【まり探】目指すは“ダンガンロンパ”というジャンルの確立――『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』開発者インタビュー

文：まり蔵

●最終的に“ダンガンロンパ”というジャンルを築きたい！

――本作の見どころを教えてもらえますか？

寺澤：学級裁判の演出です。いろいろなアクションも見てもらいたいのですが、今回は特にカメラワークに凝っています。カメラの動きは前回が200くらいだったんですが、今回は1,000近くもあります。それを手作業で作るというこだわりです。もちろん前半からこだわっているのですが、後半になればなるほどいろいろな演出がカメラワークに入ってきて盛り上がるので、ぜひ最後まで遊んでほしいです。

齊藤：僕は世界観ですね。今回のテーマは“サイコトロピカル”で、南の島という開放的な世界が舞台になっているのですが、島ごとに施設が違ったり、雰囲気が異なっていたりします。島を移動しているだけでも経験値がたまるので、初上陸の島では隅々まで歩いて眺めてもらいたいです。島の景観を楽しんでもらうことで、没入感が高まってくると思います。

菅原：見どころは、全体にちりばめられていると思っています。スタッフ1人1人の努力によって、小ネタをふくめて作りこみがすごいです。1週目はストーリーを見ていただいて、2週目でネタ的なところにも目を向けつつ、プレイしていただけるとうれしいです。

小高：豊富なおまけ要素も魅力の1つですよ。移動の歩数が増えることで電子ペットが成長していく要素などは、作業的な部分を軽減したくて用意したものです。作業にも意味があったほうがいいじゃないですか。あと、おまけモードとして“だんがんアイランド どきどき修学旅行で大パニック？”や、成田良悟さんにシナリオを書いていただいた“ダンガンロンパIF 希望の脱出装置と絶望の残念無双”もご用意しました。

――“ダンガンロンパIF”のシナリオを成田さんにお願いした経緯を教えてください。

小高：キッカケは『電撃PlayStation』（アスキー・メディアワークス刊）さんの対談でお会いしたことです。

齊藤：小高が成田さんとコンタクトを取っていたこともあり、世界観を広げるために「ゲームの中にアンソロジー的なことを入れませんか？」と成田さんに相談させていただきました。焼肉をごちそうして、なんとか懐柔できないかと（笑）。

小高：お忙しい方なのでダメ元で頼んでみたのですが、快諾していただきまして。

齊藤：こちらが想定した以上に書いていただきました。ボリュームもかなりあるので、『1』をプレイした方なら楽しんでいただけるかと。

小高：『2』をプレイして今回のキャラもいいなあって思っていただき、その後“ダンガンロンパIF”でやっぱり『1』のキャラもよかったなぁと思っていただければうれしいですね。

――『1』といえば、iOS/Android版『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生』の配信も始まりましたね！

寺澤：大変お待たせしておりましたが、ようやく配信することができました。PSPをお持ちでなく、『ダンガンロンパ』をプレイできなかった方も、第1章は無料でプレイできますので、この機会にぜひ遊んでみていただければと思います。おもしろければぜひ『2』にも触手を伸ばしてもらいたいなぁと。

――気が早いと思うのですが『ダンガンロンパ3』については……？

小高：もし次を作るのなら、推理モノから離れてみたらどうなるかなというのも興味あります。『ダンガンロンパ』の世界には、推理要素がなくても楽しめそうな可能性を感じているので。

齊藤：最終的に“ダンガンロンパ”というジャンルを築くことができればいいと思っています。僕らは“AVGを作りたい”のではなく、新しいものを作りたいと考えています。続編を作るとしても、どのような形になるかはプロデューサー次第ではないでしょうか。

寺澤：プロデューサーとしては、純粋な『3』を作りたいですね。ただ、こればかりは開発スタッフの気持ちが重要ですから。おいおい気持ちが乗ってきた時に考えればいいことです。ただ、『3』でないものもやってみたいという気持ちもあります。マルチにいろいろやってみたいですね。

小高：とはいえ、それもこれも『2』が受け入れられるかどうかにかかわってきますけどね（笑）。

――最後に、これから『スーパーダンガンロンパ2』をプレイする人に向けてメッセージをお願いします！

菅原：今回は、ゲームでしかできないことを体験できる作品に仕上がりました。プレイすると、お腹がいっぱいになると思いますよ。

小高：本編もおまけも、非常にボリュームアップしています。これは単純に楽しんでいただきたいからです。AVGだとすぐにクリアして終わってしまう方もいると思うのですが、短時間で終えてしまうのはもったいない！　いろいろネタが仕込んであったり、細かな部分に手をかけていたりするので、じっくりと時間をかけて遊んでほしいです。あと、『2』からでも楽しめるように作っていますが、『1』をプレイしているとより楽しめる作品になっています。廉価版やiOS/Android版も出ていますので、まだプレイしていない人はぜひ『1』から遊んでみてください。ついでに言うと、小説版『ダンガンロンパ／ゼロ』を読んでおくと、さらに楽しめると思います。

齊藤：長い間お待たせしてしまった分、開発が注力できるものをすべて詰めこんだ作品になりました。ボリュームもあり、満足していただけるものに仕上がっていると思いますので、最後まで楽しんでいただければうれしいです。

寺澤：本作にはいろいろなネタを仕込んでいるので、とにかくネタバレには気をつけていただけるとうれしいです。前作も、ユーザーさんがネタバレを自主的に気をつけつつ、口コミで本作のよさを広げていただきました。今回もなるべくネタバレをしないように、本作の魅力を伝えていただければと思います。

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関連サイト

• 『ダンガンロンパ』シリーズ公式サイト