【第24回】電撃おすすめアプリ 毎日レビュー『ファイナルファンタジー オール ザ ブレイベスト』――FFシリーズの戦闘BGMが楽しめるRPG

文：リプトン熊田

■「集めろ、集めろ！　でないと、黒コゲだじょー！」（『FFVI』ケフカ風に）

　さて、多人数によるボコスカバトルの他に、本作にはもう1つ大きな特徴があります。それは“ずかん”の存在。キャラクター図鑑、そうび図鑑、モンスター図鑑の3種類が用意されており、これを埋めていくのも楽しみの1つなのです。汎用キャラはプレイしていけば自然と埋まっていきますが、モンスターは滅多に登場しないレアモンスターがいるので一筋縄ではいきません。そうびもモンスターが落とすので、これまた埋めるのは結構大変。倒せば必ず落とすというわけでもないですし。

▲レアモンスターの1つ・プリンプリンセス氏。運もありますが、今回は出会うまでに1時間ほどかかりました……。まぁ一発でセイブザクイーンをドロップしてくれたので、ちゃんと報われましたけども。

　そしてこの各種図鑑、1つ1つに説明文があるのですが、その内容がなんともいい味わいなのです。よく言えばファンをにやりとさせるマニアックっぷり、悪く言えばスタッフの悪ふざけ（笑）。例えば以下のような感じです。

●赤魔道士：複数の魔法を連続で使用する魔道士。炎と氷の力から生まれる反作用で相手は死ぬ。
●サッズ：元飛空艇の腕利きパイロット。最近アフロがチョコボくさくなってきた。
●ルーンアクス：魔力も高めてくれる優秀な斧。でもこれを使う人は魔法なんて使わない。
●エクスカリパー：あまたの冒険者を裏切った幻の騎士剣。手にして喜んだあなたは次元の狭間送り。
●こうてい：地獄で強大な力を宿しよみがえったパラメキア帝国の皇帝でウボァー。
●ゴルベーザ：漆黒の甲冑をまとった不気味な魔道士。兄と呼んでもいいですとも！

　この作品自体がお祭りゲームっぽい内容なので、むしろマジメに書かれるよりもしっくりきます。そしてこの説明文が見たいがために、図鑑を埋めたくなっちゃうんですよねぇ。

▲キャラ、そうび、モンスター含め、全体的に説明文がヒドイ（笑）。でもこの手のお祭りゲームには、これくらいの悪ノリがよく似合うんです。あ、モンスターは全体像が見られるのもポイント高いですね。

■「同じ苦しみを背負ったFF仲間じゃなかったのか……？」（『FFXIII』ライトニング風に）

　さて、紹介の最後にこんなことを書いてしまっていいのかどうかわかりませんが、正直なところ、この作品には奥深い戦略性やテクニックを生かした攻略要素などはありません。他のプレイヤーとのバトル要素もないです。なので、そちらを求める方々は同じFF系ソーシャルゲームである『FINAL FANTASY ARTNIKS』や『FINAL FANTASY BRIGADE』、あるいはiOSに移植された『ファイナルファンタジーV』のほうがお楽しみいただけるかと思います。

　ただ、自分はこの作品、大好きです。FFシリーズのBGMやドットキャラの動き、独特のエフェクトと効果音など、昔懐かしい（特にスーファミ時代の）FFシリーズに気軽に触れられる感じが気に入ってます。癒やされます。最近はソーシャル系もずいぶんとゲーム性の高い、頭を使う作品が増えてきましたが、そんな中にこういう気軽なゲームがあってもいいんじゃないかなーと。無料ゲームではないので、そこで躊躇してしまう人もいるかもしれませんが……FFシリーズの戦闘BGMサントラを買うくらいの気持ちで、いかがでしょうか？

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関連サイト

• 『ファイナルファンタジー オール ザ ブレイベスト』公式サイト
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