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2013年3月2日(土)

『機動戦士ガンダムUC episode 6“宇宙と地球と”』がPS Storeで配信開始! その見どころや裏話を小形プロデューサーに直撃!

文:てけおん

■アニメならではの物語の形を福井晴敏さんと作る■

――当初は『機動戦士ガンダムUC』はepisode 6で完結するということでしたが、10冊の小説を6話にまとめようとするのは、かなり大変なことだったと思うのですが……。

 そうですね。小説は全10巻が出ていますが、当初は9巻の予定でした。でも、小説の巻数が追加されて、しかも巻を追うごとに厚くなっていくんですよね(笑)。アニメ版『機動戦士ガンダムUC』は全6話でという形でスタートしましたが、途中からやはり入りきらないなという話になりまして。多くの人と相談した結果、さらに1話を追加するという形になりました。

 ただ、本作に関しては、シナリオ段階から福井さんにもしっかりかかわってもらっていて、小説の圧縮や取捨選択する部分などの負担はかなり軽減されました。例えばこちら側が「この部分は残したいですよね?」と確認しても、福井さんが「そこは切ってもいいよ」と言ってくれたりとか。福井さんは小説家ではありますが、プロデューサー的な考え方もできる方なので、アニメを作る際にはかなり助かりました。

――小説と比べると、前半ではリディの物語が少なくなっていたり、episode 4ではロニの立ち位置が変わってたりしましたよね。

『機動戦士ガンダムUC』 『機動戦士ガンダムUC』

 やはりそこは呎の問題が大きいんですよね。と言っても、最初は45分で作る予定だったのですが、気が付くと60分近くのフォーマットで毎話作ることになったわけなんですが(苦笑)。

 リディについては、最初はキャラクター自体を切ろうという話まで出たんです。全6話という限られた時間もありますし、その中でバナージとミネバの物語を描くと、他のキャラクターを深く掘り下げることができないんじゃないかって。リディを切る案は福井さんからも出たんですが、やっぱりリディは残したいということになって、今の形に収まったんです。前半のミヒロとの件などは、お察しください(笑)。ぜひそこは、小説と読み比べて見てもらえれば。

 ロニに関しては、単純に呎の問題ですね。小説のように砂漠での出会いから描き、触れ合ってそして戦いに……という流れが一番自然なのですが、1時間だとそこまでやっている時間がないんですよ。最初はロニを切って、ジオンの亡霊のような位置づけを持つロニの父親がテロ活動をするという案も出たんです。

 『機動戦士ガンダムUC』は、おじさんたちがメインで活躍するところが売りでもあるんですが――その中で、劇中の“花”がミネバとマリーダくらいしかいないので、やっぱりロニを出そうと(笑)。実際にロニを出してみたら、親子の血のつながりをうまく描くことができて。バナージとの対比なども含めて、物語の本筋にかかわるテーマと上手に絡めること絡めることもでき、作っていてもかなり手応えを感じることができました。

 福井さんにもシナリオ段階からかかわっていただいて、こういう形にまとめられて、これまで共同作業をしながらストーリーを作っていった中で、一番おもしろい形になったと思います。シナリオを担当しているむとうやすゆきさん自身も、episode 4のような物語が好きということで、かなりノッて書いていただけたと思います。

――episode 4について熱く語っていただきましたが、これまで6つのepisode を制作してきて、一番制作が大変だったepisodeはどれでしょう?

 これがですね、全部大変だったんですよ(苦笑)。episode 6はモビルスーツ戦が他のepisodeと比べると若干少なくて、舞台となる場所もそれほど移動していないので、これは制作がそれほど大変じゃないんじゃないか……、episode 7に向けて一休みできるんじゃないかと思っていたんですが、今回も同じような地獄を見ることになりました。『機動戦士ガンダムUC』は楽して作ることはできない作品なんだなと。

 episode 5からepisode 6まで約1年の時間があったわけで、本来ならもう少し前にepisode 7に取り掛かっているはずだったんです。でも、結局episode 6もこれまでと同じく時間がかかってしまい、計算が狂ってしまいました(笑)。episode 7は呎もこれまで以上に長いので、大変なのは最後まで変わらずということになりそうです。

――episode 6ではフル・フロンタルが再び登場することになりますが、今回の物語について教えてください。

『機動戦士ガンダムUC』

 episode 4やepisode 5ではほとんどフロンタルの出番がなくて、フロンタル役の池田秀一さんからも出番が少ないと言われてました(笑)。それで、今までセリフがなかった分だけ存分にしゃべっていただいたら、「これを他のepisodeに振り分けてほしかった」と言われてしまいました(笑)。それくらい今回は池田さんがかなりしゃべっていますよ。

 PVでも公開しているフロンタルの「いつか、私と同じ絶望に突き当たることになる」というセリフですが、このセリフの中にフロンタルは何者なのかという部分が含まれていると思います。しかし、小説で描かれていたことと、このepisode 6、7で描こうとしていることの違いから、フロンタルの立ち位置が若干変わってきています。フロンタルはシャアなのか? シャアじゃないのか? アニメではシャアの部分を少し強めに出せればいいなと。

 小説と同じセリフをしゃべっていても、芝居の方向性などを変えているところもありますし、小説ではフロンタルたちが悪、バナージやミネバが善といった形で描かれているところが強いですが、アニメでは、どちらにも共感できる部分が生まれるような形になると思います。

――episode 6のキーマンというと、やはりフロンタルでしょうか。

 話の本線はフロンタルを中心に描かれていきますが、ポイントとなるのはジンネマンとオットー艦長の2人でしょうか。『機動戦士ガンダムUC』は父性というか、“親から子に託すもの”がテーマになっているのですが、このテーマはこれまでの『ガンダム』では描かれてこなかったものなんですよね。富野監督の作品ですと母親が強く描かれることが多いですが、こちらでは父親がメインになっているんです。

 episode 1だとカーディアスが息子にガンダムを託しています。episode 2ではフロンタルがその立ち位置ですが、まだ彼の正体がわからないので、そのあたりは少しわかりづらかったかもしれません。episode 3ではダグザであり、episode 4ではロニを通して父性が描かれています。episode 5ではブライトがその役割になっていますし、episode 6ではジンネマンとオットー艦長がその役割を担っていると思います。ジンネマンに関しては、バナージだけでなくマリーダにとってもそうですし、オットー艦長の場合は乗組員に対しても父親としての役割が描かれています。

――episode 6のアフレコで印象的だったところは?

 先ほどキーマンにも挙げた、ジンネマン役の手塚秀彰さんとオットー役の内田直哉さんの演技ですね。こちらがOKを出しても、音響監督の木村恵理子さんがOKを出さず、何度もリテイクを重ねるほど、極限のところまで頑張ってもらっておふたりに演じていただきました。

――最終話となるepisode 7は2014年春公開予定で、収録時間も70分近くになるとのことですが、現在の作業状況はいかがでしょうか?

 現在は絵コンテがもう少しで完成するといった感じで、作画にそろそろ取りかかり始めるところです。シナリオは結構前に終わっていて、絵コンテにかなり時間をかけていました。パーセントで言うと……まだまだ数字に表せない、むしろ表したくないといった感じでしょうか(汗)。

――それでは最後に、PlayStation Storeでepisode 6をご覧になる方へメッセージをお願いします。

 episode 6は最終話につながる前段の話ということで、これまでのepisodeとは少し色合いが違うものとなっています。モビルスーツ戦はもちろんありますが、メインはどちらかと言うと人間ドラマです。

 バナージとミネバ、フロンタルが物語の本線ではありますが、ジンネマンやオットー、アンジェロといった周囲のキャラクターにも焦点が当たっている作品にもなっています。最後はおいしいところで終わっているので申し訳ないですが、episode 7は完成すればこれまで以上におもしろい作品になると思いますので、少し時間が空いてしまいますが、そちらも楽しみに待っていただければ助かります。

 イベント上映に参加できない人はもちろんですが、イベント上映でご覧になった方も、ぜひPlayStation Storeでもう一度楽しんでいただけたらと思います。PlayStation Storeならではのとてもキレイな映像で鑑賞でき、部屋にいながらにして、作品の世界観に浸っていただけます。約1年間お待たせしてしまった『機動戦士ガンダムUC』の最新話を、ぜひ楽しんでいただければ幸いです!

→episode 1~5までの物語を忘れてしまった人のために
これまでの物語を簡単に解説(3ページ目へ)

(C)創通・サンライズ

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