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2013年5月5日(日)

ケイブはSTGをやめない、どんな形でも出す――“『怒首領蜂 最大往生』発売記念祭り 完”浅田さん&池田さんトークステージ

文:megane

■これまでの歩みを事件とともに振り返るぶっちゃけトーク

 トークステージの後半は、浅田さんと池田さんに進行役としてケイブ古幡さんを迎えて行われた。このステージではケイブがXbox 360への参入から現在をぶっちゃけて語るステージとなっていた。

『怒首領蜂 最大往生』発売記念祭り 完 『怒首領蜂 最大往生』発売記念祭り 完
▲浅田さんと池田さんの2人に古幡さんを加えた3人で進行した“ASD×IKD デススマイルズからありがとう! 最大往生でさようならSP”。
『怒首領蜂 最大往生』発売記念祭り 完
▲ケイブが2009年から2013年までの4年間でリリースしたタイトルは13本。それぞれにエピソードがあった。

■参入一発目から難産だった『デススマイルズ』

『怒首領蜂 最大往生』発売記念祭り 完

 ケイブがXbox 360への参入を果たしたのは2009年4月に発売された『デススマイルズ』にて。浅田さんはその前年となる2008年7月にケイブに入社し、ケイブとしては『デススマイルズ』と『怒首領蜂大復活』のどちらを先に出そうかということになっていたという。

 この時点ではケイブはSCEとも話をしていて、Xbox 360だけに出すことは決まっていなかったとのこと。しかし、Windows PCに近いことや、STGがXbox 360に多く出始めていたことから、Xbox 360が無難だろう、という判断になったという。

 開発機材がケイブに来るまではPCで開発していたが、意外とあっさりと『デススマイルズ』を動かすことができたという。しかし、開発機材に乗せてみると、とにかくパフォーマンスがうまく出ない。マイクロソフトをミーティングを重ねて、ライブラリの最適化などにより、なんとか動くようになったものの、今度はXbox 360での画面が高解像度すぎてそのままではモザイクのような見難い画面になってしまうことがわかった。

 そこで浅田さんは「HD化しよう!」と考え、それからケイブのSTGではHD化が定番になった。しかし、HD化するにあたって、またもやパフォーマンスの問題がぶち当たる。結果的に2008年10月には作業が終わっているはずが12月になっても終わらなかった。プログラマーの市村さんは「メモリが足りないから悪い」とハードのせいにし始めたが、池田さんいわく「いつものこと」という。

『怒首領蜂 最大往生』発売記念祭り 完 『怒首領蜂 最大往生』発売記念祭り 完 『怒首領蜂 最大往生』発売記念祭り 完
▲エフェクトをいっぱい出したい池田さんに対して、開発のM2がライブラリを改修して出せるようにした『虫姫さま ふたり』。▲『エスプガルーダII』の池田さん担当の開発が半月食い込み、『デススマイルズIIX』の開発に支障が出た。▲急に池田さんが開発もやることになった『怒首領蜂大復活 Ver1.5』。浅田さんいわく「うんと言わせる状況に追い込むことを考えた」

■予算未達だから作ったパッケージ版『怒首領蜂大復活ブラックレーベル』

『怒首領蜂 最大往生』発売記念祭り 完

 予定外として公開されたのが2011年2月に発売された『怒首領蜂大復活ブラックレーベル』のパッケージ版。当時、目標とする売上に数千万ほど足りない状況で、なんとかするために作ったのがこのパッケージ版だったのこと。

 もともと『怒首領蜂大復活ブラックレーベル』はDLCとして発売する予定はあったものの、DLCだけでは目標に達することはできないという試算があったため、浅田さんの「パッケージ版を作るしかない!」というひらめきにより作られた。

 もととなる『怒首領蜂大復活』にて、『大往生』の自機を使ったモードを作ったため、それにならって『ケツイ』のシステムを組み込んだモードを制作したという。しかし3人で制作した割にはスケジュールがとてもスムーズに進み、無理なくマスターアップできたと話していた。

『怒首領蜂 最大往生』発売記念祭り 完
▲この『むちむちポーク!&ピンクスゥイーツ』は、事情によりこれまでのマイクロソフト流通ではなくセガ流通で取り扱っていた。マイクロソフトからは文句が出たが、マイクロソフト流通で販売した『怒首領蜂大復活ブラックレーベル』のほうが売れたため、ある時期より文句はなくなったという。

→チームが分解しかけた『赤い刀 真』と『最大往生』の“完”のナゾ(3ページ目へ)

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