2013年5月2日(木)
――最後に『クラシックダンジョン ~扶翼の魔装陣~』や『絶対ヒーロー改造計画』といった、ダンジョンRPGの制作についての思い出をお願いします。
新川:この2つが発売された時期というのは、S・RPG以外のタイトルでも評価を得たい、そして『ディスガイア』以外の看板タイトルを生み出したいと強く意識していたころだったので、積極的に新規のジャンルに打って出ていたんです。だから、ダンジョンRPGというジャンルが続いたのはたまたまで、他のジャンルの制作も同時期にスタートはしていました。内容も『クラシックダンジョン』はA・RPGに近いですし、『絶対ヒーロー改造計画』もローグタイプのRPGなので、ダンジョンRPGを作るという目的で制作されたものではなかったりします(笑)。
▲2010年2月18日に発売されたアクションRPG『クラシックダンジョン ~扶翼の魔装陣~』。FC時代を思い起こさせるレトロなドット絵や8bit風のBGMが特徴のゲームで、自由度の高いキャラクター育成や、入るたびに構造が変わるダンジョンでの冒険が楽しめる。 |
――『絶対ヒーロー改造計画』は、“ヒーロー”や“人体改造”など、開発スタッフの趣味が全開という感じのタイトルでしたが、これはどのスタッフの趣味が反映された形だったのでしょうか?
新川:私やディレクターの山本ですね。80年代のヒーロー物が大好きなんですよ。で、私たちが好きなんだから、きっとユーザーの皆様も好きだろうと思っていたんですが、実はそうでもなかったというのが販売本数的にわかってしまったというタイトルですね(笑)。
――気に入ってくれたファンの方々からは、逆に熱いコメントの数々が送られてきたのではないですか?
新川:実際に買ってくださったお客様には大変楽しんでいただけて、評価もしていただけました。ただ、『魔界戦記ディスガイア』のレベルまで持っていこうとするには、ニッチなところを狙いすぎたようですね。
――『絶対ヒーロー改造計画』では電撃文庫とのコラボ展開がありましたが、これについてお聞かせください。
新川:『絶対ヒーロー改造計画』のセールスポイントの1つに、着せ替えというシステムがあったんです。この着せ替えを楽しんでもらうためには、いろいろなキャラクターのコスチュームを登場させることが重要だったので、ダメ元で電撃文庫さんのほうにお願いしたところ、なんとOKをいただけてしまったんですよね(笑)。全部で42作品とのコラボレーションになりましたが、これだけの数のコラボレーションは、後にも先にもきっとないんじゃないかなと思いますね。
――これだけの大規模なコラボレーションになると、ボリューム的にも作業的にも大変だったんじゃないですか?
新川:われわれは“お願いした側”なので苦労するのは当然だったんですが、編集部の皆様や作家の皆様には大変なご苦労をおかけしたと思います。
――『電撃オンライン』のほうでも何人かの作家さんにコメントをいただいたりしましたが、ゲーム好きな作家さんは一様に喜んでいたようでした。
新川:そうですね。結果楽しんでいただけて非常によかったと思います。
▲2010年3月11日に発売されたPSP用ダンジョンRPG『絶対ヒーロー改造計画』。なりゆきでヒーローを務めることになった一般人の主人公が、入るたびに構造が変わるダンジョンで特訓を重ねつつ、ラスボスに勝てるだけの力をつけようと奮闘する。 |
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