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2013年6月21日(金)

『ドラッグ オン ドラグーン(DOD)』シリーズのキャラ人気投票結果を開発者が総括! カイムとアンヘルのラストにまつわる秘話とは?

文:タダツグ

■ギョロアエの開発秘話もチラリ? 人気キャラのトップ3についてトーク!

【3位:フリアエ 8,610ポイント】

『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズ

松下:さてさて、思いのほか、お話を長く聞かせていただいております。2軒目になってしまいましたが、あらためまして日本酒で乾杯!

一同:かんぱーい!

:ふぐ刺しとかウニなんかがありますね。日本酒に合いそうなんで、頼んじゃいましょう。

松下:どうぞどうぞ! それではさっそく、3位のキャラを見てみましょうか。

藤坂:人気ありますね、フリアエ。

:まぁ、変わった子ですよね、この子は。

松下:これ、キャラ設定はヨコオさんが考えた感じですか?

:キャラ設定はヨコオさんです。でも、名取さん(※)の影響も強いのかなと思いますよ、女性キャラは特に。やっぱりね、女性のシナリオライターにしか出せない色というか、女性観っていうのがあると思うんですよね。

※名取さん:ゲームシナリオライター・小説家の名取佐和子さん。『ドラッグ オン ドラグーン』の他、『テイルズ オブ エターニア』や『ニーア』のメインシナリオも手掛けている。

松下:たしかに女性ならではの部分があるかもしれません。

:ちなみに藤坂さん、これって何?

藤坂:え? これってどれ?

:腰の周りのこの黒いヤツですよ。ずっと気になってたんだよね。何これ?

藤坂:んー、武器とか?

松下:いやいや、なんでこっちに聞くの(笑)。武器なら手に持ってるでしょ。

藤坂:たしかにそうですね……なんなんでしょうね? たぶん、こういうのがないといけないのかなぁ~とか思ったんですよ。なんだかきっと、ファンタジーっぽくしないといけないという観念に追いかけられてつけたものです、はい。

:藤坂さんお得意のワンポイントディテールってやつで、たしかに雰囲気は出てますよね。ちなみに、なんか足元の感じが『DOD3』のゼロと似てる気がしません?

松下:おー。そう言われてみれば、たしかにゼロと似てるような……。この靴下とか、雰囲気が似ていますけど、何か関連が?

:そこはご想像にお任せするってことで(ニヤリ)。

松下:その笑顔(苦笑)。でも、足元はあんまりファンタジーっぽくないですね、こうしてよく見ると。

:いつもそうだよね。足元だけなんとなく現実感があることが多い。

藤坂:そうですかね? まぁ、本来はこの腰から伸びてる黒いのとかも、なくていいんじゃないかと思います。その反面、やっぱりなくちゃ駄目だろうなとも感じるわけで。

松下:たとえばその腰の黒いヤツとか、手にした短剣とか、藤坂さんってこういった小物系を描くのが好きだと思ってたんですけど。

藤坂:好きというか、せっかくオリジナルのファンタジー世界を作るとなると、こういった小物でその世界を表現しなきゃいけないかなって、使命感みたいなものを感じて。結局あれこれくっつけちゃうんです。

:藤坂さんは本当に、デザインに意味を持たせる人なんですよね。

藤坂:意味がないものなんてないと思うんですよ、本当に。

『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズ
▲イウヴァルトやレオナールの籠手なども含め、各キャラのデザインには藤坂さんが考えるファンタジー観の象徴がさまざまな小物として盛り込まれている。

松下:この左手のリングとか、設定にグッときますよね。カイムとおそろいのリング。それが世代を超えて、フリアエのリングはノウェに、カイムのリングはマナに受け継がれるわけじゃないですか。

:ありましたね、そういう設定。

松下:あと、真っ白な服っていうのもちょっと新鮮だったんですよ、当時。ヒロインが真っ白っていうのが。普通、なんらかの色が付くじゃないですか。髪の毛の色もおとなしいですし。

藤坂:そうですよね。そういうセンスがないんです、僕。ごめんなさい。

松下:いや、そんな僕がダメ出ししてるみたいな言い方は止めてくださいよ(笑)。そんなつもりで言ったんじゃなくて、むしろすごいと思ってるんですから。服装の色合いとか、キャラの髪の毛の色とか。

:髪の毛の色が突飛なキャラとか、いないですもんね。ある意味、現実世界を踏襲しているファンタジー。

藤坂:服装に関しては、いろいろ考えたりもしたんですけどね。マナも結局、真っ赤なドレスになっちゃったし、複雑に色を入れるセンスっていうのがあまりないんですよね、僕には。

松下:それ、逆に言えば藤坂イズムってことじゃないですか。藤坂さんなりの主義主張があるのかな、と。

藤坂:そうなんですかね。でも、『DOD3』は頑張って色を付けているつもりです。

:うん。『DOD3』はすごくいいと思う。ファンの皆さんのリアクションが楽しみ。

松下:ちなみに、ヨコオさんはこのフリアエを“理想の妹”として描いたとのことなんですが……。お2人からすると、フリアエみたいな女の子ってどうですか。妹にしたいですか?

藤坂:えーと、複雑な質問をしますね。

松下:あ、ダメでしたかこういうの?

藤坂:いや、おもしろいこと聞くなぁって。考えたこともありませんでした。

:ま、こんな妹がいてもいいんじゃないですか。

松下:いや、今のはちっとも心がこもってない。今の「いいんじゃないですか」は、心がこもっていないですよ!

:だって、なんか面倒くさそうじゃありません? フリアエみたいな妹がいたら、何を考えているのか、よくわからない気がする。

藤坂:まぁ、そう言われちゃうとね。

松下:ちなみにこの子、再生の卵の力でえらいことになるじゃないですか。

藤坂:はい、なりますね。

『ドラッグ オン ドラグーン』シリーズ
▲えらいことになる。いわゆる“ギョロアエ”のことである。

松下:実際にご覧になっていかがでした? 自分のデザインした女の子があんなことになっちゃって。

藤坂:うーん。あれ、僕もデザインを一緒にやったからなぁ(笑)。

松下:あ、そうなんですか(笑)。“びびびび!”って羽とかしっぽみたいなのが生えるところとか、特に抵抗もない感じでした?

藤坂:そうですね、うん。抵抗がないというよりは、やるならちゃんとやらないと、って気がしていたので。

:まじめだなぁ、藤坂さんは。

藤坂:そうですか? なんか中途半端にかわいいのを残すより、よっぽどいい気がしますけど。

松下:ちなみに僕が驚いたのが、あのギョロアエと戦うエンディングが『シスター・プリンセス』の影響だってことなんですよね。「妹がたくさん出る『シスプリ』に影響されましたー」ってこう、ヨコオさんに満面の笑顔で言われて、こっちがびっくり。

:まぁ、そういう人ですから(笑)。

藤坂:しかも、好きとか嫌いとかは置いておいて、単純に、最近見て何かがピンときたアニメやドラマに影響されたりするのがすごいんですよね。

:そういうところは変に素直ですよね。それはそうと藤坂さん、さっきからちっとも刺身とか食べてないですね? もうお腹いっぱいなの?

藤坂:いや、そういうわけでもないですけど。

:(ウニを巻いたノリを藤坂さんの口に運びつつ)はい、あーん。

松下:お、サービスショットですか、ありがとうございます(笑)。

染谷:(食べ慣れないふぐ刺しを1枚ずつかみしめて、幸せを感じている)

松下:ちょっと! なんでこのタイミングで撮影しないんですか!!

染谷:(慌ててカメラを連写するが、すでに藤坂さんはウニを食べ終えていた)

:いや、もうやりませんよ。こういうのは一度きりですから(苦笑)。

染谷:……。

→カイムとアンヘルの人気を決定づけた
『DOD2』の“燃え尽きる”シーン(3ページ目へ)

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Character Design : Kimihiko Fujisaka.
(C)2003 cavia/SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
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