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2012年8月1日(水)

芝村裕吏、女性社員に丸め込まれる――『ガン・ブラッド・デイズ』しゃべくりインタビュー(後編)

文:電撃オンライン

 ケイブが間もなく正式サービス開始を予定する『ガン・ブラッド・デイズ』のインタビュー後編をお贈りする。

 本作は、2025年の架空の日本を舞台に、3つの組織による“日本内戦”を描いた軍事SF系ブラウザゲーム。自らが指揮する部隊を47都道府県に派遣して戦闘を行い、日本の掌握を目指す戦略SLG。気になる人は実施中のオープンベータテストに参加しよう。

 前編は作品テーマやシナリオの話題が中心だったが、後編ではキャラクターや今後の展開について伺っていく。質問にお答えいただいたのは、シナリオを手掛ける芝村裕吏さん、ケイブ・広報チーム主任の上町裕介さん、同じく新規開発チームプロデューサーの小野木圭一さん、そして開発会社ヴァンガード社の代表取締役社長兼CEOの杉山智則さん。

『ガン・ブラッド・デイズ』
▲左奥から、上町さん、小野木さん、芝村さん、杉山さん。※インタビュー中は敬称略。

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※このインタビューは6月下旬に収録されたものです。

――各勢力でアカウントをとって、スパイ活動のようなことをやっている人もいるかもしれませんね。

杉山:今のところはなんとも言えませんが、スパイ活動によって各勢力の情報が漏れたとしても、あまり影響はないでしょうね。一応、我々も対策はいくつか考えています。

小野木:そもそも、我々がスパイ活動に対する対策を取らなかったとしても、情報を漏らしたくない人たちは、場所を選んで会議をするでしょうからね。スパイがいるかもしれないような場所で話す内容というのは一種のプロパガンダで、特に重要でもない情報だったり、あえて偽の情報を流すことで敵を誘導したりするわけですね。

芝村:先行体験時のプレイヤーの中には、そういった情報操作みたいなことをやった人もいたと思いますね。

杉山:「このチャットは絶対見られてるから、他の場所で秘密チャット立ち上げようぜ」という風に、連絡手段を使い分けていたのではないでしょうか。

芝村:真のコアプレイヤーだけが集まる謎のIRCチャットみたいなものが出来てたと思う(笑)。

『ガン・ブラッド・デイズ』
▲伊坂ナミ(左)とイーヴァ・クロダ(右)。彼女たちがゲームと小説でそれぞれどのような姿を見せてくれるのか注目だ。

――小説についてお伺いしたいと思います。まずは小説版とゲーム、両方に出演するキャラクターもいるのでしょうか?

芝村:もちろんですよ。ゲームと小説の見事なコラボレーションだが、両方書いているのは俺みたいな(笑)。執筆者が同じだからこそできる展開もいろいろと用意しています。

 具体的に言うと“イーヴァ・クロダを助けだせ!”といった感じのイベントを書いています。あとはナミ助(井坂ナミ)も登場しますね。他のキャラクターと一緒にバカみたいな掛け合いを演じてます。特にナミ助はゲームと小説で雰囲気がかなり違っておもしろいんじゃないかな。

 ゲームのプレイヤーに話しかけるときは自分のことを“ナミ助”って呼ぶんだけど、小説版で主人公のイーヴァ(・クロダ)と話すときは“ナミ”なんです。尊敬している相手かそうでないかによって態度を使い分ける落差も、違いとして見てほしいです。

――小説版では3勢力すべての視点で物語を描いているのでしょうか?

芝村:主人公のジャーナリストが流れ流れて、すべての陣営に行ったり来たりしてます。陣営ごとの視点や雰囲気の違いがありますんで、その落差に注目してください。

 日本解放戦線は寄せ集めの集団という設定なんで、「襲われた!」⇒「反撃に出よう!」みたいな後手後手の展開が多いです。かと思ったら、セイバーは戦いの空しさがテーマになっていて、軍人らしい話が展開しますね。

――小説を読むことで「セイバーがかっこいいからセイバーに所属しよう」といった人もいそうですね。

芝村:セイバーではプレイしたくならないと思うけどなあ(笑)。ただ、日本解放戦線は小説版のゆる~い空気を感じてもらって、そこに共感できる人に入ってほしいな~と思いますね。

――ゲーマーにとっては、小説のどの辺りが見どころでしょうか?

芝村:ゲームをやり込んでる人たちには「あ、俺たちのプレイ結果をちゃんと拾ってくれている」というのを見てもらいたいですね。『ガンパレード・マーチ』の時は制作時期の問題でダメでしたが、今回はゲームと小説が同時期に動いているんで、かなり連動させています。プレイヤーがゲーム内で起こした行動や結果を小説で拾う連動感みたいなものを感じてもらえたらうれしいです。

――ユーザーさんの声に影響されたシナリオもありますか?

『ガン・ブラッド・デイズ』

芝村:結構ありますよ。小説の完成度を高めることや伏線をしっかり回収することも大切だけど、これはゲーム小説なんで、ゲームの中で起こったおもしろい体験を小説の中で否定したくはないんですよ。ユーザーさんがゲームを遊んでおもしろかったと思ったことは、ちゃんと再現したり、否定しない形で小説に生かしたいなと。

 というのも、我々の考えや世界観を押し付けるのではなくて、「ユーザーのことも、ちゃんと見ているな」と思ってほしいです。もし小説が2巻、3巻と続いていくようなら、ゲーム内で体験したエピソードをユーザーさんから募集してお話を作るとか(笑)。

→次のページでは、キャラクターデザインに関するマル秘話を掲載(2ページ目へ)

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データ

▼『ガン・ブラッド・デイズ』
■発行:アスキー・メディアワークス
■著:芝村裕吏
■イラスト:kyo
■発売日:2012年7月10日
■定価:630円(税込)
 
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▼『ガン・ブラッド・デイズ』
■運営:ケイブ
■対応機種:PC(対応ブラウザ:Internet Explorer7以降、Firefox3.0以降、Google Chrome)
■ジャンル:SLG(オンライン専用)
■サービス開始時期:2012年夏予定
■プレイ料金:無料(アイテム課金)

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