News

2013年2月7日(木)

目指したのは、1人でも楽しめるRPGのような格闘ACT! 本日発売『HEROES’ VS(ヒーローズバーサス)』開発者インタビュー

文:うま

■幻の連打システムとは? ボツネタについても聞いてみました!

――開発中に“このゲームはイケル!”と感じたタイミングや要素はどこですか?

武田:カードとアクションのバランスが取れ始めて、アクションだけでもカードだけでも勝てないというバランスに仕上がってきたころに、ゲームとしてのおもしろさが飛躍的に上がったと感じました。ちょうどそのあたりの時期で、キャラ同士の相性なんかも見えてきて、ものすごく手ごたえを感じましたね。

坂本:個人的には、シリーズ特性(詳細はこちらの記事を参照)が実現した時ですね。『ウルトラマン』『仮面ライダー』『ガンダム』と、それぞれが魅力的なシリーズなので、明確な特徴付けをしたいとは考えていたんですけど、なかなかピンとこなかったんですよ。最初はキャラクターごとに特性を持たせようとも思ったんですけど、個別の技のちょっとした違いのレベルになりがちだったので、もっと大胆な形で表現したいと思ったんです。

大塚:初期は、“リバイブバースト”や“ベルトフォース”、“覚醒”の各シリーズ特性しかなかったんですけど、「今回は、もっと突き抜けた感じにしたい!」と、坂本さんの背を押していきました(笑)。

坂本:おかげさまで、吹っ切れましたね(笑)。シリーズごとの特殊なアクションやシステムをがんがん盛り込んで、とにかくいろいろと突き抜けて作りました。それこそ、バグも恐れずに“おもしろさ重視”で作っていったので、本当に「これはおもしろいぞ!」と胸を張れる作品になりました。

大塚:自分の場合は、ゲームの“流れ”がイメージ通りになったと実感できた時に、あらためて「いけるな」と思いました。そもそも個人的には、“このゲームで、ぜひ対戦してほしい”という思いがあります。もちろん、ゲームのコンセプトとして、1人でじっくりと遊べることは重視していますが、やっぱり対戦ツールとしても、皆さんに楽しんでほしいんですよ。

 そんな前提がありつつ、本作には、“人と対戦したくなるモチベーション”がたくさん詰まっています。キャラクターの育成やカード収集といった部分もそうですけど、新しいカードが手に入って、新しい戦略を思いついた時に、「対人戦で、それを試してみたい!」と思えるような“流れ”を作りたいと考えていました。その“流れ”がうまく通しプレイで確認できた時に、自分としてはすごく手ごたえを感じました。

小菅:自分もやっぱり、“ソロプレイから対戦プレイへ”という流れの部分がうまくハマった時に手ごたえを感じましたね。1人用のRPGとしても、2人用の対戦ツールとしても成立するというバランスが実現できた時はうれしかったです。

  それと、キャラクターファンの視点で見た時には、声が入った時も「これはイケル!」と思いましたね(笑)。ボイス収録を終えてゲームに反映された時に、「やっぱり、声がつくと違うな!」と再認識しました。

――編集部でも、ボイス演出が入って喜ぶ人がたくさんいました!

小菅:格闘ACTというジャンルだけに、やっぱりボイスが入ってないと迫力がありませんから、絶対に実現したいと思ってました。『コンパチヒーロー』シリーズとしては初めての本格的なボイス演出となりますが、実現できてよかったと思います。

――ちなみに、残念ながらボツになったシステムやカードの効果などはありますか?

坂本:ほとんどないですね。と言うのも、今回の開発スタイルは“足し算”に近い形で、どんどんと新アイデアを盛り込んでいく形だったんですよ。削った部分はほとんどなくて、ひたすら要素を追加していく形でしたね。

武田:例えば、カードの効果も、最初はステータスアップを中心にしたオーソドックスな効果のものだったのが、特殊なアクションができるものが追加され、相手プレイヤーを妨害できるものが追加され……といった具合に、効果が増えていきました。

大塚:でも……ボツネタで思い当たるものに、“連打システム”がありましたね(笑)。

――連打ですか? どんな部分で使われていたのでしょうか。

坂本:いくつかの部分で、ボタンを連打することで有利になる仕組みを用意していたんですよ。例えば、“ジャッジメント”のカードバトルが苦手な人のために、ボタンを連打すると必殺技攻撃力が上がるといったシステムです。

大塚:“フィニッシュ必殺技”のデモ演出中に、当たったほうがボタンを連打すると、HPが少しずつ回復し、「もしかしたら生き残れるかもしれない」を演出するという仕組みもありました。

 ただ、実際に入れて遊んでみたんですけど、せっかく戦略を組んで頭脳戦に勝利しても、結局、連打に持ちこたえられてしまう結果となってしまったら、理不尽に感じるんじゃないかと。かといって、連打した際のメリットがあまりにも少ないものとなってしまうと、それはそれで誰もわざわざしないものとなってしまいます。そのあたりのバランスを考えつつ、“ジャッジメント”はあくまで頭脳戦であることを重視して、連打システムはボツにしました。

『HEROES’ VS(ヒーローズバーサス)』 『HEROES’ VS(ヒーローズバーサス)』
▲ボタン連打によるシステムは、主にカードバトルの“ジャッジメント”の部分で検討されていたそうだ。

→キャラクター選定の理由やストーリーの見どころも直撃!(3ページ目へ)

(C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映 (C)石森プロ・東映 (C)創通・サンライズ (C)創通・サンライズ・MBS (C)円谷プロ
※画面は開発中のもの。

データ

▼『HEROES’ VS(ヒーローズバーサス)』ダウンロード版
■メーカー:バンダイナムコゲームス
■対応機種:PSP(ダウンロード専用)
■ジャンル:ACT
■発売日:2013年2月7日
■価格:6,280円(税込)

関連サイト