2012年12月21日(金)
ここまで『龍が如く5』の主な概要を述べてきましたが……実は本作の真骨頂ともいえる要素は、秋山以外の4人の主人公に存在する“アナザードラマ”だったりします。この“アナザードラマ”は、いわば本筋とは異なるもう1つのストーリーで、ゲーム性自体も本編のアクションとはまったく異なります。
イメージとしては従来のサブストーリーとオリジナルゲームが合体し、それが連続かつ大ボリュームになっているというのが一番近いでしょうか。これがホントにおもしろく、しかもまったく違うゲーム性ながら、それがキチンと『龍が如く』らしくまとめられているのがスゴイところ。各主人公のアナザードラマは以下のような感じです。
タクシードライバーとして暮らす桐生一馬のアナザードラマ。通常のタクシー業務を体験できる“送迎ミッション”と、ある経緯で走り屋集団デビルキラーとレース対決をすることになる“レースミッション”の2つに分かれます。
前者の送迎ミッションは、交通ルールを守りつつ、制限時間内にお客さんを目的地に届けるもので、いわば交通ルールを遵守した“クレイジーでないタクシー(笑)”だと思っていただければ。うっかりウィンカーを出し忘れたり、いきなり飛び出してくる歩行者の怖さをイヤというほど感じられたりして、ある意味実際の自動車運転のシミュレーションにもなりそう。また運転なしで、個性的なお客さんとの会話を選択していくミッションもあったりします。
▲プレイしていると妙にハマってしまう送迎ミッション。交通ルールをいかに遵守したかに応じてスコアが変化していく。 |
後者のレースミッションでは、文字通り高速道路で相手とレース対決をすることになるのですが、かなりぶっ飛んだ必殺技“爆走ヒートアクション”があったり、ポイントをためて愛車をカスタマイズすることで飛躍的にスピード&ハンドリングが向上したりするので、レースゲームがあまり得意でない人でも十分楽しめるはず。なお、アナザードラマの過程で描かれるある人物の過去はかなりグッときます……。
▲コースの特定のポイントで発動できる“爆走ヒートアクション”。ケンカだけでなく、レースでも桐生は人間業を超越! |
事件の真実を知るため刑務所を脱出することになり、その途中の雪山で遭難する冴島。そこで彼は奥寺と名乗るマタギ(猟師)に助けられ、彼の恩義に報いるために自らも狩猟をすることなります。
▲冴島を助けた男・奥寺。巨大熊・ヤマオロシを追う彼に接するうちに、冴島は彼の暮らす集落の過去を巡る謎にも迫っていく。 |
このアナザードラマでは、厳しい自然の中で猟銃と罠を駆使して獲物を捕まえていくのですが、とにかく熊の恐怖がハンパない! 相手に気付かれないように仕留められれば問題ないのですが、一度弾をはずしてしまうと、こちらに襲いかかってくる熊の攻撃を避けつつ頭部を撃って熊を仕留めなければならず、その緊張感は“ヤクザ10人を相手にしたほうがまだマシ”と思えるほど。
▲対峙して初めてわかる熊の恐怖! 一度狙われたら逃げることもままならない……。 |
ちなみにこのアナザードラマは獲物の肉や毛皮を売ることで、かなりの大金を稼げるのも特徴です。ひと通りのミッションをこなすだけでも、冴島編ではお金に困ることはないので、以降のストーリーを楽に進めたい人はしっかりプレイするのがオススメです(自分の場合、下山する時には手元に130万もの大金が!)。なお、ドラマを進めることで、やがて“狩猟と殺戮”のタイトルの意味と重さも判明していきます。
(C)SEGA
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