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2013年1月24日(木)

新規層の取り込みとダンジョンRPGとしてのおもしろさの両立……この難題に挑む『デモンゲイズ』の開発裏話を聞いてみた

文:megane

■レゼルムは『めぞん一刻』で言う四谷さんポジション

――ここからは本作についてお2人の好みなどについてお聞きしていきます。まずはお気に入りのキャラクターを教えてください。

千頭:私はレゼルムですね。本作に登場する竜姫亭は『めぞん一刻』のような他者との共同生活をモチーフにしていますが、レゼルムは『めぞん一刻』における四谷さんのポジションにあたります。シナリオライターさんに聞くとレゼルムが一番深く頭の中で考えたキャラクターのようですね。

▲竜姫亭で道具屋を営むエルフのレゼルム・ランティール。

安宅:オチ担当になることが多いんで、大事なキャラクターではありますね。

千頭:それに、ああ見えて結構悪人ですからね。計算高くて、あまりイイ事はしていない(笑)。

安宅:自分は人間びいきなので、イイキャラクターが結構好きなんですよ。その中で言うとカッスルですね。すごくいいヤツですし、バックボーンもしっかりしている。竜姫亭の中で友達になってもいいかな、と思えるキャラクターですね。

▲竜姫亭で武器屋を営むヒューマンのカッスル・グロンダイク。

 あと脇役で傭兵のパッツというのがいるんですが、それがまた泣けるエピソードを持っているんですよ。

――実際にどういうエピソードなのかはプレイしてみてのお楽しみということですね。

■アサシンはこれまでの作品にないジョブなのでぜひ選んでみてほしい

――続いて、お2人が好きなジョブやオススメしたいパーティ構成を教えてください。

千頭:オススメなのは、ゲーム中で最初からオススメされるパーティ構成(パラディン→ヒーラー→ウィザード→ファイター)ですね。

安宅:鉄板ですね。私はこのパーティで滞りなく進行できるか、ずーっと調整するのが仕事だったんですよ(笑)。

▲最初に勧められるジョブがパラディン。▲次にヒーラー。
▲3番目はウィザード。▲最後はファイターを勧められる。

千頭:個人的にお気に入りのジョブはレンジャー(アーチャー)ですね。『ウィザードリィエクス』時代から、うちのタイトルをプレイする時は必ずアーチャーを入れています。

安宅:今回オススメなのはアサシンなんですよ。これまでのタイトルにあったジョブと比べると新職業と言ってもいいくらいです。

千頭:アサシンは本当は『円卓の生徒』に入れようとしたジョブだったんですよね。いろいろあってなくなってしまいましたけど。当時は銀髪で赤銅色の猫耳アサシンでした。

安宅:アサシンは、どう使っていくかというのを考えるのが非常に楽しいジョブなんです。ダンジョンRPGファンの方はぜひ一度試してみてほしいですね。スキルにある“クロスフィックス”(発動ターンと次ターンの間敵の動きを止める)も強いですよ。ザコだけでなくボスにも結構決まるので、それでパーティが生き延びたなんていう状況もよくあります。

――スキルの話が出てきましたので、今度は取っておくと便利になる神器などを教えてもらえますか?

安宅:パーティ構成にもよると思いますが、パラディンがパーティにいないのなら、“ディボーション”(敵の攻撃を自分に引き付ける)は取っておいた方がいいですね。あとは“ホーリーシールド”(敵の攻撃から仲間を守る障壁を作る)。これがあると守りはかなり強くなりますからね。

千頭:主人公のデモンゲイザーが持つ“ゲイザーハート(デモンゲージを回復)”もオススメですね。強いボスと戦っている時って、だいたいゲイザーがいっぱいいっぱいで手が回らないんですよね。そこでちょっと隙ができるキャラクターにこれを持たせて、デモンゲージを保ってもらうといった使い方ができます。

安宅:デモンスキルが命綱になっているようなパーティだと、デモンゲージの有無は死活問題ですからね。パーティ構成にもよりますが、殴り主体のパーティならゲージが余りまくっている状況でしょうが、守り主体だとどうしても足りなくなってくる感じですね。

■意地悪を極力廃するように心がけたマップデザイン

――今回、これまでの作品と比べてマップが素直になったような気がしますが、マップを作られている方が変わったのでしょうか?

安宅:いや、マップデザインはこれまでと同じプランナー陣で作成しています。ただし、今回は幅広い層にプレイしてもらうということで、意地悪なマップにするのは極力やめようというふうにしているんです。ダンジョンRPGを初めて遊ぶのに、意地悪なことをされてうれしい人というのはごく稀だと思うんですよね。ただし、徐々に敵も強くなっていき、マップの広さも深さも上がっていくというのは今まで通りですね。

千頭:今回はオートマップもついているので、場所さえわかればそこに行けるというのも、素直に感じるところかもしれませんね。

安宅:オートマップはすさまじい機能ですよ。制作者としてはやってはいけない機能をつけているんではないか、という一線を感じますね。

千頭:なので制約として、回転床や自動床では止まるようにしてあります。最低限の障害は自分で越えてもらうという感じですね。

――ちなみにマップといえば、今回も伝統とも言える魔法禁止の水中フロアが存在しますよね。水中フロアってユーザーからはどういう評判なのでしょうか?

安宅:ユーザーからは両方の意見がありますね。1つは水中フロアがちょくちょく出てくると魔法が使えなくなるし、窮屈に感じるのでやめて欲しいという声。もう1つはこういう制限のあるマップもないと平坦でおもしろくないという声です。

千頭:水中になると後衛が役立ちにくくなるので嫌だ、という声はよく聞きます。ウィザードはウィザーボルトがメインになってしまいますし、回復もアイテム頼みになる。

安宅:多用はせずにアクセントとして使うのがいいのかなと思います。

――話は変わりますが、本日発表されたダウンロードコンテンツ(DLC)について教えてください。

千頭:ユーザーさんからNPCをパーティに入れられるようにして欲しいといった声が上がっていましたので、発売同日となる本日、フランとピーネ、プロメスを連れていけるDLCを発表させていただきました。

今後のエクスペリエンスはより幅広い事業展開を予定?→(4ページ目へ)

(C)2013 KADOKAWA GAMES / Experience

データ

▼『デモンゲイズ』 ダウンロード版
■メーカー:角川ゲームス
■対応機種:PS Vita
■ジャンル:RPG
■発売日:2013年1月24日
■価格:5,040円(税込)

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