2013年3月15日(金)
“電撃カードゲーム”担当編集のカネキングです。先日3月13日に、ダウンロード専用3DSソフト『怪獣が出る金曜日』が配信され、即ダウンロードして遊んでいたのですが、なんとこのゲームにカードゲーム要素があることが判明しました。これは電撃カードゲームとしては紹介せねばなるまい! ということで、この記事ではカードゲーム好きの視点から、このソフトのレビューを掲載したいと思います。
それではまず、本作の概要から説明します。『怪獣が出る金曜日』は、レベルファイブがプロデュース、各界の著名クリエイターがディレクションを務めるプロジェクト“GUILD02”内の1作。本作のディレクターは『ぼくのなつやすみ』シリーズを手掛ける綾部和さんで、なぜか毎週金曜日に巨大怪獣が出現する東京郊外の町を舞台に、数々の心温まるドラマが繰り広げられます。
ゲームとしては非常にシンプルな作りになっており、プレイヤーは主人公・そうたを操作し、住民に話を聞いたりしながら、怪獣が出る町の謎を追い掛けていくことになります。特に詰まるような部分もないので、のんびり進めても3~4時間ほどでクリアできるでしょう。
ボリュームは控えめですが、ちょっと謎めく本編のストーリー、個性的なキャラクターたち、素晴らしい舞台設定や音楽など丁寧に作り込まれており、プレイ後の満足感はすごいです。いい短編小説を読んだなー! という清々しい気持ちになれます。
で、このどこにカードゲーム要素があるのかという話ですが、そうたたちの間では“怪獣カード合戦”というカードゲームが大流行していまして、物語の節々で他の子どもたちと勝負することになるのです。
▲これが怪獣カード。昭和テイストのイラストがたまりませんね。 |
では気になるルールを説明します。カードゲームと言っても、デッキを組んで対戦するような複雑なものではありません。基本的には、じゃんけんのようなシンプルなゲームです。
まず、形式は1対1での対戦になります。プレイヤーはお互いグー・チョキ・パーのいずれかが書かれた5枚のカードを用意し、好きな順で伏せて横に並べます。正面のカード同士でじゃんけんバトルを行い、最終的な勝ち数を競うという仕組みです。
しかし、これだと本当にただのじゃんけんになってしまいますので、並べたカードのうち、2枚だけ場所を入れ替えてから最終的な決着を付けるというルールがあります。
まず、お互い5枚並べた後に、この時点での勝敗が“○勝○敗○引き分け”という形で暫定的に表示されます。その後、勝っているほうが“先攻”となってカードを先に2枚入れ替えます。この時、全体的な勝敗結果に加えて、勝ち負けあいこの結果が2箇所だけはっきりと表示されます。これを手掛かりに先攻が入れ替えを行うのです。続いて、追加でもう1つ結果が出て、後攻が入れ替え。負けている分、後攻のほうが有利な状態で入れ替えられるわけですね。
お互いがカードを動かし終わったら、位置が確定。左端からオープンしていき、最終的な結果を競います。ただし、“あいこ”の場合は、カードが持つパワーを比べ、大きかったほうの勝ちになります。同じ怪獣カードは、合成することで2回までパワーを強化可能。当然数字が大きいほうが有利になるので、カードは片っ端から合成するのが基本になります。
単純ながらも、これがなかなかハマります。ピタリと読みが当たった時は爽快ですね。また、仮にカード入れ替え時に先攻が5勝している場合でも、うまくやれば3勝2敗ぐらいに巻き返して逆転勝利できたりもしますので、なかなか白熱します。
そして、なんといっても中盤から登場する“以外カード”の存在が熱いですね。これは、それぞれグー以外、チョキ以外、パー以外に勝てるという超強力なカードです。最初に使われた時は、「そんなのアリかよ!」と3DSに向かってツッコんでしまいました(笑)。
しかしながら、これを使うと、勝ち負けのヒントを見ても相手の伏せカードが絞り切れないというデメリットも存在します。ここがホントに上手い作りですね。また、“以外カード”は“以外カード”同士の場合のみ“あいこ”になるというのもポイントです。
5枚中何枚を“以外カード”にするのがいいのか、このバランスは何度やっても答えが出ません……。まぁ、僕はカードパワーに任せて5枚とも“以外カード”にしていますが(笑)。
最後に、肝心のカードの集め方について説明します。カードは、町に落ちている“怪獣ピース”を7個集めるごとに1枚入手できます。いたるところに落ちているので、序盤はすぐに集まるでしょう。そしてこの“怪獣ピース”は、子どもたちとバトルして、勝つことでも手に入ります。ただしゲームクリア後は、ピースがほとんど落ちていませんので、主にバトルで入手することになります。
が、クリア後は相手のカードも結構ガチになってくるので、連勝するのは至難の技です。特定の相手に勝たないと手に入らないレアなピースもありますので、カードをコンプするのはまだまだ時間が掛かりそうです……。カードの種類数自体は、15枚とそんなに多くはないんですけどね。
というわけで、“怪獣カード合戦”、いかがでしたか? 『怪獣が出る金曜日』は800円(税込)と気軽に買える価格なので、ちょっとした息抜きにプレイしてみることをオススメします。この記事では、カードゲームに焦点を当てましたが、ゲーム全体のレビューは別途まり蔵が書いていますので、興味がわいた人はぜひそちらもチェックしてみてください!
(C)2013 LEVEL-5 Inc./(C)2013 Millennium Kitchen
データ