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2013年6月12日(水)

『グランツーリスモ6』山内一典さんインタビュー! 再構築した『GT6』のポテンシャルの高さを生かす調整をこれからしていく【E3 2013】

文:電撃オンライン

■開発者の予想を超えた挙動と出会う“幸せな瞬間”とは?

『グランツーリスモ6』

――現時点での手ごたえはいかがですか?

 ビデオゲームを制作している時というのは、急がば回れという感じで、コツコツと開発をしていると、ある日突然、何かが達成されることがあります。そういう瞬間は、ビデオゲーム制作の醍醐味だとも思います。

 初代PSやPS2のころと比べると、今はハードウェアもソフトウェアも成熟してきたこともあって、作っている最中に遭遇する“新鮮な驚き”は減ってきているんですけど、『グランツーリスモ6』では基本をやり直していることで、そういう僕らにとって幸せな瞬間がたびたび感じられています。

――“幸せな瞬間”というのは、例えばどんな時ですか?

 例えば、フィジックスの開発中、縁石を乗り越えてみたら「何これ!!」と驚くような挙動に出会いました。縁石を乗り越えた瞬間にステアリングが取られて、タイヤが路面とどうコンタクトしているのかというのが、ステアリングを通じてドライバーに“ものすごく濃い味”として入っていく……。かつ、その後にバネ下でタイヤが暴れながら路面に設置して、その力がバネ上に伝わり、スプリングダンパーが車体の動きを減衰しながらまた路面に戻っていく。この瞬間が、ドライバーにガッと伝わってきたんです。

 こういう瞬間って本当に突然、なんでもないようなある日の晩とかに起こるんですよね。こういうことは、それを計算して作っているわけではなくて、結果としてそういうものができ上がる場合があって、その瞬間が本当にうれしいんです。

 それもあって、PVでも「これでもか」というぐらいたくさん、そういう絵が出てきますよね(笑)。あれは僕らの“新鮮な喜び”の気持ちがそのまま入っているわけです。

――今回のE3バージョンの車の挙動について、山内さんとしての感触はどうですか?

 現在の『GT6』は、基本的なパフォーマンスというかポテンシャルは、すごく高い状態です。しかし、リアルになった分、サスペンションのジオメトリ(パーツの寸法や配置のこと)のセットアップがかなりシビアなんですね。だから、これまでのようにあいまいな状態では、うまくは動きません。そのかわり、ちゃんと設定が決まってくると、ものすごく走るようになってくるんですね。

 この設定自体はものすごく楽しみですけど、今後はこのあたりについて、1,200台もの車について1台ずつやっていくことになります。

 例えばFR車(後輪駆動車)で前後のバランスがよく、「ああ、これはいいな」という部分まで煮詰まっている状態のサスペンションがあったとして、このパラメータをそのままMR車(ミッドシップ車)に使うと、まったく走らなかったりするので(苦笑)。

 このあたりは、リアルになった分だけ、自動車メーカーと同じように苦労してセットアップをしなければいけないということです。

――会場でプレイされている方の反応を見て、いかがでしたか?

 実際にお話をしたわけではないので、具体的な反応はわかりませんが、ものすごく行列ができていたので、たくさんの方にプレイしていただけるといいなと思います。

『グランツーリスモ6』 『グランツーリスモ6』
『グランツーリスモ6』
▲ブースや会場外のサテライトブースの風景。会場内のブースでは車を模した大型筐体での試遊ができる他、さまざまな実車が展示されていた。

→山内さんから見た、新ハードであるPS4の印象(3ページ目へ)

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