左)、メルクリウス(真ん中)、ルサルカ(右)はもっと好き。

 もう少し詳しくキャラの魅力を挙げると、男たちがカッコいいことが1つ。最近の美少女ゲームの場合は、女性キャラが優位な場合が多いです。その結果、主人公よりもヒロインのほうが強く、ヒロインを応援しているだけになったり、主人公が戦うと展開がショボくなってしまったり……。僕はそれが苦手。女性キャラばかりにいいカッコされたくないわけです。見ているだけ、横で応援しているだけなんてもってのほか。やっぱり、主人公を含む男性陣には強くあってほしいし、活躍してほしいじゃないですか!

 その点『Dies irae』は男同士のガチバトルが胸をアツくしくれます。しかも、ほとんどのキャラに見せ場があり、ちゃんと活躍するのがアツい! かといって、女性キャラの影が薄いのかと言えば、それも違います。男性キャラ&女性キャラがそれぞれ同じくらい活躍する、このバランスのよさが気持ちいいです。バトル系のAVGとして、ここはかなりほめられる点じゃないでしょうか?

『Dies irae ~Amantes amentes~』 『Dies irae ~Amantes amentes~』 『Dies irae ~Amantes amentes~』
▲男だけじゃなく、女性キャラも魅力的に描かれているのが本作のいいところ。女同士の戦いも燃えます。

→極限まで突き進む深度の深いシナリオと秀逸な音楽も魅力!(3ページ目)

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データ

▼『Dies irae ~Amantes amentes~(ディエス・イレ ~アマンテース アーメンテース~)』ダウンロード版
■メーカー:light
■対応機種:PSP
■ジャンル:AVG
■発売日:2012年7月5日
■価格:7,140円(税込)
▼『Dies irae ~Amantes amentes~(ディエス・イレ ~アマンテース アーメンテース~)』
■メーカー:light
■対応機種:PC
■ジャンル:AVG
■発売日:2012年8月31日
■希望小売価格:9,240円(税込)
 
■『Dies irae ~Amantes amentes~(ディエス・イレ ~アマンテース アーメンテース~)』の購入はこちら
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▼『Dies irae ~Amantes amentes~』Gユウスケ描き下ろしクロスポスター
■メーカー:アスキー・メディアワークス
■発売日:2012年8月下旬
■希望小売価格:4,500円(税込)
 
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