2012年12月17日(月)
――『ぷちます!』のプロデューサーを初めて見た時、どんな印象を受けましたか?
間島:「なんじゃこりゃ……」ですよね。人なのかなんなのか、というところから。一番最初に、音響監督さんから「身体は人間なんだけど、顔はプラスチックみたいなものかな」と不思議なことを言われて。それをどう芝居に汲(く)んだらいいんだと(笑)。
中村:素材の話なんだ(笑)。乾き目の声で演じるとか? ちなみに私は最初、ダンボールだと思ったんですよね。実際にダンボールでPの頭を作って、イベントに来る方がいるぐらいの人気キャラですよね。それがプラスチックって聞いて、衝撃でした……。
――実際どうかは、明音さんだけが知ってる秘密かもしれません(笑)。このキャラを、どう演じようと考えましたか?
間島:原作がコメディなので、とにかく「おもしろくなるようにやろう」という意識はありました。それ以上深くは考え過ぎないようにしましたね。見た目だけでも、十分にダイナミックじゃないですか。なんなのかよくわからないという。だからこそ、自分が出したものが正解なのかなって。大きく外していなければ、おもしろければOKという印象があったので、やりやすかったですね。
中村:出たとこ勝負みたいな! でも「おもしろければOK!」という雰囲気は、アフレコ現場全体に言えることですよね。キャストのみんなが感じていることかも。
間島:表情が絵にないので、僕が声で乗っけないと色がつかないわけで。派手目に感情を出すように意識しました。とにかく演じていて楽しい役ですね。
――そのプロデューサーの声を聞いた中村さんの感想は?
中村:一緒に収録していてツラかったですね(笑)。笑っちゃうから。別に録っていてほしいぐらいで。すごいツボです。まだ一緒に収録するシーンがそんなにないので助かっていますけど。第0話の最後、いおのビームに飛ばされて「ああっ!」っていう声だけでも笑っちゃって。
間島:あの場面、台本上はセリフが書いてなくて。ト書きのほうに「プロデューサーが吹き飛ぶ」って書いてあって「これはアドリブ入れるのかな……」と。でも、初めて彼が出てくるシーンなので、キャラを見せておいたほうがいいんだよなって思って、わざと強めに、コメディのニュアンスを出してみました。
――ゲームやドラマCD、アニメなどに登場した、他のプロデューサーと比べてどうでしょう?
中村:近所のお兄さん、イジれる人っていう印象です。それが今までのプロデューサーさんとぜんぜん違う。今までは二人三脚、アイドルのパートナーという印象だったのが「おもしろいの見つけた!」みたいな感覚が自分にはあって。それが少しだけ、『ぷちます!』の春香にもフィードバックされていますね。「アイドルとしてがんばろう!」という純粋な春香とも違って、コメディの味付けが強くなっているかも。
――実際に演じてみて、どうでした?
間島:すごく楽しかったですね。味付けも僕次第な部分もあって、任せていただけているのもうれしいですよ。ちゃんとした表情や背景があるキャラを演じる時は、「この時の感情はこうだから」と直されることが多いんですけど、このプロデューサーに関しては、制作側の意向はもちろんあるんですけど、僕がやったものに対して「そうそう」って言ってもらえることが多くて、すごくやりやすい。まずは思ったものをパーンと出せば、それが正解みたいな。
中村:美希とあふぅとプロデューサーさんのお話の時、私は出番がなかったのでブースの外で、収録の音声を聴きながら映像を見ていたんです。そうしたら、「超おもしろい!」ってファンの人の感覚で思えました!!
――中村さんは、春香やはるかさんを演じていて、苦労していることはありますか?
中村:はるかさんを増やしていく時に、自分の中で「1、2……」って数えながら少しずつ変えて演じてみたんですけど、それが伝わりづらいなって(苦笑)。まだまだ研究のしがいがあるキャラだなーって思っています。『ぷちます!』の収録って「箸が転がってもおもしろい」みたいな感覚になってしまって、ただ「かっかかっか」言ってるだけなのに、だんだんリズムにノッてしまって。ちょっと笑いそうになってしまう、自分との戦いですね。
――はるかさんが初登場する無人島のお話は、伊織もイイ味出していますよね。
中村:あれ楽しいですよね~。伊織が「キャーッ!」っていうところ、早く見たいです。典型的なギャグの作りですよね。伊織がツンデレを通り越して、ツンギレみたいになっているのにカワイイという。はるかさんといえば“あんこく化”も楽しみで、ドラマCDでも演じたんですけど、超楽しかったです! 早くもう1度アニメでも見たい。動きがどうなるのか。
――演じる時に気をつけていることは?
中村:何も考えないようにしていますね。私、この作品がすごい好きなので。読んでいる時のリラックスした感じそのままで。この感じたままの音って、「よし、やるぞ!」って意気込んじゃうと、収録現場ではなかなか出せないので。すごいリラックスしてやるようにしていますね。さっき間島くんが言った「出たとこ勝負」……あ、これ私が言ったんだっけ。
間島:なすりつけないで!
中村:(笑)。最初にパッと思ったままをバッとやる、その気持ちですね。あまり予習をし過ぎない。
――間島さんは、皆さんの演技で笑いそうになりましたか?
間島:僕のイメージでは、もっとぷちどるはカワイイものだと思っていたんです。でも、誰も直球のかわいさでは演じてないじゃないですか(苦笑)。そこに素直に向かわないお芝居を皆さんがするので、特殊な作品だなぁって。でも、仕上がりがとてもかわいく見えるのが不思議ですね。
中村:平田(宏美)さんが演じるまこちーは、すごいカワイイ声で「まきょ」ってやってるじゃん。
間島:いや、でも平田がやってると思うと(笑)。だんだん、みんなが「こんな引き出しも持ってますよ!」っていう隠し芸大会みたいになっていますよね。
中村:「いろんなボイスサンプル録ってます」みたいな感じだよね。やよの「うっうー」とか。
間島:あの抜けていくやつね。あれはヤバイ(笑)。ある意味、キャラが立っている。
中村:やよいが全力で「うっうー!」って元気よくやってしまっているから、それとギャップを出して「そっちに行ったか!」と思いました。あれが逆にカワイイですね。
――今後、プロデューサーをどう演じていきたいですか?
間島:おもしろくなるための振り幅としてなら、カッコイイ演じ方があってもいいかもしれませんね。このコンテンツは、『アイマス』の中でも「おもしろくてナンボ」なのかなと思っているので。僕が『ぷちます!』のプロデューサーに選ばれたのも、そういう意図があってのことなのかなって。
――中村さんは間島さんのプロデューサーに対して期待していることは?
中村:健やかに元気にすくすくと育ってほしいです!!
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