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2012年6月30日(土)

シナリオとプロデュースのテーマとは!? 『ROBOTICS;NOTES』のキーマンであるプロデューサーの松原氏とシナリオライターの林氏に迫る

文:電撃オンライン

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――今回ストーリー展開のカギになっている“ツイぽ”は、フォーントリガーとは少し違いますよね。『シュタインズ・ゲート』ではメールが来ると音で知らせてくれたので、今がタイミングなんだというのがわかりましたけど、今回は自分からタイムラインを見に行って、返信しないといけないシステムですし。

松原:そこはゲームの難易度がぐっと上がっちゃうところなんですけど、あえて通知メッセージはなくしています。プレイヤー自身が任意に物語に介入できるシステムは『シュタインズ・ゲート』の「フォーントリガー」システムで経験されている方が多いと思うので、そこを発展させても、ある程度の人はついて来られるかなと。

――実際のツイッターも自分の手が空いたり、気が向いたときに見るものですよね。

松原:そうですね、その感覚がうまく出せるようなシステムになっているかなと思います。

――ストーリー上の日付が変わると、前の日のタイムラインは見られなくなってしまいますが、見逃さないコツみたいなものはあるんでしょうか?

松原:すごくシステム的なことを言っちゃうと、右下にローディングアイコンが出た後に切り替わっています。ですのでローディングしたら、とりあえず開いてみれば取りこぼしはなくなるんじゃないかなと。

――“ツイぽ”も、“居ル夫。”のジオタグもそうですけど、プレイの仕方によって情報量がけっこう変化しますよね。そこは能動的に動くか動かないかで、変化をつけるようにしたんでしょうか?

松原:そうですね、システム的にこうしなさいっていうよりは、もっと曖昧なシステムにしたほうが、逆に積極的に自分から調べに行くんじゃないかなと思ったんです。その“自分から”というスタンスは、君島レポートをあちこちに見つけに行く海翔の行動とも合致するので、その心理とダブることで、より海翔と一体感が感じられるんじゃないかなという狙いもあります。

――なるほど。あとはポケコンで言うと、ストーリーの後半に出てくるA.R.の使い方は、自分が今知っているものとはイメージが違っていて驚きました。

松原:今の最先端のA.R.技術は、もうマーカーを使わないんですよ。それをさらに2019年くらいまで発展させると、目に見えるものすべてをA.R.にできるんじゃないかということで、ああいう設定にしています。

:『カオスヘッド』や『シュタインズ・ゲート』でもやったように、現実と非現実の境目が曖昧になるような部分を、まさにそこで描いていますね。

――シナリオ面での林さんご自身のテーマは、何だったのでしょうか?

:表のテーマは“夢”で、少年少女が夢に向かってがんばっていく姿を描いているんですけど、それと同時に、夢破れた大人たちが彼らに接することによってどう変わっていくのか、という部分も描きたいなと思いました。やっぱりそういう悲哀に満ちた大人たちは、見ていてグッとくる部分がありますし、これまでのシリーズでは描けていなかった部分でもあるので。

 なおかつ、巨大ロボットを作るっていうテーマ自体が、やっぱり子どもだけではできないものなので、大人のサポートというのがどうしても必要になってくるんですね。そういう意味でも、よりリアリティが出てくるのかなと。だから、みんな海翔たちに厳しいんですよ。目標とすべきプロフェッショナルさを持っていますし、その裏に隠されている、ちょっとダメな部分というか、変わっていない厨二病なままの純粋な部分もある。その二面性を大人のキャラクターはみんな持っているように作っています。

 ただ、最終的にみんなカッコいい大人として描きたかったので、そのギャップを出すためにも、前半は相当頼りにならない印象になっていますけど(笑)。

――ロボクリニックのドクとかは、その象徴のような存在ですよね。

『ROBOTICS;NOTES』
▲元気いっぱいで活発なメインヒロインのあき穂と、オタクで引きこもりなフラウ(テーブルの上に注目!)。真逆なキャラクター性を持つ2人だが、それぞれのポジションでストーリーを引っ張っていく。

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(C)2012 MAGES./5pb./Nitroplus

データ

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