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2012年12月22日(土)

【Spot the 電撃文庫】黒いサンタは夢もアソコもアツくする! 『ブラックサンタとレインディア』泉谷一樹先生にインタビュー

文:電撃オンライン

 電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。第63回となる今回は、『ブラックサンタとレインディア』を執筆した泉谷一樹先生のインタビューを掲載する。

『ブラックサンタとレインディア』
▲白味噌先生が描く『ブラックサンタとレインディア』の表紙イラスト。

 本作は、多色多彩なサンタが住む世界“サンクラウス”を舞台に、現実世界へ行くために戦うサンタの姿を描いたおバカでシュールなバトルコメディ。

優勝すれば現実世界への道が開けるという武闘会“ホーリーズ・ナイツ”が行われるこの世界で常勝の赤サンタを倒すべく、黒サンタ代表の少年・ノエルが立ち上がる! 武闘会に備えて、サンタのパートナーであるレインディア(トナカイ)を召喚するノエルだったが……現れたのは全身タイツのかわいい女の子!? しかも、なぜか立場が入れ替わってしまい、ノエルはダサいタイツを切る羽目に……。前途多難なノエルは、サンタとして現実世界へ行く権利を得ることができるのか!?

 泉谷先生には、本作のセールスポイントや今後、どういった作品を発表していきたいかなどを語っていただいた。また、電撃文庫 新作紹介ページでは、本作の内容を少しだけ立ち読みできるようになっている。まだ読んでいない人はこちらもあわせてご覧あれ。

――この作品を書いたキッカケを教えてください。

 TVでサンタクロースの大会の番組が流れていまして、もしサンタを含めてすべてスタイリッシュにしたらどうなるんだろうとぼんやり考えたのが始まりです。そこから二転三転して、完成した時にはなぜかスタイリッシュが全身タイツに変わっていました(汗)

――作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?

 サンタの主人公が、レインディア(トナカイ)の全身タイツを着てサンタの大会に出場しなければならなくなる、というお話なのですが、なんと言ってもその“全身タイツ”ですね。そして、赤、青、黄色、黒などさまざまな色のサンタが存在し競い合っている世界観です。

――作品を書くうえで悩んだところは?

 このお話の題材は“サンタ”なのですが、個人的にサンタから連想されるイメージって、すごくまろやかでメルヘンなものでしたので、それをいかに電撃文庫の読者様に喜んでいただけるようなエンターテイメントに持っていくか、というところにかなり頭を抱えました。

――執筆にかかった期間はどれくらいですか?

 長いようで短かった、という感覚ですね。というのも自分は作品を書く時、“企画(アイディア・設定・キャラ・ストーリー概要)を練る”→“プロット(細かいストーリー)を考える”→“原稿執筆”と段階を踏むのですが、自分で書くと決めた“サンタ”という題材に難航し、企画・プロットの段階でなかなか担当さんからOKがもらえず、何度も何度も1から考え直し、書き直しました。それに約1年半(根気強く何度も打ち合わせしてくださいました担当さんに感謝感激です)。

 それからようやくOKをいただき、念願の原稿執筆までこぎ着けたのですが、1年半以上ずっと企画・プロットを書いていたので、プチスランプに陥り3週間ほとんど書けませんでした。

 サンタものですので、12月の発売に絶対に間に合わせたい! 担当さんに発破をかけていただいたのと、その強い想いから、プチスランプなんて言ってられねェええええと奮起し、10日で初稿を書き上げ、2~3週間で修正しました。

 体感的には、原稿に入るまでが長く険しく、原稿に入ってからはあっという間、という感覚でした。

――執筆中に起きた印象的な出来事はありますか?

 原稿の加筆・修正作業に追われている時のことです。原稿のスケジュールがとてつもなくカツカツ状態になっており(自分のせい)、真夜中に加筆・修正した原稿を担当さんに提出しました。迫りくるデッドライン(完全締切)を考えたら休む時間なんてなかったのですが、担当さんからの返事を待つ間は一休みしようと横になったその小1時間後に、携帯に着信が。担当さんからです。

 飛び起きて電話に出たのですが、眠さから呂律が回らず、また電話の向こうの担当さんもかなり眠そうで自分以上に呂律が回っていませんでした。お互い眠気で呂律と頭が回らない状態の中、約5時間の打ち合わせ……気付いたら陽が昇っていていました。

 担当さんが、自分に修正の時間を少しでも長く与えようと必死に頑張ってくれているのが伝わって、その時に「この作品は1人で作っているのではないんだな」と深く感じました。……あと、ちょっと失礼かもしれませんが、呂律の回らない担当さんに萌えました(笑)。

――主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。

 作品づくりの醍醐味でもあるのですが、企画・プロットで考えていたキャラクターが、実際に原稿に書いてみると全然違う性格だったりして、それに伴ってストーリーもガラっと変わったりするので、奥が深いなとしみじみ思います。

――小説を書く時に、特にこだわっているところはどこですか?

 アイデアのインパクトと、おもしろそうと思ってもらえるようなキャッチーさには特に力を入れています。文章では、リズム感と、読みやすさを意識しています。

――アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?

 自分は書いてみたいなと思ったアイデアを、1度企画書にまとめてから周りの人に意見をもらったり客観的に見たりしています。そうすることでよりよいアイデアが生まれて出てくると考えています。

――小説を書こうと思ったキッカケはなんですか?

 小学生の時に海外のファンタジー小説にハマってからたびたび自分も書いてみたいなと思っていました。そして、高校生の時にライトノベルの存在を知り、その時携帯でブログを作るのが流行っていて、自分のブログを作った時に軽く冒頭だけ書いたものを載せてみました。

 その冒頭だけの小説に、友人が続きを楽しみにしているとコメントをくれて、それに気をよくした自分は「ちょっとずつ掲載するより、始まりから終わりまで全部書いてから載せた方が喜んでくれるんじゃないか?」と考えその日から本格的に小説を書き始めました。

 その小説を書いている途中、ライトノベルの一番後ろにいつも書いてある新人賞の募集を思い出した自分は今度はこういうことを考えました。「せっかく苦労して小説を書くなら、賞に送った方がいいよなぁ」と。賞に向けて小説を書く中で、自分の世界を形にしていく楽しさを知って本格的にプロの作家になろうと志すようになりました。

――初の商業作品というところで、その感想は?

 たくさんの人が全身タイツ……もとい『ブラックサンタとレインディア』に尽力してくださり、作品は1人で作っているのではないのだなと感じました。また読者様から貴重なお金をいただくというところで、とてもとても責任を感じました。楽しんでいただきたい、満足していただきたい、その想いで一生懸命頑張りました。

――今後、どういった作品を発表していきたいですか?

 読者様に満足してもらえる、楽しんでもらえるというのを第一に、様々な題材、アイディア、ストーリーに挑戦したいなと思っています。

――ゲームで熱中しているものがあれば教えてください。

 今はこれと言って特にないのですが、新作の『とびだせ どうぶつの森』がやりたいなと思いました。しかし3DSを持っていないので断念しました。が、ボディブローはジワジワと効いてくると言いますが、まさにそんか感じでジワジワとやりたい衝動が大きくなっていますので、きっと近々『どうぶつの森』でリア充として君臨することになるでしょう(予言)。

――それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。

 サンタの概念をひっくり返した(ぶち壊した)ようなお話です。これを読んでシュールに熱くクリスマスを盛り上げましょう! もちろん、クリスマスを過ぎても一年中シュールで熱いです!

(C)泉谷一樹/AMW
イラスト:白味噌

データ

▼『ブラックサンタとレインディア』
■発行:アスキー・メディアワークス
■発売日:2012年12月10日
■価格:599円(税込)
 
■『ブラックサンタとレインディア』の購入はこちら
Amazon.co.jp

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