2013年5月15日（水）

PSP『NORN9 ノルン＋ノネット』をレビュー！ファンタジー作品が好きな乙女にオススメの良作ADV【春のレビュー祭り】

■主人公は3人！　選んだ女の子によって攻略キャラが変わります

　ちなみに本作は、キャラクター同士の会話を読み進めていくADVです。システム面で特徴的な点は、主人公が3人いること。第1章でどの主人公にするかを決め、第2章で誰の個別ルートに進むかを選びます。主人公ごとに攻略できるキャラクターが固定されているので、第1章の時点でよく考える必要があります。また第1章の前にあるプロローグでは、現代からやってきたサブキャラクター・鈴原空汰の視点で描かれているところもポイント。その時点では、主人公3人の名前はデフォルト名で呼ばれます。プロローグが終わると、主人公たちの名前をプレイヤーが入力できるといった特殊な形で進むのも、本作ならではのシステムだと思いますよ！


▲空汰はプレイヤーと同じ視点になることが多いので、ゲームをプレイしていてプレイヤーが疑問に思ったことも素直に口に出してくれます。そのため、不思議な世界観も安心して見守れました（笑）。

■主人公に選ばなかったキャラもラブラブになる点は好みが分かれるかも？

　ところで、皆さんは脇カップリングに免疫が強かったりしますか？　はっきり言って私は免疫がありません。むしろ苦手です。脇カップリングが出てくると、今まで盛り上がっていた気持ちも、途端にションボリしてしまいます……。さて、ここまで言えばおわかりかと思いますが、本作には脇カップリングがあります!!　個人的にはそこが非常に残念だったり（笑）。

　個別ルートに入った後、プレイヤーが選ばなかった主人公も男性キャラクターとペアになって物語が進むため、プレイヤーに対してその男性キャラクターとのやり取りを教えてくれたり、恋の悩みを告げてきたりするんですよ。女の子同士がキャッキャとお話している姿はとってもかわいい！　でもなんだかションボリしてしまうのは私だけでしょうか？（笑）　主人公に自己投影する人には、少しハードルが高いかもしれませんが、乙女ゲームを少女マンガ的な楽しみ方をしている人にはかなりオススメです。かわいい女の子たちが初めての恋を知り、障害を乗り越えたうえで幸せになっていく姿を、ぜひ見守ってあげてください♪

■総評：1人1人のキャラクターに対して物語がコユイ！　キャラ萌え万歳!!

　プロローグから始まり、第2章の個別ルートまでは意外とすんなり進みます。比較的すぐに個別ルートに入れるため、1人1人のキャラクターに対する物語が奥深く描かれています。そのため登場人物たちに感情移入しやすいですし、周回プレイをする時も苦になりにくい点が素晴らしいと思いました。しかも別のキャラクターのルートをプレイしているのに、なぜかこのキャラクターに激しく萌える……など、細かい萌えポイントもたくさん用意されているので、全ルートをプレイすることをオススメします。個人的には誰のルートをやっていても、暁人のかわいさに激しく萌えました（笑）。

　攻略できるキャラクターは9人もいるので、途中でめげそうだと思っているそこのアナタ！　1人1人に用意されている個別ルートの物語は長めですが、“いわゆるお約束”的な展開が多いストーリーではないので、続きが気になってどんどんプレイできちゃいますよ！　それに、どの男性キャラクターにも恋愛要素はたっぷり盛り込まれていますので、甘いストーリーが好きな人も十分楽しめます。ただし、激甘なエピソードがずっと続くような内容ではありませんのであしからず。基本的にはシリアス路線です。また、キャラクターによっては、ハンカチ必須な悲恋も用意されていますので、そういった路線がお好きな方もお楽しみに！　個人的には全力でおススメしたい作品です!!