発売直前の『テイルズ オブ ハーツ R』プレイレポート！ プレイ中のストレスがないPS Vita史上最強クラスの遊びやすさに感服

文：電撃オンライン

　どうも、『テイルズ オブ』シリーズでは特に『テイルズ オブ ヴェスペリア』が大好きなライターのGo!!です。どちらかと言えば、キャラクターよりもバトルの楽しさやプレイアビリティの高さ、やり込み度の深さなどを重視するタイプです。

　今回、プレイレポートを掲載する『テイルズ オブ ハーツ R』は、”再構築（リ・イマジネーション）”シリーズなので、新システムや新キャラクターなど、“再構築されたポイント”を中心にレポートしていければと思います。

　と、その前に、再構築（リ・イマジネーション）シリーズについて少し紹介しておきます。このシリーズは、これまでに発売された『テイルズ オブ』の名作をシナリオ、システム、バトルなど、すべての要素についてフルリメイクして、ほぼ完全な新作として、再び世に送り出すというコンセプトのシリーズです。第1弾となるPS Vita版『テイルズ オブ イノセンス R』は、その大幅な進化で多くのファンを驚かせてくれました。今回も、その時の進化と同様、いやそれ以上の進化を遂げており、オリジナル版のファンも、プレイしたことのない人も、どちらも満足できる内容になっています。

　再構築元となるオリジナル版は、2008年12月、ニンテンドーDSで発売された『テイルズ オブ ハーツ』です。携帯機を超えたボリュームとクオリティ、そして心の出会いと成長を描いた奥深いストーリーで、多くのファンをつかみました。今もなおファンの多いこの作品が、5年の時を経てPS Vitaでよみがえります。

■主人公とヒロインの心の交流を描く物語……その物語の発端を紹介！

　まずは、本作の大きな魅力となるストーリーについて紹介します。主人公となるのは、辺境の村で祖父と一緒に暮らす、まっすぐでひたむきなスピリア（“心”のこと）を持つ少年シングです。剣の修行に明け暮れる彼は、初めて祖父から一本を取ったその日、褒美として神秘の武具“ソーマ”を譲り受けます。そして同日、シングは村の浜辺に流れ着いた少女コハクと出会うのです。彼女は、ソーマを求めてシングの祖父を訪ねてきたのでした。途中で合流したコハクの兄、ヒスイの2人を、ソーマのある祠へ案内したシング。そこで彼らは、インカローズと呼ばれる魔道士に襲われます。

　インカローズはコハクのスピリアに術をかけ、昏睡状態にしてしまいます。また、彼女を助けようとしたシングの祖父も重傷を負います。コハクを救うため、彼女のスピルメイズ（精神世界のこと）へスピルリンク（精神世界に入り込むこと）して直接昏睡の原因を倒そうとするシング。しかし、内部でリチアと呼ばれる謎の少女と出会った彼はついつい感情を暴走させ、コハクのスピルーン（感情）を砕け散らせてしまうのです。

▲コハクが浜辺に流れついた原因となったインカローズ。なぜコハクたちを狙っているのか、その目的については不明。彼女は今後の旅の中で、幾度となくシングたちの前に現れ、邪魔をしてくることになる。

　スピルーンが飛び散ったコハクは、笑いも怒りもしない、無感情のまるで人形のような状態になってしまいます。しかし、彼女にはたった1つの感情のみ残されていました。それは“優しさ”です。彼女の純粋な優しさに振れたシングは、飛び散ったスピルーンを集め、彼女の感情を元に戻すため、旅に出る決意を固めるのです。

　こうして始まるシングの旅。同行するのは、優しさ以外の感情を失ったコハクと、彼女を心配する兄、ヒスイ。もちろん、妹の心を破壊したシングを、ヒスイは信じようとしません。そんなギクシャクした状態から始まった旅の中で、シングは多くの人と出会い、心と心の交流を図っていくことになるのです。純粋な気持ちで人と接し、心でつながりあっていくシングの物語は、王道だけど、それだけに純粋な感動を生み出します。

　もちろん、恐怖、嫉妬、疑惑など、時には人の心の弱さや醜さなどにも踏み込んでいくこともあります。そうしたギャップや対比から生まれる緊張感も、物語の魅力と言えるでしょう。ただ、軽快なセリフ回しや個性的なキャラクター設定のおかげで、あまり深刻にならず楽しむことができますので安心してください。特に頻繁に発生するスキットでは、キャラクターたちのいろいろな面が見えて、見ているだけで楽しくなります。

●シング		●コハク		●ヒスイ
▲本作の主人公で、ひたむきで強いスピリアを秘めた少年（CV：柿原徹也）。		▲スピリアに宿る“彼女”の声に導かれ、ソーマを求めて兄のヒスイと旅をしている少女（CV：井上麻里奈）。		▲妹のコハクを守るため、彼女とともに旅をしている青年（CV：松風雅也）。

●ベリル		●イネス		●クンツァイト
▲宮廷画家を目指し、“未来の巨匠”を自称する女の子（CV：千葉紗子）。		▲運び屋“日々寧日”の社長。ソーマの代金がわりにシングとヒスイを行商に同行させ、従業員としてコキ使うことに（CV：伊藤静）。		▲帝国軍により密かに保管されてきた、古代に造られた機械の人間（CV：郷田ほづみ）。

■序盤から登場する新キャラクターのガラドに注目！

　再構築（リ・イマジネーション）により深みを増したストーリーにあわせ、本作では、元々NPCだったカルセドニーがパーティメンバーになった他、ガラドと呼ばれる新キャラクターが追加されました。オリジナル版にはいなかった渋いおっさんキャラクターですが、実は彼、物語のかなり序盤から登場するのです。しかも初登場時は、黄昏時の森の中で攻撃の効かない敵に出会ったシングたちを救ってくれます。

　再構築シリーズ第1弾である『テイルズ オブ イノセンス R』をプレイした人ならわかるでしょうが、実はこのシチュエーション、その時の新キャラクター、コンウェイが出てきた時の状況によく似ているのです。詳しくは実際にプレイしてのお楽しみですが、セリフなどから察するに、これはただのファンサービスとは思えません。本作でも、『テイルズ オブ イノセンス R』に登場した異世界トライバースとなんらかの関係があるとにらんでいます！

▲この道20年というベテランソーマ使いのガラド（CV：石川英郎）。コハクの状態を見抜き、彼女を心配して旅に加わる。その豊富な知識と経験で、シングたちを導いてくれることになりそうだ。

▲バレイア教会結晶騎士団の隊長であり、何度もシングの前に立ちはだかるカルセドニー（CV：神谷浩史）。DS版では仲間にならなかった彼も、本作ではパーティメンバーとして登場する。

→システム面はほぼ完全新作！　その再構築ポイントをチェック!!（2ページ目へ）

(C)いのまたむつみ
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データ

関連サイト

• 『テイルズ オブ ハーツ R』公式サイト
• 電撃オンライン内特集ページ“BNG祭 2013年春”