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2012年11月8日(木)

Xbox 360版『怒首領蜂 最大往生』追加キャラ“桜夜”が公開!あわせて浅田プロデューサーにケイブの現状も聞いてみた

文:megane

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――話は変わりまして、これまでXbox 360でタイトルを作ってきて、前回の『虫姫さま』で終わりと宣言していましたが、今回『怒首領蜂 最大往生』が出せることになりました。時期的にはこれで本当に終わりかと思いますが……。

浅田 『虫姫さま』を開発していた時に、隣でアーケードの『怒首領蜂 最大往生』を作っていて、もともとXbox 360に移植できるような作りにはしてあったんです。ただ、会社の方針として、コンシューマとアーケードをいったん休止しよう、という話になりかけたんですね。『虫姫さま』も出せるかどうかという状況でしたが、皆で一丸となって、それらは発売できるようになりましたが、自分の中では本当に区切りをつけていたんですよ。

 自分はこれまで十何年とコンシューマでやってきましたが、会社がスマートフォンやオンラインゲームに寄っていくのなら、それはそれで会社の成長のためには仕方のないことかな、とは思いました。とはいえ、自分としてはコンシューマゲームをこだわりを持って作っていきたいと思っていましたし、スマートフォンのゲームを作るなら、スマートフォンじゃないとできないものを作っていきたい。そうでないのなら自分が作る意味はないんじゃないかと思い、一時期は退社も考えたんですよ。

 ただ、そんな中で日本マイクロソフトさんと、なんとか出せる方向を模索していこうと打ち合わせをして、「浅田がきっちりとプロデューサーをやるんだったら『最大往生』を出そう」ということで8月の頭に決定したというわけですね。

――なるほど。そういう経緯があったんですね。

浅田 ユーザーさんには『虫姫さま』の時点で「終わり」と伝えていましたが、あの時点では本当にダメだったということを理解してもらえればと思います。今回出せるようになったのは、いったん休止しようと言われた時でも、アーケードの開発チームがモチベーションを保って、きっちりと作ってアーケードに出せていたのが大きいかなと思います。 ユーザーさんの反響もよかったので、それにかんしては自分も崩さずにきっちりと作りたいと思います。

――ところで、以前開発を公表されていた『弾銃フィーバロン』については……

浅田 『弾銃フィーバロン』については、実際に日本マイクロソフトさんと10回くらい打ち合わせをしていたんですね。『フィーバロン』を開発していたのはM2さんでしたが、どうやって展開をさせていこうかと。ただ、Xbox LIVE アーケードで『フィーバロン』だけで売っていくのは、費用的にやはり難しいところがありました。

 もちろん完全に諦めたわけではないのですが、どういう形で出せるかはまだ模索しているところですね……。実際に2400マイクロソフトポイントで出しますと言って、それでも買ってくれるユーザーさんはいると思うんですよ。でも、それで出せたとして、なんの意味があるかなと。ユーザーさんのことを思って出すだけなら出せますが、今後シューティングゲームの広がりとかを考えた時に、高い金額で出すことはデメリットでしかないと思うんです。

 適正価格というのは確実にあって、Xbox LIVE アーケードであれば800~1200マイクロソフトポイントくらいに抑えないといけない。ただ、売り上げの計算をしていくと厳しくなってしまうんですよね……。

――それでは最後に、これまでXbox 360でゲームを作ってこられましたが、振り返ってみていかがですか?

浅田 今年は、今までと比べて1つのタイトルにここまで集中できるのは初めてでしたね。『デススマイルズIIX』以来でしょうか。『デススマイルズ』で2009年に参入してから、3カ月に1回くらいのペースでマスターアップを繰り返していたので、本当に久々ですよ。今振り返ると駆け足でXbox 360のタイトルを出し続けたな、と思います(笑)。

 今までユーザーさんに支えられてきて、Xbox 360でシューティングゲームを出してきましたが、それでシューティングゲームの裾野が広がったかな、と思うと、やはりまだまだだなという感じはしています。自分たちの力不足の部分も大きいですね。ですので、自分の中ではこの『怒首領蜂 最大往生』について、これまでケイブという会社でシューティングゲームを作ってきた集大成になるのかなと思っています。広がりを見せられるように、いろいろなものを仕込んでいるつもりです。最後とは言っていますが、最後にはならないようにがんばりたいです。

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 まだまだXbox 360版独自のモードについては、開発が始まったばかりということもあって、詳細については語られなかったが、妥協を考えないシューティングゲーム作りの開発現場を感じていただければ幸いである。

 浅田さんは本作について、「Xbox 360でのケイブのシューティングゲームの集大成」と語っていた。確かに家庭用ゲーム機でシューティングゲームを作っているメーカーは、もはや数えるほどにしか残っていないが、現行機および次世代機でも新作の登場を期待したいところだ。

(C)CAVE Interactive CO.,LTD.

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