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2012年11月14日(水)

ネタバレ注意! 中世から現代まで続く“アサシン教団”と“テンプル騎士団”の戦い──そして舞台は『アサシン クリードIII』へ

文:イトヤン

■中世後期イタリアのアサシン“エツィオ・アウディトーレ”の戦い

 時は流れて15世紀のころには、アサシン教団の活動拠点はイタリアに移っていました。ルネッサンス文化が花開いていたフィレンツェの街に住む銀行家のジョヴァンニ・アウディトーレは、一族が密かに受け継いできたアサシンとしての能力を使って、フィレンツェを治めるメディチ家のもとで活動していました。

 一方、スペイン貴族からキリスト教会の枢機卿にまで出世し、当時のローマで莫大な富と権力を自由に操るようになったロドリゴ・ボルジアは、テンプル騎士団総長という裏の顔を持っていました。1476年、ジョヴァンニ・アウディトーレはロドリゴの罠に落ち、家族とともに処刑されてしまいます。生き残ったジョバンニの息子、エツィオ・アウディトーレは、父と兄弟の復讐を誓いました。

『アサシン クリード ブラザーフッド』
▲写真は『アサシン クリード ブラザーフッド』より。フィレンツェの富裕な家庭で育った色男のエツィオ・アウディトーレ。ボルジア家との戦いを繰り広げながら年齢を重ねることで、アサシン教団を率いるリーダーとしての貫禄を身につけていきました。

 叔父のマリオのもとでアサシンの修行に励んだエツィオは、アサシン教団とテンプル騎士団の戦いについて学び、ロドリゴとの戦いには個人的な復讐よりも大きな意義があることを知ります。

 1488年、エツィオはヴェネツィアで、テンプル騎士団からロドリゴに向けて送られた“エデンの林檎”を奪います。“エデンの果実”は、アルタイルがマシャフの書物庫に隠したもの以外にも、この世界にいくつも存在していたのです。エツィオが奪ったエデンの林檎は、一旦は修道僧サヴォナローラに奪われてフィレンツェの街を混乱に陥れましたが、彼の死とともに再びエツィオが取り戻します。

 1492年、ロドリゴ・ボルジアはローマ教皇アレクサンデル6世として、キリスト教会の頂点に君臨します。しかし、彼が求めたのは権力だけではありませんでした。教皇の権威の象徴である杖もまた、“エデンの果実”の1つだったのです。

『アサシン クリード ブラザーフッド』
▲写真は『アサシン クリード ブラザーフッド』より。スペイン貴族のロドリゴ・ボルジアは、イタリアの有力貴族たちと権力闘争を繰り広げて、ローマ教皇の地位にまで上り詰めました。歴史上で悪名高いこの人物も、テンプル騎士団の一員だったのです!

 そして1497年、エデンの林檎を手にしたエツィオは、ロドリゴを暗殺するためにローマのシスティーナ礼拝堂にやってきます。2種類のエデンの果実である林檎と杖が出会ったことで、礼拝堂の地下に存在していた秘密の宝物庫の扉が開きました。その中に入ったエツィオは、“ミネルヴァ”と名乗る不思議な姿の女性と出会います。彼女はエツィオをじっと見つめると、彼を通して、その向こう側に存在する“デズモンド”に向かって語りかけます。

→21世紀のアサシン教団とテンプル騎士団(4ページ目)

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