2012年8月5日(日)
ポケモンは、“『ポケットモンスターブラック2・ホワイト2』発売記念ファンミーティング in ポケモンセンター”を、横浜ランドマークタワーで本日8月5日に開催した。
このイベントは、DS用ソフト『ポケットモンスターブラック2・ホワイト2』を開発したゲームフリークの増田順一さんと海野隆雄さんをゲストに迎えたトークショー。ファンからの質問に2人が答えるコーナーや、参加者全員での記念写真の撮影のコーナーも用意されていた。
本記事では、トークショーの部分を中心にレポートをお届けする。トークショーは、増田さんと海野さんに司会者がさまざまな質問を投げ掛ける形式で進行した。初出しとなる貴重な資料なども公開されたので、ぜひご覧いただきたい。
▲画像左が増田さん、右が海野さん。 |
――『ポケットモンスターブラック2・ホワイト2』を開発するにあたり、最初にしたことは?
海野さん:普通は話し合いなどをするところですが、スタッフ全員で記念撮影をしました。記念になるだけでなく、開発が終わる2年後に、自分や他のスタッフがどう成長したのか見られるのがいいと思ったんです。これでスタッフの結束も固くなったと思います。
――100人で遊べる“フェスミッション”の開発の苦労などについて、教えてください。
海野さん:今作には“共鳴”というテーマがあります。この“共鳴”には、1人で遊んでも、みんなで遊んでも楽しい、ゲームとゲームが共鳴することで、世界が広がっていくという意味があります。このテーマが決まった後、スタッフに“1つの文章で説明できるような内容”の企画を募集しました。ゲームは、“わかりやすく、誰でも楽しめるもの”が大事なんです。
フェスミッションは、“1人でも100人でも”という要素に魅力に感じたんですが、スタッフが100人おらずどうしよう思いました(笑)。そしてこの要素を、競争なのか協力なのか、どのようにするかに苦労しました。“競争”にしてしまうと、通信のタイムラグなどで誰が1位で2位なのか、うまくわからないんです。最終的に“協力”にしようともっていくまでに時間が掛かりました。
――歴代の登場キャラクターたちとトーナメンでバトルできる“ポケモンワールドトーナメント”を開発したきっかけは?
海野さん:“ポケモンワールドチャンピオンシップス”(※ポケモンが行っている公式大会)に何度か視察に行ったんですが、そこでバトルしている人たちを見てすごいと思ったんです。技も戦術もパーティも練り込まれていて。それで、彼らとゲーム内でバトルをしてみたいなとちょっと思いました。実際やったらすぐ負けてしまうと思うんですけど(笑)。
そこから、彼らがゲーム内で本当にチャンピオンとして出てきたらおもしろいのではないかと考えて、だったら他のチャンピオンやジムリーダーたちも出してしまおうとお祭りのようなノリになっていきました。
――『ポケットモンスターブラック2』のブラックシティにある“黒の摩天楼”、『ポケットモンスターホワイト2』のホワイトフォレストにある“白の樹洞”という施設について、作った経緯を教えてください。
海野さん:2年後が舞台になっているということもあり、ブラックシティとホワイトフォレストは想像がつかないぐらい発展させようと考えました。クリア後にバトルを楽しむための拠点が必要ということもあり、それをコンセプトにおきつつデザインしていきました。
――“詰め将棋”ならぬ“詰めポケモンバトル”でファンから楽しいという意見が寄せられている“ポケウッド”。この開発経緯も教えてください。
海野さん:最初企画書を持っていった時、増田に「なんだ、これ?」と言われました(笑)。僕は(DS『ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー』『ポケットモンスターブラック・ホワイト』で)アートディレクターをやっていたので、ポケモンにもっと幅広い表現をさせたいと考えていたんです。それで、映画ということにしてしまえば許してもらえるんじゃないかと思って(笑)。あと、タイプの相性などをもう少し初心者にわかりやすく伝えたいという考えもあり、“映画を撮りながらバトルも楽しめる”という“ポケウッド”ができました。
――2年後という舞台設定において、ストーリー上意識したことは?
海野さん:僕は、『ポケットモンスターブラック・ホワイト』が、あんな終わり方をすると思っていなかったんです。あんな終わり方というと申し訳ないんですけど(笑)。「えっ、いきなりエンディング始まったぞ!?」と。あの終わり方は知らされていなくて、デバッグで初めて知って、そのまま増田のところに行って、「なんですか、これ!?」と話したんですよ(笑)。あれはあれで、1つの終わり方として、プレイした人たちにいろいろと想像を膨らませてもらうというのはいいと思ったんですが、自分の中ではイッシュ地方の人たちのその後を『2』ではきっちり描きたいと思っていました。
あのすぐ後の続編も考えたんですが、それよりは2年後にすることで街やキャラクターたちの変化を感じてほしいと思いました。あと、2年経ったので、主人公を新しくしました。まったく新しい主人公で、新しい街からスタートし、新しい冒険を楽しんでもらう……別の視点から、物語を楽しんでもらえればと思ったんです。そこが一番気を使ったところです。
→増田さんが極秘のイメージビジュアルを公開!(2ページ目へ)
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