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2012年9月15日(土)

【Spot the 電撃文庫】失脚した英雄を復活させるカギは破天荒なシスターたち! 『ペニンシュラの修羅』吉田親司先生インタビュー

文:電撃オンライン

 電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。第53回となる今回は、『ペニンシュラの修羅』を執筆した吉田親司先生のインタビューを掲載する。

『ペニンシュラの修羅』
▲甘塩コメコ先生が描く『ペニンシュラの修羅』の表紙イラスト。

 本作は、一度でも失敗したらカムバックが難しい世界でカムバックを求められた英雄と、見目麗しくも破天荒な3人のシスターたちの活躍を描いたファンタジー。舞台は、隣国の侵攻を受け、危機に陥った国“ペニンシュラ王領”。国難を救うためには、かつて救国の英雄とうたわれながらも陰謀により隠遁生活を余儀なくされた、イートン・アンシャル卿の力が必要不可欠だった。

 彼を担ぎ出すために白羽の矢が立てられたのは、修道院で暮らす3人のシスターたち。敬虔なる神の信徒でありながら自由奔放に生きる彼女たち“破戒修道尼僧”は、はたしてアンシャル卿を隠遁生活から連れ戻すことができるのか?

 吉田先生には、本作のセールスポイントや小説を書く時にこだわっているところなどを語っていただいた。また、電撃文庫 新作紹介ページでは、本作の内容を少しだけ立ち読みできるようになっている。まだ読んでいない人はこちらもあわせてご覧あれ。

――この作品を書いたキッカケを教えてください。

 中学生のころ、ゲームブックの『ファイティング・ファンタジー』シリーズが大好きでした。『運命の森』『盗賊都市』など、いまだに読み返してます。その影響でいつかは異世界ファンタジーを書いてみたいと思っていました。今回の作品でその夢が叶い、感無量です。

――作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?

 強くて愛らしい女の子が3人も登場し、蹴ってなぐって魔法を使って温泉に入ってくれるんですよ! これ以上、何を望むというのですか! ……って、それはさておき、実は真の主役は“ペニンシュラの修羅”ことイートン・アンシャル卿です。体と心に癒えることのない傷を負い、奇怪な義手を装着した青年の復活劇を読み取っていただければ嬉しいです。

――作品を書くうえで悩んだところは?

 異世界ものですので、どこまで私たちの世界の常識を持ち込んでいいのか? その線引きに苦労しました。結局は力業で解決しましたが(笑)。

――執筆にかかった期間はどれくらいですか?

 実際の執筆作業は2カ月強ですが、改稿その他を含めると1年近くかかってしまいました。本当に編集さんにはご迷惑おかけしました。

――執筆中に起きた印象的な出来事はありますか?

 実はこの物語の3年前を描いた『国境大会戦』という原稿を用意しています。イートンが義手となった経緯などを記した中編です。機会があれば、どこかで発表したいなと。あ、これは執筆中のエピソードじゃなくて、封印されたエピソードでございました。

――それは機会があったらぜひ読んでみたいところですね。続いて、主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。

 美しいものはたくさんあったほうがいいのです。1人よりは2人、2人よりは3人、3人よりは……って、これ以上増やすと描き分けができないので、ヒロインは3人に増やしました。いわゆる“戦隊モノ”がヒントなのですが、カラーリングを赤蒼黄にしてしまったので、なんだか信号機みたいに(笑)。

 赤のシスター・マリカ、黄のシスター・ハイナ、蒼のシスター・墺芭(ディーバ)は、あちこち破綻した不完全な少女たちですが、3人でやっと1人の女の子になるように設計(?)してます。かわいがってくださいませ。

――特にお気に入りのシーンはどこですか?

 最後のバトルシーンです。一方の主役であるイートン・アンシャルは、とてつもないハンディキャップを背負ってウジウジ悩む男ですが、最後には戦場で怒りを大爆発させます。乞うご期待です。

――今後の予定について簡単に教えてください。

 複数の国家に分裂しているこの世界を、イートンたちが天下統一するくだりまで書きつづりたいものです。

――小説を書く時に、特にこだわっているところはどこですか?

 読んでいただかなければお話になりませんので、リーダビリティの確保に気を使ってます。私の文体は独特と言われますので、どこまでできているかはあまり自信がありませんが。

――アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?

 机の上でうなるのみです。書いているうちにアイデアがふつふつと湧き出すことが多いです。集中力は……何か高めるよい方法があれば教えてくださいませ(涙)。

――高校生くらいのころに影響を受けた人物・作品は?

 小説は筒井康隆先生の中編ばかり読んでいました。受験勉強ばっかりでまとまった読書の時間が取れなかったのが残念でなりません。あのころ、もっともっと本を読んでおけば、今ごろはヒットメーカーになれたのに! 中高生諸君! 寸暇を惜しんで読書を!

――現在注目している作家・作品は?

 ライトノベルでは秋山瑞人先生、田中ロミオ先生の作品を繰り返し読んでいます。コミックは西島大介さんの『ディエンビエンフー』、速水螺旋人さんの『大砲とスタンプ』が最近のお気に入りです。

――今熱中しているものはなんですか?

 電子端末で青空文庫を読むのにはまっています。海野十三先生の昔のSFがおもしろくてたまりません。

――ゲームで熱中しているものがあれば教えてください。

 昔のゲームばかりやっています。『大航海時代』とか『蒼き狼と白き牝鹿・ジンギスカン』などです。ジンギスカンはオルドに通い詰めて過労死寸前です。

――それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。

 お互いに好き合っていても結ばれない男女の機微を、戦火の中に描いてみました。国家と個人の幸せは両立できないのか? それを読み取っていただければ幸いです……って堅苦しすぎますね。ぶっちゃけて言えば、ワガママで自分勝手で可愛いシスターたちが、欲望のおもむくままに大暴れするお話です。読んで笑っていただければ、とてもうれしく思います。

(C)吉田親司/AMW
イラスト:甘塩コメコ

データ

▼『ペニンシュラの修羅』
■発行:アスキー・メディアワークス
■発売日:2012年9月10日
■価格:641円(税込)
 
■『ペニンシュラの修羅』の購入はこちら
Amazon.co.jp

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