2012年12月5日(水)
この“週刊洋ゲー通信”では、1週間の間に海外のゲームメーカーやデベロッパーが明らかにした最新情報から、注目のトピックをまとめて紹介していく。
今回は11月24日から11月30日までに公開された新情報の中から、11個のニュースをピックアップしてお届け。海外では大作ゲームの発売もひと段落したためか、今週はDLCやダウンロード配信ソフトに関する話題が多くなっている。一方で、任天堂が新ハード(?)を電撃発表するといった驚きのニュースも! 今回も海外ならではのホットな情報をお伝えしよう!
この12月8日には、任天堂の新ハード“Wii U”が日本でも発売されるが、このタイミングでWiiの廉価版モデル“Wii mini”が電撃発表された!
……と言っても、“Wii mini”は全世界でもカナダだけの限定発売で、しかもこの年末商戦のみの限定リリースとなっている。今回発表されたプレスリリースにも、“他国での発売予定に関する情報はありません”と但し書きされているので、ご注意を。赤と黒の2色に色分けされた本体が非常に印象的なWii miniは、従来型のWiiよりも少し小さくなり、インターネット接続機能とゲームキューブ互換機能はなくなっているものの、すべてのWiiソフトが動作するとのこと。
価格は99.99カナダドル(約8,200円)で、カナダでは12月7日より発売が開始される。ちなみに、Wii UにはWiiソフトの互換機能が用意されているので、今からWiiを遊びたいという日本のゲームファンには、そちらがいいだろう。
(参考サイト:任天堂 カナダ公式サイト)
ヨーロッパでは11月30日に発売され、続いてアメリカでは12月4日に発売されるオープンワールドFPS『ファークライ3』。本作に用意された多彩なプレイの内容を、なんと10分以上にもわたって丁寧に紹介するローンチトレーラーが公開された。これまでお伝えしてきたように、本作では南の島にやってきた若者が現代の海賊や麻薬密輸業者と戦うことになるが、それ以外にもトラやサメといった凶暴な野生動物をハントしたり、現地人の協力によって身体にタトゥーを入れることで自分自身を強化したりと、さまざまなやり込み要素が用意されている。
さらにシングルプレイとはストーリーも主人公も異なる4人協力プレイや、オンラインでのチーム対戦と、ボリュームたっぷりの内容が、このトレーラーでは余すところなく紹介されている。同作は日本でも、2013年にPS3/Xbox 360用ソフトとして発売予定だ。
(参考サイト:『ファークライ3』ローンチトレーラー(※リンク先はYouTube))
伝説の兵士マスターチーフの新たな戦いの始まりを描くXbox 360を代表するFPSシリーズの最新作『Halo 4』。この11月に発売されて日本でも好評を得ている同作の初のDLCとなる“Crimson マップパック”が、日本を含む全世界で12月10日より配信開始される。
このDLCには“Shatter”“Harvest”“Wreckage”という、マルチプレイ対戦用の新マップ3種類が収録されている他、5vs5のチーム戦で資源の抽出を争う新ゲームタイプ“Extraction”も追加されるとのこと。このDLCは、『Halo 4』のDLCシーズンパスとしてXbox LIVEで購入できる“War Games Map Pass”(『Halo 4 リミテッドエディション』に同梱)の第1弾で、このパスを購入している人は無料でダウンロードできる他、800MSPで個別に購入することも可能だ。引き続き第2弾、第3弾のマップパックも配信予定となっているので、『Halo 4』のファンは期待してほしい。
(参考サイト:Halo Waypoint)
続いては、『Halo』3部作と『Halo:Reach』を手がけたデベロッパー、バンジーの話題。マイクロソフトの傘下を離れたバンジーは現在、完全新作を制作中だ。その詳細は未発表だが、今年の5月に情報が流出し、『デスティニー』というタイトルのSFシューティングだと明らかになった。そしてこのほど、インターネット上で『デスティニー』のアートワークや概要の一部が流出し、新たな話題を呼んでいる。
ここではあえてその詳細には触れないが、バンジーは同社の公式ブログで“まだ準備ができていない”と強調する一方、“我々が進めているものを公開する日が楽しみだ”として、新作のコンセプトアートと見られる1枚の画像を掲載している。雪山を行軍するユニークなフォルムの多足歩行戦車と、不思議な形のアーマーを身につけた兵士の姿が描かれたそのイラストは、実にバンジーらしいSFマインドに溢れたもので、これが実際にゲームとして動く光景を想像すると、ワクワクさせられる。このイラストを見れば、バンジーの最新作を流出といった形ではなく、正式な情報として目にする日が待ち遠しくなるはずだ。
(参考サイト:バンジー公式サイト)
海外で2002年にPS2で発売されて(日本発売は2004年)、当時としては世界最大級のヒットとなって『GTA』シリーズの人気を決定づけた『グランド・セフト・オート・バイスシティ』。この作品の発売10周年を記念して、iOSとAndroidに移植された本作が、12月6日より4.99ドル(約400円)で配信開始される。
本作はアメリカのマイアミをモデルにした南国のリゾート地“バイスシティ”を舞台にして、主人公トミーをはじめとするマフィアや密輸業者たちが暗躍するオープンワールドACTだ。1986年という時代設定で、マイケル・ジャクソンをはじめとする1970~80年代の人気ポップス(しかも原曲)がゲーム中に大量登場することでも、発売当時は大きな話題となった。
この10周年記念版のトレーラーでも、ローラ・ブラニガンの“セルフ・コントロール”をバックにして、高解像度にリマスターされた本作のさまざまな場面を見ることができる。前作にあたる『GTA III』の10周年記念版は日本でも配信されたため、本作も日本で配信される可能性は高いが、ハイスペックが必要なため、Android版はプレイ可能な機種が限定されるので要注意だ。
(参考サイト:ロックスター・ゲームス アメリカ公式サイト)
過去作品のリマスター版の話題をもう1つ。1998年にPCで発売された『バルダーズ・ゲート』と言えば、テーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のルールや世界観を忠実に再現したことで、大きな話題となった作品だ。
バイオウェア社の出世作としても知られるこのファンタジーRPGをリマスターして、新プレイヤーキャラや新シナリオを追加した『バルダーズ・ゲート エンハンスド・エディション』が、PC向けのダウンロード配信タイトルとして、この11月28日より有料配信が開始されている。本作はiOS/Mac向けにも配信される予定だが、こちらはバグが発生したために配信が延期されたようだ。
ちなみに『バルダーズ・ゲート』はかつて日本版も発売されていたが、『エンハンスド・エディション』の公式フォーラムによると、今回もオフィシャルな形での日本語翻訳が進められており、PC版の配信開始には間に合わなかったものの、今後のパッチ配信のタイミングに合わせて、日本語テキストへの対応が行われる予定だという。膨大な量の文章を参照する必要のある作品だけに、日本のRPGファンにとっては実に嬉しい情報だ。
(参考サイト:『バルダーズ・ゲート エンハンスド・エディション』公式サイト)
(参考サイト:『バルダーズ・ゲート エンハンスド・エディション』公式フォーラム)
『バルダーズ・ゲート』のオリジナル版を手がけたバイオウェアの最新作『マスエフェクト3』に、新たなストーリーを追加する最新DLCが登場。日本を含む全世界で、現在有料配信中だ。
『マスエフェクト』シリーズは、3部作で壮大なSFストーリーが描かれるRPGだが、今回配信されたDLC“オメガ”はそのタイトル通り『マスエフェクト2』で主要なロケーションの1つとして登場した宇宙ステーション“オメガ”が舞台となっている。
主人公シェパードは、サーベラス勢力に占領されたオメガの奪還を目指すことになるが、彼に協力する新キャラクターとして、エイリアン種族“トゥーリアン”でシリーズ初の女性キャラも登場するとのこと。このDLCはPS3版は1,500円、Xbox 360版は1,200MSPで配信中だ。なお、まもなく発売されるWii U版『マスエフェクト3』でのDLCの配信予定は、現在のところ未定となっている。
(参考サイト:『マスエフェクト3』アメリカ公式サイト)
既発売のゲームに新たな要素を追加する、DLCの話題を続けてお届けしよう。スチームパンク風のユニークな世界で主人公の復讐劇が展開されるスニーキングACT『Dishonored(ディスオナード)』は、この秋に全世界で発売されて高い評価と人気を獲得している。
本作のDLC第1弾“ダンウォールシティ・トライアルズ”が、海外で12月11日より配信されることが決定した。このDLCでは、次々に出現する敵との戦闘や、制限時間内でのクリアなど、さまざまなトライアルに挑戦する10個のステージマップに挑戦できるという。また新たな実績/トロフィーや、オンラインでのスコアボードなども追加されるとのことだ。このDLCは、日本でもPS3版が600円、Xbox 360版が400MSPで配信される予定になっているが、日本での配信時期は現在のところ未定だ。
(参考サイト:ベセスダ・ソフトワークス アメリカ公式ブログ)
スナイパーライフルによる遠距離からの狙撃に特化したFPSとして話題を呼んだ『スナイパー ゴーストウォリアー』。その続編として海外では2013年1月に発売が予定されている『スナイパー ゴーストウォリアー2』の最新プレイ映像が公開された。
この映像を見ると、市街地やジャングル、そしてアジア風の建物が存在する山間部など、さまざまなロケーションを舞台にした狙撃ミッションが用意されているようだ。また、狙撃ポイント確保のために敵兵士を至近距離で暗殺するシチュエーションも登場している他、映像の最後ではクリティカルな狙撃を演出する“バレットカメラ”の表現も見ることができる。本作は、日本でもPS3/Xbox 360/PC用ソフトとして2013年に発売される予定だ。
(参考サイト:『スナイパー ゴーストウォリアー2』公式ゲームプレイ ティーザー(※リンク先はYouTube))
アメリカの熱狂的なメガドライブファンによって制作され、2010年に非公式ながらメガドライブ用のROMカートリッジソフトとして発売されたRPG『ピエアーソーラー』。本作をHDリマスター化した『ピエアーソーラーHD』をXbox 360やPCなどで発売するという計画が、このコーナーですっかりおなじみとなったソーシャル資金調達サイト“キックスターター”に登場した。
……と、ここまでならまだ、最近のインディーズゲームでは比較的よく聞く話なのだが、この作品が順調に出資額を集めた結果、なんと日本語テキストの収録が確定したという! 初期の『ドラクエ』や『FF』を彷彿とさせるクラシックなスタイルのRPGが、海外から日本語で登場するというのは、日本のゲームファンにとってはかなりの驚きだ。本作はこちらも非公式ながら、ドリームキャスト用ソフトとしての開発も予定されている。この作品が日本でどう受け入れられるのか、今からリリースが楽しみだ。
(参考サイト:キックスターター“ピエアーソーラーHD”)
“MoMA”の愛称で日本でもその名を知られるモダンアートの殿堂・ニューヨーク近代美術館が子ども文化を題材にしたこの夏の企画展でビデオゲームを展示したことは、以前のこのコーナーでお伝えした。
そしてこのほど、ビデオゲームを同館の“パーマネント・コレクション”――つまり正式な永久収蔵作品としてコレクションすることを決定。その第1弾として14タイトルを2013年春から同館のギャラリーに展示すると発表した。その中で日本の作品からは、『パックマン』『ビブリオン』『塊魂』が選ばれている。
他にも『テトリス』『アウターワールド』といった古典的名作から『EVE Online』といったMMORPGまで、多岐にわたるゲームが選ばれている。また今後の収蔵予定には『マリオ』『ゼルダ』『ストII』はもちろん、『ポン』から『マインクラフト』にいたるまで、ビデオゲームの歴史を物語るタイトルがズラリと挙げられている。いずれにしても、ビデオゲームの美術的価値が公に認められた、画期的な出来事と言えるだろう。
(参考サイト:ニューヨーク近代美術館公式ブログ)
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