レビュアーの異常な愛情。または『シューティングラブ。10周年 ～XIIZEAL ＆ ΔZEAL』ラブ。【春のレビュー祭り】

文：皐月誠

■I AM “SHOOTING LOVE”！

　STGと言えば、不慣れな人が不安に抱きがちなのが「難しいんじゃないの？」というチキンな疑問。『トゥエルブジール』と『デルタジール』の難易度は、率直に言うなら「普通に難しい」といったレベルだ。もちろん、どちらにも難易度調整機能は搭載されている。

　決して甘くないが、辛すぎもしない。STG初心者で「興味はあるけれど、どのタイトルから手をつけたらいいのかわからない」と悩む人は、御託はともかく『シューティングラブ。10周年 ～XIIZEAL ＆ ΔZEAL～』から一歩を踏み出してほしい。

　こう言っては何だが、本作は決して満足できる内容のソフトではない（もっとも「これ一本で完全に満足！」なんてゲームがあったら、そこでゲームの進歩は終了している）。プレイする中で、「弾幕が物足りない」、「もっと高速弾を味わいたい」、「キャラクター性は欲しい」、「トライアングル・サービスの他のゲームも遊びたい」などの感想を持つだろう。本作からSTGを始める人は、その欲求から次に遊ぶタイトルを探してみよう。

　もちろん、10年前に遊んだタイトルを今一度プレイしたい人にもオススメだ。かつて他ハードでリリースされた『トゥエルブジール』はまだしも、AC用『デルタジール』相応タイトルの基板は劣化によってほぼ現存しないそうなので、今は本作でしか遊べないだろう。

　今回のレビュー企画に際して久しぶりにこの2タイトルをプレイをしたが、プレイに疲れても指がついついスタートボタンに向かうような、ストレートな“ゲーム”のおもしろさを味わえた。シューティングを愛するすべての人と、これからシューティングを愛するすべての人に、ぜひとも遊んでほしい。（マニアックへ走りすぎた記事に反省はしているけど、後悔はしていない皐月誠）

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