2013年6月13日(木)
現地時間6月10日の“Xbox E3 2013 Media Briefing”にて存在が明らかになった『Project Spark』。E3 2013のマイクロソフトブースにて本作をプレイできたので、ファーストインプレションをお届けする。
『Project Spark』は非常に説明の難しいタイトルだが、ひと言で言ってしまえば、『Project Spark』というプラットフォームの上で、ユーザーが新たなゲームが作れるゲームだ。正直に言ってしまうと、現時点ではわかっている情報が少なすぎて、どこまでのポテンシャルを秘めているのか、計りかねているという状態である。
カンファレンスや本作の動画をすでに見ている人なら、地形やオブジェクトを変化させて新たな3Dアクションゲームを作れるゲーム、という認識だと思うし、自分もそうだった。
しかし、実際にサンプルとして作られたゲームを見せてもらうと、『Limbo』のような2D横スクロールアクションや『Geometry Wars』そのものな全方位系2DSTG、JRPGのようなコマンド戦闘タイプのゲームまで用意されていた。
▲『Limbo』っぽい横スクロールアクション。 | ▲『アングリーバード』っぽいパズルゲーム。 |
これは一体どういうことなのか、どうやって作られているのか、今でもよくわからない。とはいえ、それでは話が進まないので、実際に会場で開発者に説明してもらいながら、世界を作ってきた話をしたいと思う。
ちなみに本作はカンファレンスではXbox One用タイトルのように紹介されていたが、実際にはXbox 360およびPCでも発売される。今回体験してきたのはWindows8上で動くPC版だ。クリエイション部分はタッチパネルとの相性が非常によく、日本でも先日発売されたマイクロソフトのWindows8タブレットPC『Surface Pro』で動くようなら、“いつでもどこでもいつまでも”という非常に危ない環境ができてしまうかもしれない。
▲画面にタッチをして遊ぶゲームなんていうものも作れてしまう。 |
それはさておき、説明を受けた通りにクリエイションを紹介しよう。自分がプレイできたのはおそらくチュートリアルにあたる部分と思われるが、まず大元の地形を“Canyons”、“Mountains”、“River”、“Hills”から選ぶ。次に土地の種類を“Forest”や“Desert”などから選択し、主人公キャラの住む家を建て、主人公キャラの姿を決めれば、とりあえず第1段階は完成だ。
次に行ったのは、この世界に物語を与えること。3種類のクエストから1つを世界に設置することができる。また、オブジェクトを自分で自由に設置できる他、そのオブジェクトが自分や他者に対して行うアクションも設定できる。
デモではなんてことのない岩を最初に設置した。それはただの岩なので何もしなければそこに置いてあるだけである。そこで岩を選択し、この岩にアクションを設定することにした。一番簡単な設定は“When(いつ)”、“Do(何をするか)”だ。設定した内容は“プレイヤーが近くにきたら”、“ジャンプしながら主人公の後をついていく”というものだった。
その設定後に主人公が岩に近づくと、その通りに岩がピョンピョン絶え間なく飛び跳ねながら、後をついてくるようになった。こういった設定はプリセットとして用意されたものを使うこともできる。例えば鳥は主人公が近づくと羽ばたいていくという設定“Birds Brain”を最初から持っている。この設定を主人公の家に適用したら、主人公が自宅に近づくと、家が大空へと飛んでいってしまうということになった。
ただし、気になるのはゲームとしての本作の目的はあるのだろうかということ。例えばゲームを作るということが、ゲーム内での目的と一致し、それによって本作の物語が進むなどといったことはあるのかという点だ。
しかし、同じようにゲーム内での目的などのない『マインクラフト』が、人々を何百時間も熱中させていることを考えると、通常のゲームタイトルと同様の視点で考えるのは少々野暮なことかもしれない。Xbox One版、Xbox 360版、PC版でそれぞれクラウドにアップしたデータが共用できるのかはまだ明らかではないが、思いもよらない世界を作り上げたゲームがきっと大量に生まれてくるはずだ。
以下に今回公開されたスクリーンショットを掲載する。どんなゲームの画像なのか、想像してみるのも楽しいかもしれない。