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2013年3月27日(水)

次世代ハード・PS4についてゲームメーカー&クリエイターに緊急アンケート! PS4でゲームはどう進化する? Part1-2

文:電撃オンライン

●日本と北米のゲームに対する価値観をすり合わせることが必要

――“Social(ソーシャル)”というキーワードが出てきましたが、PS4では各種SNSとの連動を行うという発表がありました。この部分をハード側でサポートしたのは初めてのように思います。

 FacebookやYouTubeに動画をアップロードできるのは、すごいなと思いました。ただ、Facebookは日本ではあまり普及していないので、その点は気になります。日本的な考え方なのですが、日本人って匿名性を好みますよね? Facebookは基本的に実名ですし、自分のプレイ動画を上げて、批判的なレスが来るとやめてしまいがちですよね。それに、おそらくこのソーシャルの部分に関しては、問題が発生するため、匿名を許してくれないと思うんです。

――その点に関しては、アメリカ市場をベースに考えられているのかなと思います。

 それは本気で感じました。最初の説明を聞いた時もアメリカ向けの仕様でしたから。ただ、現在の日本市場は特殊で難しいので、仕方がない部分もあると思います。スマートフォンのソーシャルゲームがここまで流行していると……。家庭用ゲームは10万本売れたら大ヒットという市場なので。

――ネットワーク中心のビジネスはアメリカでは主流ですが、日本では少し違いますか?

 文化性の違いなのかもしれませんが、何とかして日本と北米のゲームに対する価値観をすり合わせていかないといけない気がします。大きな隔たりがあるので、そこは何とかならないかなあ、と。

――話は変わりますが、ネットワーク関連ですと、クラウドサービスについても発表がありました。こちらについてはどういった印象を持ちましたか?

 サービスとしてしっかり整ったら、ゲームアイデアを生かしやすいですね。例えば、自分がマーケットで出展しているアイテムの売れ行きなどを、携帯電話などでいつでも確認できる機能がありますよね。あれは非常にいい機能だと思います。そういう遊びが充実して、リアルタイムに生活と密着して楽しめるようなゲームが作れそう、という予感はしています。

――ただ、クラウドに関しては常時接続が必須である可能性がありますね。

 これに関しては個人的に勘弁してほしい機能なんですよね(笑)。ネットワークに接続するということは、イコール自分が何をしているかがリアルタイムで周囲に知られてしまうということじゃないですか。後は、1人でゲームを遊びたい時にも協力プレイで入ってこられてしまう。何でもフレンドに伝わるのはよくないと思うんです。例えば会社をさぼって遊んでる時とかバレバレじゃないですか(笑)。PS3ならサインインしないで遊ぶけど、PS4でもオン/オフを切り替えられるといいのですが……。

 個人的にはどんどんプライベートがなくなっていくのはよくない、と考えています。そのあたりは個別ルームのようなものを作って、「このゲームはシェアしていい」「このゲームはシェアしない」というのが、切り分けられるようなシステムだといいですね。

――アカウントも複数使いたいですよね。

 そうですね。使い分けをしたいので個人的には複数アカウントを使用できるようにしてもらいたいです。後はPS3のように、無料でネットワークを使用できるシステムは継続してほしいですね。僕個人の要望です。

――スマートフォンやタブレット端末と同期できるという話もありました。

 そういうことは、もっとたくさんできるといいですよね。ただ、できればOSは統一してほしい。すべてに合わせて作るのは、ものすごく大変なので。

――“PlayStation App”で整えるというのは?

 それを使っても、結局はどの機種の上で動くかという話になってしまいますから。

●実際にPS4に触れる機会を作ることが重要

――配布されたプレスリリースには、参入メーカーとしてアークシステムワークスさんも名前を連ねていますね。

 具体的なタイトル名などはまだ出せませんが、やりたいと思っています。ウチはFTGのゲームメーカーなので、FTGを出したいですね。『BLAZBLUE』『ギルティギア』に続く第3の軸として、新しいタイトルを作りたいです。実は『ギルティギア』はドリームキャストに向けて作っていましたし、『BLAZBLUE』もPS3が出るくらいの頃に作り始めていました。ですので、今度PS4が出るならそれに向けたタイトルを作ろうと。時代のターニングポイントで新しいものを出す、というのがアークシステムワークスですので、攻めていきたいですね。

――PS4からアーケードへ、という流れも想定していますか?

 それもありかな、と考えています。普通に楽しむなら家庭で、競技性を求めて楽しむならアーケードで、というのもありなのではないかと。もちろん、アーケードには新規の人にも来てほしいという思いはありますが、昔と比べてアーケードに来てすぐに楽しむのは難しい。だったら家庭用で好きになってもらって、そこからゲームセンターに足を運んでもらう。さらなる刺激を求めて(笑)。

――根本的な話になってしまいますが、家庭用ゲームのネットワークを介した対戦が問題なく実現できるかどうかは、PS4のスペックというよりは、インフラに寄ったお話ですよね?

 インフラがすべてです。光ファイバーの200Mbpsぐらいの環境がお互いにあれば、ほぼゲームセンターと同じ感覚で遊べるように作っているので。その辺りに関しては、弊社はそれなりの技術を持っていると思います。今度発売する『BLAZBLUE』のコンシューマ版も、ネットワーク部分は気合い入れて作っていますし。さらなる進化ができるんじゃないか、という点ではPS4に期待しています。

 ただ、1つ懸念も……。これまでは弊社のソフト同士で直接対戦していたからよかったんですが、間にPS4を挟むとワンクッション入ってしまう。もしかすると、SHAREボタンで常に録画しているというのが遅延の原因になるのではないかということを、プログラマーはすごく気にしていました。

――インフラというと、クラウドもインフラの状況に大きく左右されますね。

 クラウド上にゲームデータを全部置いてもらって、それをPS4なりPS Vitaで使えるようにする。PS4がホームステーションのような役割を果たしてくれるといい、と思っています。後はPS3のゲームが、クラウドゲーミングで遊べるようになることに期待しています。

 僕は今回、PS4がタイトルラインナップの急速な整備は考えていないのではないかと思っています。まだPS3のタイトルにも力を入れていますし、『FFXIV』も出ます。インフラやクラウドの整備を行いながら少しずつ浸透させていくために、(PS4の展開を)今始めたのかな、という気がしているんです。ネットワークのダウンロードサービスの充実がカギを握ると思いますね。

――クラウドはまだ日本にはなじみの薄い印象です。

 そうですね。ですので、そういった部分をどこまでわかりやすく落とし込めるかが、PS4が売れるかどうかのポイントになると思っています。PSもPS2も、ソフトをハードに入れればすぐにゲームができた。しかし、PS3はいくつか手順が必要になる。どうやってゲームを遊んだらいいかわからない人のために、わかりやすさを重視したUI(ユーザーインターフェイス)もありだと考えています。PS4はわかりやすさがどこまで突き詰められるかが重要でしょうね。

――実際に触れる機会を増やすことも大切かもしれませんね。

 僕は、『モンスターハンター』シリーズがここまでビッグタイトルになったのは、作った人の努力だと思っています。「自分たちが作った作品を本気でおもしろいと信じている」ということがすごく伝わってきたじゃないですか。これは見習うべき姿勢だなと。自分たちの作ったものがおもしろいなら、そのおもしろさを伝えるべきですよね。触ってみないとわからないことって、たくさんありますし。試し触りとか、PS4でもそういうことができるんじゃないでしょうか。「とりあえず触ってください」と、サポートの人なりを置いて遊ばせて、その人たちに教えてあげる。そうしたことが大事だと思います。

――最後になりますが、PS4で実現したい夢はありますか?

 これまでは、クリエイター的にこういうことがやりたい、ああいうことがやりたいと思っても、できないことがいくつかありました。PS4ならそれができる。僕は“PlayStation Home”のようなバーチャル空間、その中にゲームセンターみたいなスペースがあり、そこにアバタ―で入っていって、いろんな人とゲームができるという空間を作りたいんです。リアルのゲームセンターのような感覚ですね。

 遊ぶゲームも、アーケードやコンシューマなど、自分の好きなタイトルを選べる。そこに入りさえすればいろんなビデオゲームで遊べるバーチャル空間が作れそうだということを、PS4ではすごく感じました。これはぜひやってみたい。そしてやるなら、弊社だけでやるのではなく他社さんとも一緒にやりたいですね。ネットワークにつながっていることが大前提なので、PS4にマッチしていると思います。僕が生きている間には作れそうなので、実現したいです。

→続いて、コーエーテクモゲームスのTeam NINJAを率いる
早矢仕洋介氏にインタビュー!(3ページ目)

データ

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