2013年3月12日(火)
『Hotline Miami』が高い評価を受けている理由として、ゲーム的なおもしろさだけでなく、ストーリー面での味わい深さもあげられます。トップビューで血みどろになっていくゲーム画面を見て『スマッシュT.V.』のような軽いノリのバカゲーを思い浮かべる人もいるかと思いますが、本作のストーリージャンルを定義するのであれば、“サイコサスペンス”になるかと思います。
▲一見すると普通の会話のようですが、どことなく“胡散臭さ”を感じてしまいます。 |
ゲームをスタートし、簡単なチュートリアルを終えると、まずマスクをした謎の人物たちとの会話シーンが始まります。馬、鶏、梟のマスクをかぶった3人の人物から、主人公について何やら思わせぶりなことを言われますが、この時点ではまったく意味がわかりません。続いてのシーンは、主人公が住んでいるマイアミのアパートの一室。留守番メッセージを受けて、主人公宛に届けられたクッキーの箱を開けると、その中に入っていたのは脅しのような“依頼”メモと鶏のマスクでした。
こんな得体の知れない依頼をこなすため、主人公はロシアン・マフィアたちを血の海へと沈めていきます。しかも、依頼はこれで終わったわけでなく、次の依頼、また次の依頼が主人公の部屋の電話にかかってくるのです。なぜ主人公は、こんな依頼を受けてしまうのか? そしてチャプターの合間に挿入されるマスクをした謎の人物たちとの会話が意味するところは……。
▲マスクをした謎の人物たちは、主人公のことをよく知っているようですが……。 |
このように、物語はわけがわからないことだらけの状態から始まり、ゲームが進むに連れて1つずつパズルのピースが埋まっていくかのように謎が明かされていきます。“サイコサスペンス”につき、ストーリーの内容についてこれ以上は書きませんが、最後までプレイすれば、タイトルの“Hotline”が意味するところが理解できるかと思います。
『Hotline Miami』は、繰り返しプレイしたくなる中毒性があるものの、全体としては数時間でクリアできる小粒なタイトルです。ただ、それだけにストーリーは間延び感もなく簡潔にまとまっており、ちょうどショートムービーを1本見るぐらいの感覚で楽しめます。レトロ調のグラフィックというオブラートに包まれているとはいえ、かなりグロくてエグい内容なため大手を振ってオススメはできませんが、暴力的でイカれたストーリーを受け止められる大人の方に、ぜひとも体験してもらいたい作品です。
Copyright 2012 Dennaton Games. All Rights Reserved.
データ