2013年4月23日(火)
現在配信されているiOS用アプリ『ファイナルファンタジーV』を、“RPGはセリフが命”と豪語するライター・リプトン熊田がミニレビュー風味で紹介していきます! 一番好きなFFシリーズは『ファイナルファンタジーIX』です!
『ファイナルファンタジーV』は、1992年にスーパーファミコン用ソフトとして発売されたFFシリーズ5作目。数々のやり込み要素や奥深いアビリティシステム、そしてギルガメッシュなどの個性的なキャラが人気を博し、多くのRPGファンを虜にしました。その後、PlayStationやゲームボーイアドバンスにも移植され、今回新たにiOS版が登場することとなったわけです。
▲スーファミのドット感はなくなりつつも、過剰にキレイすぎないギリギリのリファインだと思います。リメイク作品はこれくらいでいい。いや、これくらいがいいんだ。それにしても、発売からもう11年か……。 |
さて、本作に限らず“懐ゲー”の移植やリメイクと言うと、当時プレイしていた人間としては期待半分、怖さ半分といった心境になりがち。と言うのも、ロード時間の短縮やUIなどシステム面の改善はとてもうれしいのですが、例えばBGMが過剰にアレンジされてしまったり、追加要素が必要以上に上乗せされたりすると、ちょっとモヤッとしちゃうんですよね。個人的には、2Dのドット絵がポリゴン3Dになったりすると「お、おう」となってしまいます。もちろん、それがいいという人もいるでしょうし、決して否定するわけではないんですけども。
で、本作はその辺どうなっているのかという部分をまとめてみましたので、自分と同じく当時プレイしていたおっさn……働き盛り世代の方々はぜひチェックしてみてください。逆に「タイトルは知ってるけどプレイしたことはないっす」というヤングライオンズの皆さんは、斜め読み程度で十分かと思います。
●BGMのアレンジはどんな感じ?
はい、FFシリーズの特徴と言えば、何はともあれ楽曲の素晴らしさが挙げられると思います。でも勢い余った感のある超ゴージャスな音色になっていたり、いたずらにロック調になっていたりするとおっさんガッカリです。でもご心配なく、本作はその辺バッチリ。スーファミの音源が(たぶん)忠実に再現されています。こういうのでいいんだよ、こういうので。っていうかやっぱり今聞いても鳥肌立ちますね。ボス戦の曲とか聞いた瞬間、脳汁出ます。
▲スーファミ版の独特な音色がキッチリ再現されています。個人的には中ボスの曲や、黒チョコボの曲が大好き。あとやっぱり、ビッグブリッヂにたどり着いた時はものっすごいテンション上がりました。 |
●グラフィックのアレンジはどんな感じ?
原作と本作の間で一番の違いを挙げるとするなら、やはりここでしょうか。スーファミとは解像度も違えばアスペクト比も違うので、やはりいろいろとアレンジが成されています。まずフィールド上のキャラクターですが、以前のいかにもなドット絵が、なめらかに描き直されています。ガタガタ感がなくなっているので、人によっては多少違和感を覚えるかもしれません。とはいえ、ちょっとした仕草やアクションは何気によくできていますし、実際に遊んでみるとそれほど気にならないと思うのですが。
そして、本作では会話シーンでバストアップの顔グラフィックが表示されるのですが、こちらは天野喜孝氏によるイメージイラストを再現しています。フィールドキャラの絵と比べて、髪の色とか全然違うのはご愛敬。キャラによっては、なんて言うか、こう、ちょっとエキセントリックな感じに。はい。
▲キャラの細かいアクションが秀逸です。2.5等身しかないのに、表情変化もちゃんとわかるのがすごい。会話シーンの顔グラはカッコいいキャラが多いのですが、やはりタイクーン王のデザインは突き抜けてます! |
●携帯端末での操作は大丈夫?
本作はiOS用ということで、今回はiPhone 5でプレイしてみました。当然ながら十字キーはないので、すべて画面タッチで操作していくわけですが、キャラ移動は最初ちょっと慣れが必要かも。画面タッチで表示される“仮想スティック”は一歩ずつ歩くような細かい操作がややしにくいので、落とし穴がある迷宮では怖かったです。ただ、上下左右だけでなく斜め方向にも移動できるので、大陸をガーッと移動したい時は快適ですね。その他、ステータス画面や戦闘パートでは、なんの問題もなく操作できました。
▲仮想スティックは最初ちょっと戸惑うかもしれませんが、すぐに慣れるかと思われます。そして装備変更やジョブ選択などは、タッチパネルのよさが生かされていて快適。オリジナル版はカーソル移動が地味に大変でした……。 |
●戦闘パートは快適に進められる?
戦闘パートはオリジナル版と同じくアクティブタイムバトルを採用。コンフィグでアクティブorウェイトが選択でき、バトルスピードも6段階から選べるので、好みの設定に変更できます。コマンドボタンは画面右側にほぼ集約されているので、最低限の指の動きで戦闘を進められました。その他、“AUTO”ボタンを押すと戦闘が2倍速で勝手に進むので大変便利。ですが、基本的には“ボタンを押す直前のコマンド”を繰り返すことになるので、みんなでボコ殴りにするような時以外は要注意。回復済みのキャラに延々とケアルをかけ続けたり、黒魔法をムダに使い続けてMPが枯渇するなど、地味に悲劇を生む場合があります(笑)。
▲基本コマンドはすべて画面右端にあるので、迷うことはないはず。オートモードは、弱めの敵で経験値やアビリティポイントを稼ぎたいような時は本当に便利! 2倍速でサクサク進む戦闘は気持ちがいいです。 |
→次のページからは、序盤のストーリーを追っていきます!(2ページ目へ)
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