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2013年3月2日(土)

『機動戦士ガンダムUC episode 6“宇宙と地球と”』がPS Storeで配信開始! その見どころや裏話を小形プロデューサーに直撃!

文:てけおん

『機動戦士ガンダムUC』
▲小形尚弘プロデューサー。

 PlayStation Storeで配信中のアニメーション作品『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』。その最新話となるepisode 6“宇宙(そら)と地球(ほし)と”が配信開始されたことを記念して、小形尚弘プロデューサーへのインタビューをお届けする。

 『機動戦士ガンダムUC』は、福井晴敏さんの同名小説をアニメ化した作品。最新話となるepisode 6では、再び宇宙に上がったものの、《袖付き》と共同戦線を張ることになってしまったネェル・アーガマ隊の葛藤や、《袖付き》の首魁であるフル・フロンタルの酷薄な内面に触れてしまったバナージたちの心情などが描かれる。

 最終話となるepisode 7が2014年春に公開されることも発表され、クライマックスへ向けてさらに物語が加速する『機動戦士ガンダムUC』。そんな本作のプロデューサーであるサンライズの小形尚弘さんに、本作の制作秘話や、episode 6の見どころなどを伺った。

 またページの最後には、すぐにepisode 6を楽しみたい人に向けて、episode 1~5までのあらすじをまとめているので、そちらもチェックしてほしい。

■当時『機動戦士ガンダム』を見ていた世代に、再び『ガンダム』を■

――まずは小形プロデューサーが『機動戦士ガンダムUC』にかかわることになった経緯を教えてください。

 僕自身がプロデューサーになったのは、2006年に放送された『結界師』というアニメからでした。その時に直属の上司と、今後の1スタ(※サンライズ第1スタジオのこと。『機動戦士ガンダムUC』を制作している)のラインナップに関して話をして、その時上がった2作品のうち1つが、『機動戦士ガンダムUC』でした。

――『機動戦士ガンダムUC』のアニメというと、まず最初に小説のPVが公開されましたよね。

 そうですね。私が入った時期は、小説の連載がスタートして間もないころだったと思います。そして小説の第1巻、第2巻が同時に発売されることが決まって、それに合わせてPVを作ってほしいと依頼をされて、小説の販促用PVを制作しました。

 ただこのPVは、すでにメインスタッフの高橋久美子さん(※『機動戦士ガンダムUC』のアニメーションキャラクターデザイン担当)と玄馬宣彦さん(※『機動戦士ガンダムUC』のメカニカルデザイン担当)は決まっていたのですが、高橋さんがまだスタジオ入りしていない時期だったので、小説家の福井晴敏さんや玄馬さんと打ち合わせしつつPVを作っていきました。それと一緒に、PVでは本編を制作する際に試したいことを先にやってみようと実験的なことも挑戦してみました。

 PVでのユニコーンガンダムの変形は本編と違って手描きなんですが、モニターの表現方法などは玄馬さんのアイデアをもとに描いています。あと、最初の段階ではカットがそれほど多くないPVになる予定でしたが、最終的にはかなりふくらんじゃいました(笑)。

『機動戦士ガンダムUC』 『機動戦士ガンダムUC』 『機動戦士ガンダムUC』

――『ガンダム』シリーズにかかわってみて、“ガンダム”像のようなものはどう受け取りましたか?

 『機動戦士ガンダムUC』を制作してみて改めて思うのが、最初の『機動戦士ガンダム』がよくできているから、ここまでシリーズが続いているんだなということです。

――『機動戦士ガンダムUC』は2010年から公開が始まりましたが、その間に『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』が公開されたり、『機動戦士ガンダムAGE』がTV放送されたりしました。それらの作品と比較して、『機動戦士ガンダムUC』が特別にこだわっているところなどは?

 『ガンダム00』や『ガンダムAGE』は基本的にTVシリーズの作品で、幅の広いお客さんに見せていく作品だと思うんです。ですから、若い世代も見られる作品にしないといけないというのが、根本にはあると思います。でも『機動戦士ガンダムUC』を作るうえで一番意識しているのは――これは福井さん自身も小説を書かれる際に意識していたとのことなんですけど――『機動戦士ガンダム』は見ていたけど、今はサラリーマンになってアニメから離れた人たちに、もう一度「『ガンダム』って今でもやっているんだ」と興味を持ってもらえるような作品にしようということでした。

 『機動戦士ガンダムUC』は“宇宙世紀モノ”というのをすごく意識して制作にあたっています。多くの人に見てもらうTVシリーズの『ガンダム』とは違って、少し入り口のハードルは高いと思います。

――演出についてお聞きします。『機動戦士ガンダムUC』の演出では、スラスターの噴射光や“溜め”などが特徴的ですよね。

 そのあたりの部分は、古橋一浩監督や玄馬のこだわりです。『機動戦士ガンダムUC』の方向性としては、『機動戦士ガンダムSEED』以降のモビルスーツの動かし方というよりは、『機動戦士ガンダム』や『機動戦士Zガンダム』、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』などの作品の印象を意識しています。

 『SEED』以降は作業の環境がデジタルに切り替わっていったんですが、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』や『第08MS小隊』のころはまだセルの時代の作品で、このセル時代の撮影技術や透過光の雰囲気はデジタルのものとはまったく別なんです。これは玄馬さんからのアイデアだったのですが、『機動戦士ガンダムUC』では、スラスターやビームのエフェクトに関してもセル時代の雰囲気が出せるように開発しました。ここは『機動戦士ガンダムUC』でこだわっている部分ですね。

――作品のスタッフロールを見ると、“エフェクト作画監督”という役職の方もいらっしゃいますけど、この役職は他の作品ではほとんど見ないですよね。

 そこも『機動戦士ガンダムUC』ならではの役職ですね。ビームや爆発のエフェクトというのは、それぞれの作画の担当者まかせになることが多いんです。その場合、作画の人それぞれの味が出てくるので、それはそれでおもしろいんですが、『機動戦士ガンダムUC』の場合はそのあたりにもこだわっていて、爆発の見せ方であるとか、ビームの色や形であるとかをすべて統一しているんです。今までの『ガンダム』シリーズで、そこまでこだわってやっている作品ってほとんどないと思うんです。

――モビルスーツ戦闘の部分と爆発などのエフェクト部分で、作画される方が違うということでしょうか?

 いや、エフェクト自体はそれぞれの作画担当が描いていますが、それをエフェクト作画監督のSNIPESさんや玄馬さんに修正していただくということですね。フォーマット自体は決めているのですが、それでもたくさんの人に作画してもらうわけですから、その部分を統一するために、今回はエフェクト作画監督というものを導入しました。

――現状はepisode 6まで制作されましたが、ここまでお話いただいたような部分以外にも『機動戦士ガンダムUC』でこだわっている部分はありますか?

 これはシナリオの打ち合わせの段階からそうなんですが、“宇宙世紀のガンダムらしさ”に気をつけながらやっているところです。これは人それぞれで異なるものだと思いますが、セリフや科学考証などをメインスタッフの中で話し合っています。それとこの物語は『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』から3年後の物語なので、モビルスーツの配備や技術の部分などに関してもこだわっています。モビルスーツのデザイン自体は、カトキハジメさんがこれまでのモビルスーツから派生する形でデザインされているのですが、モビルスーツの動かし方や強度などは、劇中の時代に合うように描いているつもりです。

→アニメならではの物語の形を福井晴敏さんと作る(2ページ目へ)

(C)創通・サンライズ

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