2013年2月18日(月)
――本作はミステリー仕立ての作品ですが、先生はミステリーがお好きなんですか?
『少年探偵団』はお気に入りですね。何年か前に出た復刻版を読みました。それと、これはマンガですが『魔人探偵脳噛ネウロ』が今マイブームなんですよ。
――影響を受けた作品、創作を志すきっかけになった作品を教えてもらえますか?
J.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』。あれが好きなんですよ。創作を志すきっかけになったというわけではないんですが、考え方などに影響を受けていると思います。
――いつごろから創作活動を始めたんですか。
高校ぐらいの時にちょっと書き始めて、20歳ぐらいでいったんやめました。26歳ぐらいからもう1回始めて、それで10年近く経って賞をいただくことになりました。
――投稿はずっとされていたんですか?
まじめにやりだしたのは26歳を過ぎてからです。
――何か思うところがあったのですか?
ガソリンスタンドでバイトをしていたころで、「そろそろまじめに何かやらなくては……」と思いまして。それでもこうして賞をいただけたことはとてもうれしいです。次も頑張ろうと思います。
――次に何か控えてるんですか?
ええ。『エーコ』の続きが控えています。ネタを出すのに悩んでいるところです。
――なるほど。最初の作品が書店に並ぶ前から苦労しているんですね。
でも正直なところ、実際に店頭に並ぶまでは実感がわきませんね。本が出るということも、まだ誰にも言っていないですし。バレるまで待とうと思っています。
――周囲の方にも言っていないんですか!?
受賞の報告も携帯でしたし、実家とは離れてひとり暮らししているので。本が出るどころか、新人賞に応募していたことや、小説を書いていること自体秘密にしていました。今から言うとなると、ハードルが高いですね(笑)。
――そうなると、受賞したことを実感できるのは担当編集とのやり取りくらいということになるのでしょうか?
そうですね。担当さんとのやり取りのためにようやくネットを開通しました。アカウントの設定なども、担当さんに教えていただいたぐらいでして……。
――今は執筆などもPCでやっている感じですか?
執筆自体は元々PCでやっていたんですよ。ですから操作自体は普通にできます。でも、やはりネットは苦手ですね。
――最近ハマっていることはなんですか?
最近はDVD鑑賞ぐらいしか趣味がないですね(笑)。
――どんなDVDをご覧になるのですか?
いろいろなものを見ます。アニメや洋画など……最近だと『007 ダブル・オー・セブン』を見ました。特にこのジャンルが好き、というよりも気に入ったものを借りるみたいな感じですね。
――アニメもご覧になっているんですね。アニメだとどういうタイトルがお好きなんですか?
『ラストエグザイル ―銀翼のファム―』を見たんですけど、おもしろかったですね。
――そうしたDVDを見ているうちに、アイデアがわいてきたりするのでしょうか?
う~ん、アイデアがわいてくるのは散歩の時が多いですかね。他には車を運転している時にもアイデアが出てきます。ひらめいたら家に持ち帰って原稿にしたり、何かにメモしておいたりします。そうした時も、デジタルではなくアナログが多いです。そう言えば、担当さんにメモ書きした設定を送るためにスキャナーを使おうとしたのですが、これまた苦労しました。
――やっぱりアナログが落ち着きますか?
そうですね。担当さんには申し訳ないですが(笑)。
――いろいろな苦労を重ねたうえで、発売された『エーコと【トオル】と部活の時間。』ですが、続編についてはいかがですか?
現在頑張っているところです。……が、やっぱり大変ですね。
――どのあたりが大変ですか?
第1巻でもそうだったんですが、科学者や物理法則の話などを、物語に組み込んでいこうと思っているのですが、なかなか「これだ!」と思えるようなおもしろいエピソードを持った科学者が見つからず……。いるにはいるのですが、今ひとつ決め手に欠ける感じなんですよ。
――ちなみにどんな話なのかは……。
まだナイショということで。
――それでは、読める日を楽しみに待っています。今回は、エーコというちょっと変わった女の子を主人公にしたミステリー仕立ての作品になりましたが、他に書いてみたいジャンルなどはありますか?
高校生ぐらいの男の子を主人公にした作品を書いてみたいな、とは思いますね。
――ありがとうございます。それでは最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。
まだ、至らない点が多い僕とこの作品ですけど、よろしかったらお手に取って読んでくださるとうれしいです。どうぞよろしくお願いします。
(C)柳田狐狗狸/AMW
イラスト:MACCO
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