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2013年5月30日(木)

レビュアーの異常な愛情。または『シューティングラブ。10周年 ~XIIZEAL & ΔZEAL』ラブ。【春のレビュー祭り】

文:皐月誠

■『XIIZEAL(トゥエルブジール)』

 え? なんだい、昔見た時とタイトルが違うような気がするって? 細かいことを気にしてはいけない。

 『トゥエルブジール』は、2002年にタイトーのPS互換業務用基板・G-NET用としてリリースされたSTG。本作における自機は一般的な前方へのショット以外に、後方への“バックファイア”とレバー入力で発射する“サイドアタック”という攻撃手段を持っている。

『シューティングラブ。10周年 ~XIIZEAL & ΔZEAL~』
▲バックファイアかサイドアタックで倒した敵には、最大12倍の得点倍率が付く。

 バックファイアやサイドアタックで敵を撃破すると、獲得点数にかかる倍率が上昇していく。特にサイドアタックは威力が高く、プレイの中心となるのだが、これがとてもクセモノだ。なにせ腕とレバーを非常に酷使する。どこかのSAY TAITOでは、店員と一緒に床へ這いつくばってクレーンゲームの下を覗きこみ、ネジが緩んでいたせいで吹っ飛んでいったレバーの球を探していた少年が10年前にいたとかいなかったとか。

 腕と手先で動かすアーケードスティックでこれなのだから、指先だけで動かす標準コントローラーでのプレイは非常に過酷! ……ところがどっこい、家庭用では自動でサイドショットを発射可能なボタンが用意されている。身体にやさしい。

『シューティングラブ。10周年 ~XIIZEAL & ΔZEAL~』 『シューティングラブ。10周年 ~XIIZEAL & ΔZEAL~』
▲1面ボス。本作のボスは色々なパーツが破壊可能なので、攻撃によるカタルシスと得点稼ぎの楽しさを味わえる。▲ダメージを受け、ボスの眼が展開&口吻が伸張! 美麗なドット絵が躍動する様は感動的だ。
『シューティングラブ。10周年 ~XIIZEAL & ΔZEAL~』 『シューティングラブ。10周年 ~XIIZEAL & ΔZEAL~』
▲2面ボスは、第1形態を下すと機首が人型ロボに変型! 全方位に弾をばら撒くので、背後に回りこむようにして避けるといいだろう。
『シューティングラブ。10周年 ~XIIZEAL & ΔZEAL~』 『シューティングラブ。10周年 ~XIIZEAL & ΔZEAL~』
▲市街戦となる3面では、多数の戦車に包囲される。ボスとして登場するのも超巨大な戦車だ。▲4面では大型の航空機を追っていく。逃がさないよう、両舷のエンジンを破壊しよう。
『シューティングラブ。10周年 ~XIIZEAL & ΔZEAL~』
▲四方八方から敵が飛来し、いよいよ前後左右へのショットの使い方が重要となる5面。ここが一番好き。
『シューティングラブ。10周年 ~XIIZEAL & ΔZEAL~』
▲本作の緊急回避手段は、ボムでなくバリア。バリアを展開した状態で敵に重なって攻撃すれば、ショット、左右のサイドショット、バックファイア、バリアの攻撃判定が重なって大きなダメージを与えられる。バリアのストック追加アイテムは出現しやすいので、必要と思ったら迷わず発動しよう。

 画面の四方から襲来する敵機は中盤になるとその頻度と速度を上げ、プレイヤーは画面中央付近にて各方向への対処に追われはじめる。飽和する画面と、それに対応して加速するシナプス、そして突破orゲームオーバーによる開放感。レバガチャによる腕のシビれがここへ加わったなら、アドレナリン感は全力疾走をしたかのようにフルMAXだ。

 アーケードスティックをお持ちの方は、マニュアル操作でのサイドショットも一度は試してほしい。ただし、騒音と健康には気をつけて。

『シューティングラブ。10周年 ~XIIZEAL & ΔZEAL~』
▲終盤のステージではメカニカルだったグラフィックが一転、有機的なイメージとなる。昔のSTGにたびたび見受けられた懐かしいエッセンスだ。

→次は『G-str……』じゃなかった『デルタジール』だ!(3ページ目へ)

(C)2013 TRIANGLE SERVICE

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