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2012年12月21日(金)

「僕のカードゲーム人生の尊敬の対象です」ブシロード・木谷社長他『モンスター・コレクションTCG』関係者へのインタビューをお届け!

文:さくたろう

■ブシロードから『モンコレ』が発売されて……

――『モンコレ』がブシロードから発売されて、1年以上が経過しましたが、この1年を振り返ってみていかがですか?

加藤:カードを作る速度が、これまでの倍になったんですよね。それだけ、この1年は特に濃厚でした。これまでは、今で言う1ブロック分を1年で作ってきたのですが、それが半年ごとに作るようになっていて、今はブロック3なので、気分は3年やっている感じです。

小笠原:『モンコレ』の最初は、カードを1,000枚作るのに3年かかってたからね。

加藤:あれは熟成させるのにかかった時間で、実際はそんなにかかってませんよ(笑)。

杉浦:今までの『モンコレ』になかった“ブロック制”というレギュレーションをはじめ、整った環境になってきたなという印象です。それと公式サイトがとても充実していて、昔自分たちが作業していたころのサイトとは大違いだなと(笑)。

小笠原:私自身は最近編集の現場を離れているので、この1年はあくまでも編集部のサポートを行なっている感じですね。でき上がってきた小説やリプレイはチェックするのですが、『モンコレ』に関しては稲垣にすべてまかせてあります。

稲垣:ふらりと現れてカードを見ては、このイラストはイイねと言って去っていきますよね(笑)。

小笠原:でも、今日久々に『モンコレ』をプレイして思ったけど、固定ダメージが増えたよね。10ダメージとか20ダメージとか、以前はほとんど見なかったと思う。

杉浦:以前は“死亡する”と書かれていた効果が、今は20ダメージに置き換わったような感じなんです。

小笠原:20ダメージがばんばん飛んできて、今はどんな環境なんだと思ったよ(笑)。

加藤:でも《ジャスティス》は今も2ダメージですよ。そのうち上げようと思っていますけど(笑)。

『モンスター・コレクションTCG』

――稲垣さんはどうでしょう?

稲垣:今の『モンコレ』が、これまでの慣習的な部分もあったルールからシェイプアップできたのは、ブシロードさんのアドバイスのおかげだと思っています。これから、グループSNEさんとブシロードさんとの三人四脚で、もっと『モンコレ』をおもしろくしていきたいなと思っています。

――『モンコレ』は世界観も魅力ですが、小説やそれ以外の形でその物語が発表されたりはしないのでしょうか。

稲垣:今は小説展開が難しいのですが、展開中のソーシャルゲームであったりとか、カード以外の別の商品にミニストーリーを掲載してみたりだとか、なんらかの形で『モンコレ』の物語は補完していきたいと考えています。

加藤:皆さん、応援してください! グループSNEとしては、カードセットごとにストーリーがあるので、どんな形でもやれますから(笑)。

――昨年から『モンコレ』の販売元がブロッコリーからブシロードさんに変わり、“イニシアチブ対抗”や“破棄”などの効果がなくなりましたが、これはどのような経緯で?

加藤:一部の効果に関してはブシロードさんからのアドバイスもあったんですが、実は僕自身もそれらをずっと削りたいと思っていました。『モンコレ』の最初のころって、思いついたアイデアを全部詰め込んでいったんです。それでカードの種類や独特な効果が満載になって、新しいユーザーが入ってこられない状況になっていたんですね。

 そういった背景もあり、これはいらないんじゃないかなという部分を、ブシロードの(初代『モンコレ』プロデューサーの)大河内さんと相談しながらシェイプアップしていったんです。ただ、現在はブロック単位で要素を変えているので、ブロックが進めば“イニシアチブ対抗”のような効果を出したりとかするかもしれませんね。

杉浦:ダイスを振って決めるイシニアチブのランダムさを、今は残しておきたいというところもありますね。イニシアチブが同じになって、初心者が上級者を同時攻撃で倒してみたりとか、そういう運の要素を少しでも残せたらなと。

加藤:ちなみに“破棄”をなくしたのは、耐性を持っている場合にその効果が効くのかどうかがわかりにくかったと感じたところもあったからなんです。あとは大型ユニットの価値を高めたいというのも、“破棄”をなくした一因だったりします。今は20ダメージ=“破棄”という意味合いですが、稀(まれ)に20ダメージを耐えられる大型ユニットもいるので(笑)。

小笠原:さっきプレイしていたら、24ダメージを耐えたよ(笑)。

加藤:本当ですか(笑)。それと、レベルを変更したり防御力を下げたりといった要素もわかりにくいと感じていたので、現状は外していますね。でも、わかりやすい形にまとめることができたのなら、復活させてもいいのかなとは思っています。

――現在ブロック1~ブロック3まで登場していますが、改めてブロックごとのコンセプトを教えてください。

加藤:ブロック1はオーソドックスというか、余分な部分をなくして、プレーンな状態にしたものですね。

稲垣:日本よ、これが『モンコレ』だ! みたいな感じですよね(笑)。

杉浦:登場するユニットのチョイスも、できるだけメジャーなものを入れるようにしました。

加藤:あと、PVに出てきたユニットはできるだけ入れるようにしましたね。《七つの海の王子》とかがブロック1に登場したのは、それが理由だったりします(笑)。ブロック2は“弱点”を入れて、コンボ性が高まるように意識しました。それとブロック2には“魔法弾”も入っていますが、これは昔あった“タイプ:弓矢”を復活させようとした結果のものになります。これはテストプレイをずっと続けていたんですが、そのままの形だとどうしても強すぎたので、今の形へと落ち着きました。

 ブロック3は装備品を外して、“リチュアル”という要素を入れたことです。“リチュアル”も、昔の“儀式スペル”のように《ストーン・サークル》を配置することを考えたり、ユニット自体に《ストーン・サークル》のような効果を持たせたりとかもしましたが、テストプレイを重ねた結果、今のような形になりました。

――ブロック4に“リチュアル”が入ってきたりとか、そういうことはないのでしょうか?

加藤:そうですね。今のところ、しばらくはやらなくてもいいかなと。稲垣さんはどんな要素を入れてみたいと思います?

稲垣:『モンコレ』は属性もおもしろい要素の1つなので、属性に注目したブロックというのも遊んでみたいですね。自分自身、ブロックが進むごとにおもしろさが増していっているのは感じています。特にブロック3の“リチュアル”は個人的にもすごくお気に入りですね。“儀式地形”も好きだったんですが。それよりもアップデートされている感じがして、いちユーザーとしても楽しんで使っていますね。

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→『モンコレ』合宿の感想や
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