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2012年9月22日(土)

PCとPS3の連動で生まれるオンラインゲームの新たなる進化形――広大な宇宙を舞台にしたMMO『EVE Online』とFPS『DUST 514』の開発者にインタビュー

文:電撃オンライン

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■FPS『DUST 514』でソーラーシステムの領有権を争っていく

――なるほど。それでは『DUST 514』を開発することになったきっかけを教えてください。

トルヴェ:『DUST 514』を開発することになったきっかけは、やはり『EVE Online』の世界を広げるため、というところが大きいです。PCとPS3というプラットフォームの違いはありますが、『DUST 514』の世界で起きる戦闘は無意味なものではなく、互いのゲーム世界の勢力バランスに影響を与えることになります。

 『DUST 514』は『EVE Online』と同じ単一サーバーの中で動作しますので、キーボードチャットやボイスチャットを通じて、『EVE Online』のユーザーが作ったコーポレーションと『DUST 514』のユーザーが作ったコーポレーションが協力関係を結ぶこともできます。我々開発陣としては、2つのゲームが動くことでゲーム内の戦争がより行われるようになり、それに合わせてゲーム内の経済活動が盛んになるのではないかと期待しています。

――FPSはステージごとに地形の特徴があったりしますが、『DUST 514』にはどのくらいのステージがあるのでしょうか?

トルヴェ:今のところ正確な数は決まっていませんが、『DUST 514』の世界には約7000のソーラーシステム(星系)の中に約60,000個の惑星があります。最初から全部の惑星で遊べるわけではありませんが、この中から少しずつ遊べるステージを増やしていきます。

――『DUST 514』の戦闘に勝利してソーラーシステムを支配下に置いた場合、どういったメリットやデメリットが発生するのでしょうか?

トルヴェ:メリットとしては、自分たちが支配しているソーラーシステムにおける製品の製造速度が速くなることなどがあげられます。一方、デメリットとしては、敵対している勢力が支配下におく、ソーラーシステムのドックに入港することができなくなり、さらにそこでの貿易をすることができなくなります。

――つまり、ソーラーシステムの支配権を取ることに意味があるということでしょうか?

イヴァル氏(以下、敬称略):『EVE Online』ではコーポレーションが1つのソーラーシステムを支配下に置くことで領有権が発生し、有利に物事を進めることができるようになります。これは『DUST 514』の傭兵(ユーザー)たちがソーラーシステムの領有権を巡る戦いに参加して勝利したときにも、さまざまなボーナスを得ることができます。

▲左側の写真のモニターに移っている極小の点が、約7,000個存在するソーラーシステム。さらにこのソーラーシステム1つ1つの中に、『DUST 514』の戦闘の舞台となる惑星が存在している。

――『DUST 514』が他のFPSゲームやMMORPG、ソーシャルゲームと大きく違うと考えられている点はどこでしょうか?

トルヴェ:インターネット上で動作するゲームというのは、ユーザー同士がコミュニティを形成するにあたって一定以上のユーザー人口を必要とします。ですが『DUST 514』はすでに同じサーバー上に『EVE Online』のユーザーがいるので、そういった問題がすでに解消されている点が他にはない強さだと思っています。

――それでは『DUST 514』の戦闘についてお聞きします。まずプレイヤーが着用する“降下スーツ”について教えてください。

イヴァル:降下スーツは『DUST 514』の惑星での戦いに使用する戦闘用のスーツで、ユーザーの戦い方に合わせていくつかの種類があります。いわゆる前線で戦う歩兵タイプ、対装甲車両用の重装備タイプ、味方を治療できる衛生兵タイプ、移動速度が速い偵察兵タイプや遠距離から敵を狙い撃つ狙撃兵タイプなどです。

 ですがこれらはあくまでも基本的なものであって、アタッチメントやモジュールなどを付け替えることで自分の役割に合わせたカスタマイズをすることができます。

――惑星の数が非常に膨大になりますが、ゲームはどのように進めていくのでしょうか?

イヴァル:ゲームにログインした後は、まず自分がどこのソーラーシステムで戦うのかを決めることになります。惑星にはいくつものソケットがあるので、たとえ同じソーラーシステムの中であっても戦闘が終わるごとに別の場所に移動して戦うことができます。

――戦闘は単純に相手のチームを全滅させれば勝ちになるのでしょうか?

イヴァル:基本的にはそうなります。ですが、マップ中にある“アウトポスト”という場所を占拠することで、『EVE online』のプレイヤーと『DUST 514』のプレイヤーの両方に対してさまざまな恩恵を得ることができます。

――戦闘に勝利することで得られる報酬について教えてください。

イヴァル:戦闘に参加することで、“ISK”と呼ばれるゲーム内通貨とスキルポイントを獲得することができます。このISKを貯めることで、マーケットプレイスから新たなスキルやアタッチメント、装甲車両などの各種装備を購入することができます。

 一部の装備には前提になるスキルを一定のレベルにまで上げないと購入・装備できないものがあるので、これを全部集めようとすると数年はかかるんじゃないでしょうか(笑)

――ISKの他にも“AUR”という通貨もあるようですが、こちらはどういったものでしょうか?

イヴァル:AURはISKと違い、現実のお金と引き換えに、ゲーム内通貨として購入していただくものになります。AURでアイテムを購入することもできますが、ISKでなければ買えないものもあるので、万能というわけではありません。

 時間をかけてじっくりプレイしていただければISKは貯まっていきますので、こうしたところも基本プレイ無料のゲームとしてお楽しみいただけると思います。

――ありがとうございます。それでは今後のクローズドβテストのご予定などについて、お聞かせいただいてもよろしいでしょうか?

イヴァル:今年の冬、11~12月頃には行いたいと考えています。募集人数はまだ未定ですが、10,000人~ぐらいの規模で募集する予定ですので、実際に募集がスタートした際に興味を持っていらっしゃる方はぜひ応募していただきたいと思います。


 『EVE Online』及び『DUST 514』の開発者インタビュー、いかがだっただろうか。『DUST 514』は東京ゲームショウ2012のSCEブースで試遊が可能となっているので、冬のクローズドβテスト開始前に本作に触れてみたいという人は、会場でブースに足を運んでみるといいだろう。

■東京ゲームショウ2012 開催概要
【開催期間】
 ビジネスデイ……2012年9月20日~21日 各日10:00~17:00
 一般公開日……2012年9月22日~23日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売1,000円(税込)
※小学生以下は無料

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